【主人公が●んじゃってる】なんて……そんなのアリ!?
ごくフツーの小学生だったはずなのに、目が覚めたらゾンビになっちゃってた、くいなちゃん。それでも気を取りなおして、学校に通うことにしたんだけど、ちょ~たいへん!毎日がハラハラドキドキそして大爆笑(なんで!?)だらけ。次の章でなにがおきるか、まっったく予測不能な、最強ゾンビガール学園コメディ。しかも、な、なんとさし絵イラストがカラー!!みんな、ぜったいぜったい、見ててよねっ!
2 目が覚めたら、×××でした……?
パチッ
ふと、わたしは目を開けた。
見えたのは、天井。
うん。わたし、ベッドで横になってるみたい。
むくっ、と体をおこして、まわりを見る。
ここは、わたしの部屋だ。
カーテンも、勉強づくえも、本だなも、見なれたものだから、まちがいない。
でも…………。なんだか、少しだけヘンな感じもする。
どこがヘンなのか、パッとは、わからないけど。
わたしは、存美くいな。
浪明学園小学校に通う、5年生。
あれ……?
わたし、どうして自分の部屋で寝てるんだろう?
いや、おかしいわけじゃない……のかな。でも……んんん?
ダメだ。頭の中に、もやがかかっているみたい。これまでのことが、思いだせない。
まだ、寝ぼけているのかも。
ベッドから下りて、鏡に全身を映してみた。
長くのばした髪。
お気に入りのパジャマも、いつもどおりだ。
だけど、あきらかにヘンなのは。
「顔色、わっる!」
つい声が出ちゃったほど、顔が真っ白なんだ。
なんていうか、血の気がぜんぜんないっ!
よく見れば、顔だけじゃなく、腕も、足も、陶器みたいに、真っ白!
わたし、べつにもともと色白ってわけじゃない。
体育の授業だって、いつも半袖ハーパンで受けてるし。
えっ、もしかして貧血?
でも、体調は、ぜんぜん悪くないんだよね……。
むしろ、体がかるくて、気分がいいくらい。
…………あれっ? 鏡に、もっと顔を近づけてみる。
「なんじゃ、こりゃ!?」
目が、赤いっ!
白目が充血しているって意味じゃなくてね。
わたしの瞳、赤く光ってる!?
カラコンなんて、もちろん入れてない……ていうか。
わたし、ふつうのコンタクトレンズだって、つけたことないよ!
えっ、わたし、どうしちゃったの――!?
そのとき、ガチャッと、部屋のドアが開く音がした。
そちらを見ると……わたしと同じ年ごろの男の子がいる!
わたしのすがたに目を見ひらき、立ちすくんでいる。
びっくりしたのは、こっちもだけどね!
どうしてわたしの部屋に、いきなり知らない男の子が入ってくるのっ!?
でも、この子のきりっとした目つきは、どこか見おぼえがあるような気も……?
いやいや!
やっぱり、こんなカッコいい子は知らないよ!
わたしが固まっていると、男の子がかるくよろめくように近づいてきた。
「くいなちゃん………目が覚めたんだ。よかった……」
感激してるみたいで目がうるんでる。
なにそのテンション、こわい。
近い近い近い、近いって!
「だれあなた!? なんなのーっ!」
とんっ
思わず、彼をかるく両手で押しかえしちゃった。そのとたん、
「おわっ!?」
ドギャ———————————————————————————————ン!!!!!!!!!!!
彼の体が、ものすごいいきおいで、ぶっ飛んだ――――っ!?
マンガみたいに音をたてて、部屋のカベにぶつかって。
その場に、ずるずるっとたおれこんじゃった……。
ぶつかった衝撃で、カベにかけていたカレンダーが床に落ちちゃったよ。
「きゃー! ご、ごめんなさい!」
わたしがあやまっても、その子からは返事がない。
そのまま10秒ほど待っても、彼は動かなかった。
「も、もしかして…………死んじゃっ……た……?」
「死んでないっ! 死んでいるのはきみのほうだ!」
おそるおそるきいたわたしに、大声でこたえると、男の子は頭をさすりながら立ちあがった。
「いてて……。いきなりつきとばすことないだろ!」
「ご、ごめんね。かるく押したつもりだったんだけど」
んっ?
