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みなさん、ようこそ『きょうふ小学校』へ!
ここは、わるいことをしたり、ルールをやぶったりした子がまよいこむ、
とってもこわ~い場所だよ。
え? なになに? こわい話が待ちきれないって?
それじゃあ、さっそくはじめようか……!
\2024年2月7日発売予定/
『1分で読めるこわい話 きょうふ小学校』の本では1冊で39のお話が読めるよ!!
。。○○もくじはコチラ○○。。
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今、ボクの小学校では大流行している遊びがある。
それはトレーディングカードゲーム。
ランダムにカードが入っているパックを買ったり、友だちと交換したりして集めたカードで、対戦するんだ。
学校が終わると、みんなまっすぐに家に帰って、またすぐ公園に集まり、日が暮れるまでカードゲームであそぶ。
クラスどころか学年中の男の子がやっているから、公園は毎日大もりあがり。
でも、困ったこともあるんだ。
やっぱり対戦ゲームだから強い子と弱い子がいるんだけど、ボクは弱いほうだということ。
いや、ボクのウデはいいんだよ?
問題なのは、レアカードをあんまり持っていないことなんだ。
やっぱりレアなカードほど強いことが多いんだけど、それを集めるにはけっこうなお金がかかっちゃうんだ。
ボクはおこづかいが少ないからあんまりカードを買えなくて、レアカードを持っている友だちに負けるたび、その友だちをうらやましがっていた。
そんなボクに、とてもうれしいことが起きた。
「ハルキ、こんど誕生日だろう? なにか欲しいものはあるかい?」
「トレーディングカードのパックが欲しい!」
お父さんに、こうおねがいしたら、なんと三十パックもプレゼントで買ってもらえちゃったんだ!
机の上いっぱいに広がるパックの山。
ボクには宝の山に見えたよ。
やっぱり三十パックも買うと、レアカードもたくさん入っていた。
これでボクもあの子たちに勝てるんだ!
そう思うと、うれしくてたまらなかった。
次の日の放課後。
公園に、きのう当たったレアカードをたくさん持っていった。
「ハルキ、なんだかすごい自信だな」
「ふふ、きのうまでのボクとは一味ちがうから」
そうしてレアカードを使って勝負したボクは、なんと連戦連勝。
今まで負けてばかりだった友だちにも、初めて勝つことができたんだ。
「ハルキ強えー!」
「そのカードかっこいいなあ、いいなあ」
そんな風にうらやましがる友だちの声を聞いて、ボクはなんだかいい気分になり、とっても楽しかった。
家に帰ってからもその楽しさをかみしめて、今日はいい気分でねむれそうだと思っていた。
洗濯機のまわる音が聞こえてきて、ポケットにカードを入れっぱなしだったことを思いだすまではね。
【書誌情報】
1話1分で読める、こわ~い話がもりだくさん!
わるいことをしたり、ルールをやぶった子は、きょうふ小学校にまよいこんで、ブキミな教室に閉じ込められちゃう!? 休み時間に読めちゃう、とってもこわくて、オモシロイ話がいっぱい!