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「銭天堂」シリーズで大人気の作家・廣嶋玲子さんによる、かわいすぎる子犬と女の子の友情物語『魔女犬ボンボン ナコ、こいぬと出会う』が2023年1月25日発売。
ほかの人とちがっても、あたしのパートナーはこの子しかいない! 信じあうコンビの物語冒頭を、ためし読み連載! イラストも満載で、小学校低学年のお子さんにオススメです♪
3 いたずらボンボン
次の日、ボンボンはせいいっぱいいい子でいようとしました。でも、そううまくはいきませんでした。
まず、ボンボンはママ魔女におはようのあいさつをしました。ママ魔女は「おはよう」とは言ってくれましたし、ちゃんと朝ごはんもくれました。でも、それだけでした。まるでボンボンのことなど見えていないみたいに、あとはまったく声をかけてきません。
猫たちもそうでした。ジュラやロラはボンボンのことなど見向きもしません。ミジーにいたっては、ボンボンがそばによるだけで、猫パンチをくりだしてくるのです。
せっかく猫たちとあそぼうと思ったのにと、ボンボンはがっかりしました。むっとした気分にもなりました。
ナコがいなければ、こんな家、すぐに出てってやるのに。
ナコとあそびたくても、それもできませんでした。お昼まではママ魔女と一緒に「勉強」しないといけないというのです。
「ここでママのごきげんをできるだけとっておかないといけないのよ。ボンボンは外をさんぽしてきたら? 勉強がおわったら、すぐにあたしも行くから」
「ボンボンだけで外に行ってもつまんないよ」
そう言って、ボンボンはやっぱり家の中ですごすことにしました。
「ああ、たいくつ! ボンボン、たいくつって、大っきらい!」
ぼやきながら、ボンボンはソファーのクッションにぼすんと横たわりました。すると、クッションがかるくおしかえしてきました。まるでボンボンにやりかえしてきたみたいです。
おもしろくなって、ボンボンはもう一度、クッションに体当たりしてみました。
ぼすん。ぼすん。ぼすん。
ボンボンはすっかり楽しくなって、クッションに飛びかかりました。くわえてふり回したり、上にほうりなげたり、前足でおさえつけたり。
そのうち、クッションは破れて、白いわたが出てきました。わたがひとかたまり、ゆかにころがりました。スリッパのすぐちかくです。
ボンボンの目はスリッパにくぎづけになりました。なんておもしろい形。鼻をつっこむのにぴったりです。ボンボンは今度はスリッパにとびかかりました。十分もしないうちに、スリッパはぼろぼろになってしまいました。
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そのあとも、ボンボンは次々とおもしろいものを見つけて、かたっぱしからかんだり、なめたりしていきました。テーブルの脚をぼろぼろにしたり、敷物を穴だらけにしたり、カーテンをびりびりにしたり、かごいっぱいに入っていたクルミをあちこちにかくしたり。
一匹だけでもこんなにあそべたんだと、ボンボンはとくいな気分でした。
その結果どうなったか?
ボンボンは、いかりくるったママ魔女に特大の雷を落とされました。
「ボンボン、あそんでただけなのに~」
その夜、ボンボンはナコの腕の中でめそめそとしました。
そんなボンボンをなぐさめながら、ナコはなんとかしなくちゃと、ふかいため息をついたのでした。
いたずらいっぱいのボンボンは、ナコのパートナーとしてみとめてもらえるの?
続きは本でチェックしてね☆
※実際の書籍と内容が一部変更になることがあります。
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