――さっき、彼がヘンなことを口にしたような?
男の子は床に落ちたカレンダーをひろうと、わたしを見る。
「存美くいな。きみが目を覚ましたからには――――説明しないといけないことがある」
真剣な瞳でそう言ってカレンダーを手わたしてきた。
わたしが毎年買ってる、猫ちゃんの写真が大きく載ったカレンダーだ。
……あれ? でも、この猫ちゃんには見おぼえがないかも。
「カレンダーの年月日を、よく見て」
彼の言葉にしたがって、わたしはカレンダーをよく見てみた。
……えっ?
わたしがかけていたのは、平成◎◎年……20△×年のカレンダーだったはず。
だって、今年は20△×年だし。
なのに……。
「どうして、こんな……ずっと先の年のカレンダーが、ここにあるの? ていうか、西暦の横に書いてある『令和』って、なに?」
「平成の、次に決まった年号なんだよ。れいわ、って読む」
男の子が、なんでもないことのように言ったけど。
さ っ ぱ り 意 味 が わ か ら な い !!!!!
混乱するわたしに、男の子はおちついた調子で告げた。
「結論から言うよ。――――いまから8年前、きみは、ある事故で命を落とした。そして……
いま長い眠りから目覚めて、よみがえった。
……ゾンビとして」
は?
「ゾンビ? わたしが事故で、……えっ? えっ???」
頭の中で、ぐるぐる。
なにかが、回りはじめるような感覚。
とうとつに、思いだした。
わたし、両親と車で遊園地へいったんだ。
その帰り道、山の中の高速道路を走って、トンネルに入って……。
まわりが暗くなって、ちょっとこわいな、って感じたときだった。
メキメキッ!
ゴゴゴゴッ!
そんな音が、きこえてきたんだ。
どこからだろう? 上から? なんで?
そう思ったとき、とんでもない揺れにおそわれた!
…………わたしの記憶は、そこでプツンと、とぎれてる。
ま、まさか。本当にわたし……?
足がふるえそうになる。
そのとき、部屋のドアがふたたび開いた。
「……くいなっ」
そう言って入ってきたのは、
「おばあちゃんっ!」
髪の毛が、ずいぶん白くなっているけど……。
おばあちゃんは泣きそうな顔で駆けよってきて、わたしをぎゅっと抱きしめる。
「よかった、くいな。目を覚ましてくれて……」
その力が、おばあちゃんの真剣な思いを伝えてくる。
ってことは、やっぱり……。
「う、うん」
どんな顔していいか、わからないよ……。
「頼人(らいと)も、ありがとうね。これまでずっと、わたしを支えてくれて。くいなを見まもってくれて」
「いえ」
おばあちゃんに声をかけられて、男の子は、うつむいている。
って!
えっ、おばあちゃん、この人のことを「頼人」って呼んだ!?
若月頼人くんなら、わたし、知ってる。
うちの、おとなりに住んでいる男の子。
まだ3歳で、あどけない笑顔がかわいくて、すごく、わたしになついてて。
ときどき遊んであげているんだけど……。
えっ?
この子が? どう見ても、わたしと同じ年ごろなのに……。
「頼人……くんなの!?」
「やっとわかってくれたんだ……くいなちゃん」
ちょっと恥ずかしそうで、とってもうれしそうな、男の子の笑顔。
そこには、たしかに頼人くんの面影があった。
「ええええええええ――――――――――――――――!?!?!?!?!?!?!?!?」
第3回につづく
↓本には、こんな感じで、もっと楽しいしかけがいっぱい! 絶対見てね♫
書誌情報
- 【定価】
- 880円(本体800円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 新書判
- 【ISBN】
- 9784046324061
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