好評発売中のゲーム『星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド』の小説版が、2026年3月11日、角川つばさ文庫『星のカービィ ディスカバリー 流星のスターリーワールド編』となって、ついに登場!
平和になった新世界に、またまた大事件!? 角川つばさ文庫から発売中の『星のカービィ ディスカバリー 新世界へ走り出せ!編』『星のカービィ ディスカバリー 絶島の夢をうちくだけ!編』に続く、カービィの新しい冒険が始まるよ!!
◆第4回
新世界に、とつぜん、巨大な流星が降ってきた! その衝撃で、海底にしずんでいた火山島が浮かび上がるほどの大そうどう。ワドルディたちが心配になったカービィたちは、急いでワドルディの町へ向かいます!
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結晶世界へ走り出せ!
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ワドルディの町は、大さわぎになっていた。
とちゅうまで進めていたパーティの準備は、降り注いできた結晶のせいで、めちゃくちゃだ。
おびえたワドルディたちが、広場に集まっている。いつもは元気に走り回っているガルルフィたちも、耳をたれて、レオンのそばをはなれようとしなかった。
町に帰り着いたカービィたちは、ワープスターから飛び下りた。
「みんな! だいじょーぶ!?」
レオンが、ホッとした様子で駆け寄ってきた。
「無事だったか、おまえたち! あの流星を見たか?」
カービィが、手をパタパタさせながら、大急ぎで叫んだ。
「うん! 流れ星が落ちたところに、ドカーンって島が浮かんできたんだ! ぼくら、そこで、スターリーを助けたんだよ! スターリーは光の星で、すごく、すごいんだ! 闇のあいつを、えーと、えーと……ふいーん? ふいーんしちゃうんだ!」
「……うん? なんだと?」
カービィの説明を聞いて、レオンは、混乱したように首をかしげた。
天もん学者ワドルディが進み出た。
「ふいーんではなく、封印です。くわしいことは、わたしから説明させてください」
「ふむ? 天もん学者ワドルディか。なぜ、おまえがカービィたちといっしょに……?」
「その話は、あとです。まずは、流星についてお話しします」
天もん学者ワドルディは、流星の伝説について、くわしく話した。もちろん、火山島が浮かび上がったことや、そこで出会ったスターリーのことも。
みんな、シーンと静まり返って、話に聞き入った。
ワドルディたちは顔を見合わせ、不安そうにささやき合った。
「こわいよ。伝説がほんとうだったら、大変なことになるよ……」
「なんとかして、封印しなくちゃ。この星が、のみこまれちゃう……!」
「そうはさせん」
するどく言い切ったのは、メタナイトだった。
ワドルディたちは、目を見開いて、メタナイトを見た。
メタナイトは静かに続けた。
「私はかつて、この町の用心棒になってほしいとたのまれ、引き受けた。あのときの約束は、まだ有効だ。私には、君たちの町を守る責任がある。そのためには、スターリーたちを救出せねばならんのだ。急ごう」
バサッとマントをひるがえし、早速、歩き出す。
レオンが、声をかけた。
「待て、オレも行こう。みなで手分けしたほうが良さそうだ」
「にゃ!」
レオンに寄り添って声を上げたのは、キャロルだった。
デデデ大王が言った。
「オレ様にまかせろ! ワドルディども、おまえらは、ガルルフィたちといっしょに、ここに残れ。流星には、くれぐれも気をつけるんだぞ……と、そうだ、ドルディーズ!」
「はい、大王様! なんでしょう?」
ドルディーズの四人が進み出ると、デデデ大王は言った。
「おまえたちから借りたラジオなんだが……すまん。実は、なくしてしまったのだ。ドタバタしている間に、落としたらしくてな。気がついたら、なくなっていた」
大王にしてはめずらしく、神妙な顔であやまった。
ドルディーズの四人は、にっこりして言った。
「大丈夫です。ぼくら、ラジオで聞いた曲は、ぜんぶ覚えてますから」
「どうぐ屋くんなら、きっと、新しいラジオを作ってくれます。ぼくら、そのラジオで、大王様のラジオ番組を聞きたいです!」
大王は、満足そうに笑った。
「フフン……よかろう。おまえたちに、スペシャルでデラックスなデデデ大王様ラジオを聞かせてやる。では、行ってくるぞ。天もんとバンダナは、オレ様について来い!」
「はい!」
一行は、ワドルディやガルルフィたちに見送られて、町を出た。
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町を囲む森を抜けると――カービィたちの目に飛びこんできたのは、これまでに見たこともない景色だった。
