【主人公が●んじゃってる】なんて……そんなのアリ!?
ごくフツーの小学生だったはずなのに、目が覚めたらゾンビになっちゃってた、くいなちゃん。それでも気を取りなおして、学校に通うことにしたんだけど、ちょ~たいへん!毎日がハラハラドキドキそして大爆笑(なんで!?)だらけ。次の章でなにがおきるか、まっったく予測不能な、最強ゾンビガール学園コメディ。しかも、な、なんとさし絵イラストがカラー!!みんな、ぜったいぜったい、見ててよねっ!
4 ボディガードは、ちょ~過保護っ!?
そして、わたしは、頼人(らいと)くんと同じ5年2組に入れることになったんだ!
ゾンビだとバレないよう、気をつけなきゃいけないことは、たくさんある。
それでも、学校にもどれるんだ!
ワクワクするよ!
●
「…………って思っていたのに。あまり楽しめないんですけど、頼人くん……?」
「どうしてだろうね」
わたしの言葉に、頼人くんがしらばっくれた。
頼人くんったら!
わたしの不満の理由、ぜーんぶ、わかっているくせにーっ!
わたしが学校へ通い出して、3日目の昼休み。
わたしと頼人くんがいるのは、校舎1階の階段裏にあるスペース。
あまり人が通らなくて、こっそり話をするのに、もってこいの場所なんだ。
学校へ通うにあたって、わたしは、とわちゃんが用意してくれた包帯を、体中に巻いた。
ゾンビの体がドロドロになっちゃうのをおさえる、トクベツなものなんだって。
包帯すがたは、イヤじゃない。なんとなくカッコいい気がするし!
そして、包帯を巻いてない部分には、とわちゃんが特殊なメイクをしてくれたんだ。
「ぺたぺた~♪ ぺたぺた~♪」
って歌いながら、ぬってくれたあと、鏡を見ると!
なんとまあ!
白すぎるほどだった肌が健康的な色に!
(そのあと、やっぱりあらわれた虫さんが「請求書で~す」って、差しだしてきた紙を見て、おばあちゃんが白目になってたけど……うううっ、ごめんなさいっ!)
とにかく、わたしの「新☆学校生活」がはじまったっていうのに……!
すべては、この、頼人くんがっ!
休み時間とかに、大日南(おおひな)さんたち女の子が話しかけようとしてくれても、
「くいな、ちょっと」
頼人くんが強引に、わたしを教室から連れだすんだ。
どこにいくかといえば、そこは図書室。
頼人くんと、さしむかいで。
す――――んと読書して、ただおとなしくすごす昼休みが、なんと2日もつづいたんだよ!
そして今日もまた、ひっぱっていかれそうになったから、
「頼人くん、今日はちょっと別の場所へいこう! 話があるっ」
と、このスペースにやってきたの。
「わたし、友だちを作っておしゃべりしたいし、お昼休みもみんなとすごしたい! いまのままじゃ、頼人くんがわたしにべったりで、友だちなんてできないよ!」
「くいなのヒミツを守るためだよ。他人と接触する機会は、少ないほうがいいんだ」
スンッとして、頼人くんが言う。
「それはわかってるけど~」
転入初日に、いきなり大日南さんに肩をさわられてから、警戒しているみたいなんだ。
べつに、図書室へいくのが、イヤってわけじゃない。
わたしを、守ろうとしてくれる気持ちもうれしいんだ。
――でもねぇ。
頼人くんってば、ちょっと……
「心配性だよ! 過保護だよ!! 過干渉だよっ!!!」
「ぐっ! ……なんとでも言ってくれ」
わたしの言葉にダメージを受けたのか、頼人くんはぷいっと顔をそらした。
あっ、このしぐさ、ちっちゃいころと同じだ!
気に入らないことがあると、そっぽをむくの。
背の高さも、話し方も、成長したけど……そういうところは変わってないのかも。
「まあ、言いたいことは言ったからスッキリしたよ。とりあえず、もうちょっと学校になれるまで、ようすを見るけどさ」
わたしが言うと、頼人くんは、ホッとしたみたい。
「それより、次の授業は体育だよね。なにするんだっけ?」
わたしが話を変えると、
「たしか、サッカーだよ。男女混合で……」
そう言いかけて、頼人くんは「まずい!」と、目を見ひらいた。
「サッカーは、コンタクトスポーツだ。くいな、とにかく接触しないように、気をつけて……」
「ハイハイわかった、わかりましたよ~」
ホントに、心配性なんだから……!
●
体育の時間。
わたしたちは体操着へ着がえて、校庭にあつまった。
授業の前半は、まずサッカーボールの扱いになれよう!
ってことで、わたしは大日南さんたちのグループに入れてもらって、ボールを蹴りあったんだ。
「はーい、存美(ありよし)さんパス!」
てんてんてーん、と、わたしの前までボールがくる。蹴りかえそうとするけど、
すかっ!
と、空ぶりしちゃった。
「わあああ! ごめーん!」と言いながら、あわててボールを取りにいく。
運動神経が、あまりよくないんだよね~、わたし。
はなれた場所にいる頼人くんを、ちらっと見ると。
動きはすばやいし、ボールの蹴り方もサマになってるっていうか。
なんか、イケてる。
「頼人くんって、運動できるほうなの?」
大日南さんにたずねてみると、ふしぎそうな顔をした。
「ん? 存美さん、幼なじみなのに知らないの?」
わわわ、しまった!
「ええっと! 家はおとなりだけど、前は小学校がちがったから、わからなくて」
あわててテキトーにごまかすと、
「ふうん……。若月(わかつき)はスポーツ万能だよ! 運動会でも毎年すごく活躍してるし」
「へえ~!」
なんだかうれしいな! 活躍するところ、見てみたいかも!
「でも、サッカーに関しては、いま、いっしょにパス回ししてる、黒羽(くろばね)のほうが上かな。強いサッカークラブに入っててレギュラーなんだってさ」
いま、頼人くんとボールを蹴りあっているのが、同じクラスの黒羽響夜(きょうや)くん。
なるほど。
頼人くんより少し背が高くて、体つきも、きたえてるって感じ。
話したことはないけど、日焼けした肌に、白い歯を見せて笑う、さわやかな子だ。
「あのふたりが、うちの学年の男子の中じゃ、人気者ツートップだよね」
大日南さんの言葉に、女の子たちがうんうん、とうなずいている。
……そっか。頼人くん人気者なんだねぇ。
なんだかお姉ちゃんみたいな気持ちで、うれしいよ。
第5回につづく
↓本には、こんな感じで、もっと楽しいしかけがいっぱい! 絶対見てね♫
書誌情報
- 【定価】
- 880円(本体800円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 新書判
- 【ISBN】
- 9784046324061
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