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【先行ためし読み!】『くいなちゃんはゾンビ!』 第4回


【主人公が●んじゃってる】なんて……そんなのアリ!?
ごくフツーの小学生だったはずなのに、目が覚めたらゾンビになっちゃってた、くいなちゃん。それでも気を取りなおして、学校に通うことにしたんだけど、ちょ~たいへん!毎日がハラハラドキドキそして大爆笑(なんで!?)だらけ。次の章でなにがおきるか、まっったく予測不能な、最強ゾンビガール学園コメディ。しかも、な、なんとさし絵イラストがカラー!!みんな、ぜったいぜったい、見ててよねっ!




 

4 ボディガードは、ちょ~過保護っ!?



 そして、わたしは、頼人(らいと)くんと同じ5年2組に入れることになったんだ!


 ゾンビだとバレないよう、気をつけなきゃいけないことは、たくさんある。

 それでも、学校にもどれるんだ!

 ワクワクするよ!



「…………って思っていたのに。あまり楽しめないんですけど、頼人くん……?」


「どうしてだろうね」

 わたしの言葉に、頼人くんがしらばっくれた。


 頼人くんったら!

 わたしの不満の理由、ぜーんぶ、わかっているくせにーっ!


 わたしが学校へ通い出して、3日目の昼休み。

 わたしと頼人くんがいるのは、校舎1階の階段裏にあるスペース。

 あまり人が通らなくて、こっそり話をするのに、もってこいの場所なんだ。


 学校へ通うにあたって、わたしは、とわちゃんが用意してくれた包帯を、体中に巻いた。

 ゾンビの体がドロドロになっちゃうのをおさえる、トクベツなものなんだって。

 包帯すがたは、イヤじゃない。なんとなくカッコいい気がするし!

 そして、包帯を巻いてない部分には、とわちゃんが特殊なメイクをしてくれたんだ。


「ぺたぺた~♪ ぺたぺた~♪」


 って歌いながら、ぬってくれたあと、鏡を見ると!

 なんとまあ!

 白すぎるほどだった肌が健康的な色に!


(そのあと、やっぱりあらわれた虫さんが「請求書で~す」って、差しだしてきた紙を見て、おばあちゃんが白目になってたけど……うううっ、ごめんなさいっ!)


 とにかく、わたしの「新☆学校生活」がはじまったっていうのに……!

 すべては、この、頼人くんがっ!


 休み時間とかに、大日南(おおひな)さんたち女の子が話しかけようとしてくれても、

「くいな、ちょっと」

 頼人くんが強引に、わたしを教室から連れだすんだ。

 どこにいくかといえば、そこは図書室。

 頼人くんと、さしむかいで。

 す――――んと読書して、ただおとなしくすごす昼休みが、なんと2日もつづいたんだよ!


 そして今日もまた、ひっぱっていかれそうになったから、

「頼人くん、今日はちょっと別の場所へいこう! 話があるっ」

 と、このスペースにやってきたの。


「わたし、友だちを作っておしゃべりしたいし、お昼休みもみんなとすごしたい! いまのままじゃ、頼人くんがわたしにべったりで、友だちなんてできないよ!」

「くいなのヒミツを守るためだよ。他人と接触する機会は、少ないほうがいいんだ」

 スンッとして、頼人くんが言う。

「それはわかってるけど~」


 転入初日に、いきなり大日南さんに肩をさわられてから、警戒しているみたいなんだ。

 べつに、図書室へいくのが、イヤってわけじゃない。

 わたしを、守ろうとしてくれる気持ちもうれしいんだ。

 ――でもねぇ。

 頼人くんってば、ちょっと……


「心配性だよ! 過保護だよ!! 過干渉だよっ!!!」


「ぐっ! ……なんとでも言ってくれ」

 わたしの言葉にダメージを受けたのか、頼人くんはぷいっと顔をそらした。

 あっ、このしぐさ、ちっちゃいころと同じだ!

 気に入らないことがあると、そっぽをむくの。

 背の高さも、話し方も、成長したけど……そういうところは変わってないのかも。


「まあ、言いたいことは言ったからスッキリしたよ。とりあえず、もうちょっと学校になれるまで、ようすを見るけどさ」

 わたしが言うと、頼人くんは、ホッとしたみたい。

「それより、次の授業は体育だよね。なにするんだっけ?」

 わたしが話を変えると、

「たしか、サッカーだよ。男女混合で……」

 そう言いかけて、頼人くんは「まずい!」と、目を見ひらいた。


「サッカーは、コンタクトスポーツだ。くいな、とにかく接触しないように、気をつけて……」

「ハイハイわかった、わかりましたよ~」

 ホントに、心配性なんだから……!



 体育の時間。

 わたしたちは体操着へ着がえて、校庭にあつまった。

 授業の前半は、まずサッカーボールの扱いになれよう!

 ってことで、わたしは大日南さんたちのグループに入れてもらって、ボールを蹴りあったんだ。


「はーい、存美(ありよし)さんパス!」

 てんてんてーん、と、わたしの前までボールがくる。蹴りかえそうとするけど、

   すかっ!

 と、空ぶりしちゃった。

「わあああ! ごめーん!」と言いながら、あわててボールを取りにいく。


 運動神経が、あまりよくないんだよね~、わたし。

 はなれた場所にいる頼人くんを、ちらっと見ると。

 動きはすばやいし、ボールの蹴り方もサマになってるっていうか。

 なんか、イケてる。


「頼人くんって、運動できるほうなの?」

 大日南さんにたずねてみると、ふしぎそうな顔をした。

「ん? 存美さん、幼なじみなのに知らないの?」


 わわわ、しまった!

「ええっと! 家はおとなりだけど、前は小学校がちがったから、わからなくて」

 あわててテキトーにごまかすと、

「ふうん……。若月(わかつき)はスポーツ万能だよ! 運動会でも毎年すごく活躍してるし」

「へえ~!」

 なんだかうれしいな! 活躍するところ、見てみたいかも!


「でも、サッカーに関しては、いま、いっしょにパス回ししてる、黒羽(くろばね)のほうが上かな。強いサッカークラブに入っててレギュラーなんだってさ」

 いま、頼人くんとボールを蹴りあっているのが、同じクラスの黒羽響夜(きょうや)くん。


 なるほど。

 頼人くんより少し背が高くて、体つきも、きたえてるって感じ。

 話したことはないけど、日焼けした肌に、白い歯を見せて笑う、さわやかな子だ。


「あのふたりが、うちの学年の男子の中じゃ、人気者ツートップだよね」

 大日南さんの言葉に、女の子たちがうんうん、とうなずいている。


 ……そっか。頼人くん人気者なんだねぇ。

 なんだかお姉ちゃんみたいな気持ちで、うれしいよ。




第5回につづく

↓本には、こんな感じで、もっと楽しいしかけがいっぱい! 絶対見てね♫





書誌情報


作: 平河 ゆうき 絵: からあげたろう

定価
880円(本体800円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046324061

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