道路にも、草や木の上にも、いたるところに結晶が落ちている。
「うわあ……すごい!」
カービィは、思わず大きな声を上げた。
天もん学者ワドルディが言った。
「この結晶が、みんな、宇宙からやって来たものなんですね。なんという、しんぴ的で、美しい景色なんでしょう……」
デデデ大王が、うんざりしたように言った。
「いくらきれいでも、星のかけらなんぞ、食えんわい。それより、この結晶全部に、スターリーが入ってるのか? 大変な数だぞ、これは……」
バンダナワドルディが、近くの結晶をじっくりながめて、言った。
「いいえ、大王様。この中には、スターリーはいないようです。スターリーの歌も、聞こえてきませんし」
「なんだと? スターリー入りの結晶と、はずれの結晶があるのか?」
エフィリンが、あたりを見回して言った。
「力の強い結晶と、弱い結晶があるんだよ。強いほうは、スターリーが自分を守るために張ったバリアなんだ。だから、スターリーが内側にこもっていて、強い力をはなっているんだよ」
「ほほう? 弱いほうは?」
「それは、封印が破られたときにはじけ飛んだ、結晶のかけら。中にスターリーはいないから、力をもたないんだ」
メタナイトが言った。
「くわしいな。そうか、君は、スターリーたちの言葉を聞くことができるのだったな。その能力で、スターリーのいる場所がわかるのではないか?」
「うーん……」
エフィリンは、耳をピクピクさせた。
けれど、すぐに、しょんぼりと耳をたれて言った。
「ごめん、何も聞こえないよ。もっと近づけば、わかるかもしれないけど……」
デデデ大王が、つまらなそうに言った。
「なんだ、役に立たんな。結局、かたっぱしから探すしかないということか……」
と、そのとき。
天もん学者ワドルディが、大声で叫んだ。
「うわああっ!? あ、あれは……!」
彼は手を上げて、空をさした。
空から、巨大な結晶が降ってくる。
あの流星ほどではないが、かなりの大きさだ。
どうすることもできなかった。みんなが、ぼうぜんとして見上げている間に、結晶は高層ビルを直撃した。
ドガァァァァァン!
すさまじい音を立てて、結晶はビルの壁にめりこんだ。
カービィが、大きく口をあけて叫んだ。
「つきささったよ! おっきな結晶が、ビルに!」
レオンが、うめいた。
「なんてこった! こんな異変が、まだ続くのか? あんなのに直撃されたら、おしまいだぞ……ええい、どうすれば……!」
メタナイトが叫んだ。
「下がれ、みんな! 地面が結晶化していくぞ!」
結晶が突き刺さったビルの壁や、その下の地面が、みるみるうちに結晶におおわれていく。
デデデ大王が、あわてふためいて言った。
「あれにふれたら、どうなるのだ!?」
「わからん。だが、ろくなことにはなるまい」
一行は、あわてて駆け出した。
さいわい、地面の結晶化は、ごく一部だけでおさまった。
デデデ大王が、フーッと大きく息をついて言った。
「やれやれ、だわい。さあ、では行くぞ。スターリーどもを探しに……」
だが、とつぜん、キャロルが声を上げた。
「にゃ! にゃにゃ!」
「うん? どうした、キャロル?」
キャロルは長いツメで、前方を示した。
結晶化した地面の上に、一匹のガルルフィがいた。
ふつうの姿ではない。頭に、キラキラ光る結晶が生えている。まるで、結晶の王冠をかぶっているかのようだ。
レオンが、ぼうぜんとして言った。
「結晶化……!? あの地面の上にいたために、あいつまで、あんな姿になったのか!?」
「にゃ!」
キャロルは夢中で駆け出した。
彼女にとって、すべてのアニマルたちは、家族のようなもの。じっとしてなんて、いられない。
メタナイトが叫んだ。
「止まれ、キャロル! 君まで結晶化してしまうぞ!」
しかし、キャロルは止まらなかった。ガルルフィを助けたい一心で、駆け寄る。
けれど――ガルルフィは荒々しくうなり、後ろ足で立ち上がった。
「ガルルルルル……!」
様子がおかしい。目がギラギラと光り、敵意をみなぎらせている。キャロルはとまどい、立ちすくんだ。
メタナイトが、すばやく剣を抜いて叫んだ。
「結晶によって凶暴化しているのだ! みな、気をつけろ!」
「待ってくれ」
今にも斬りかかりそうなメタナイトを止めたのは、レオンだった。
「ガルルフィは、オレたちのなかまなんだ。手を出すな」
「そんなことを言っている場合か。見ろ、あの凶悪な目を。話が通じそうにない!」
「斬ってはならん。オレが許さんぞ!」
二人が言い合っている間に、ガルルフィは大地をけった。
ねらいは、キャロル!
「ガルルルルルゥゥゥ!」
吠えながら、キャロルに飛びかかる!
「あっ! あぶない、キャロル!」
カービィが飛び出そうとしたが――一瞬早く、キャロルは飛び下がって攻撃をかわし、するどいツメをガルルフィに突きつけた。
「ッッッシャァァァァァァァァァ――!」
ガルルフィの吠え声をはるかに上回る、ド迫力の声量!
すると、ガルルフィはふるえ上がり、体をちぢこめて、頭を下げた。
「ガル……ガルガル……」
「にゃ! にゃにゃにゃ!」
キャロルはツメをおさめ、「よし!」というように、うなずいた。
メタナイトが、あっけにとられて、たずねた。
「……なんだ、今のは? どうなったのだ?」
レオンが答えた。
「ガルルフィのヤツ、凶暴な気持ちになりかけていたが、キャロルにしかられて、われに返ったんだ。『ごめんなさい』『わかればいいのよ』……という会話だ」
バンダナワドルディが、感動してつぶやいた。
「すごい……キャロルさん、かっこいい……」
天もん学者ワドルディが言った。
「大事なことがわかりましたね。結晶化した地面の上にいると、今のガルルフィみたいに凶暴化してしまうようですが、もとの心まで変わってしまうわけではないんです。気持ちが落ち着けば、おそってくることはなくなります」
デデデ大王が言った。
「つまり、どなりつけてやれば、おとなしくなるんだな。よーし、まかせろ。どなり声なら、負けんわい!」
天もん学者ワドルディは、急いで付け加えた。
「もう一つ、わかったことがあります。キャロルさんは、結晶化した地面に立っても平気でした。つまり、結晶が落ちてきた瞬間に、落下地点のそばにいるのは危険ですが、いったん結晶化した大地の上なら、ふつうに歩けるということです」
「うむ! では行こう!」
デデデ大王は、結晶化した大地に向かって、歩き出そうとした。
そこへ、レオンが声をかけた。
「待ってくれ、デデデ大王。ここで、二手に分かれよう。あんたたちは、先へ進んでくれ。オレとキャロルは、ここに残る」
「え? なんだと?」
デデデ大王は足を止めた。
「スターリーを急いで助け出すには、手分けしたほうがいいだろう。オレは、このあたりの草原や森にいるアニマルたちが心配なんだ。だから、キャロルといっしょに、この近くをパトロールする。スターリーを見つけたら、もちろん助けるさ」
「なるほど」
デデデ大王も納得して、うなずいた。
「ならば、オレ様たちは先へ進もう。レオン、キャロル、たのんだぞ」
「うむ。気をつけてな」
「にゃ!」
レオンとキャロルは手を振った。
カービィたちは二人と別れて、高層ビル群の方向へ、歩き出した。
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結晶がつきささった高層ビルは、近づいてみると、思った以上にひどく破壊されていた。
壁がくずれ、入口はガレキでふさがれている。これでは、中に入ることすらできない。
天もん学者ワドルディが言った。
「困りましたね。この建物、気になるのですが」
「何が気になるの?」
カービィがたずねると、天もん学者ワドルディは、ビルを見上げて答えた。
「あの巨大結晶がここに落ちてきたのは、スターリーの影響ではないかと思うのです。このビルのどこかに、スターリーがいる可能性が高いのでは……と」
カービィが、歩き回りながら言った。
「どこかに、もぐりこめそうな穴とか、ないかな? うーん……」
壁にそって、ウロウロしていたカービィは、何かにつまずいて転んでしまった。
「わわわ!? いたた……!」
と、その瞬間。
とつぜん、カービィたちの目の前に、キラキラ光る階段が出現した。
ゆるやかなカーブを描いて、上のほうにのびている。バンダナワドルディが、びっくりして叫んだ。
「ええ!? な、何、これ!?」
デデデ大王が、目を見張って言った。
「これを上って行けば、上の階の窓から中に入れそうだな。しかし……なぜ、いきなり、こんなものが?」
メタナイトが、カービィを見た。
「君がやったのか? どうやって?」
「知らないよー! ぼく、転んじゃっただけだよ」
カービィは、足元を調べてみた。
カービィがつまずいたのは、小さな花だった。
ただの花ではなく、キラキラ光る結晶でできている。そのせいで、足を引っかけてしまったのだ。
「結晶のお花だよ。このお花が、階段を作ってくれたのかなあ?」
天もん学者ワドルディが、花をじっくり観察して、言った。
「他の結晶とはちがうようですね。なんでしょう……この花も、宇宙から降り注いできたんでしょうか?」
デデデ大王が、さっさと階段に向かいながら言った。
「なんだか知らんが、ビルの中に入れる階段ができたんだ。行くぞ!」
一行は階段を上って、上の階からビルの中に入りこんだ。
『闇の星』を封印する力を持つスターリーたちを助け出すために、ふたたびカービィの新世界の冒険が始まった!
新世界の冒険には、カービィの『あの能力』がぜったい必要で……? 次回『新たなほおばりヘンケイ』をおたのしみに! (3月13日公開予定)
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