KADOKAWA Group
NEW ものがたり

【スペシャルれんさい】『星のカービィ ディスカバリー 流星のスターリーワールド編』第4回 結晶世界へ走り出せ!


好評発売中のゲーム『星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド』の小説版が、2026年3月11日、角川つばさ文庫『星のカービィ ディスカバリー 流星のスターリーワールド編』となって、ついに登場!
平和になった新世界に、またまた大事件!? 角川つばさ文庫から発売中の『星のカービィ ディスカバリー 新世界へ走り出せ!編』『星のカービィ ディスカバリー 絶島の夢をうちくだけ!編』に続く、カービィの新しい冒険が始まるよ!! 

◆第4回
新世界に、とつぜん、巨大な流星が降ってきた! その衝撃で、海底にしずんでいた火山島が浮かび上がるほどの大そうどう。ワドルディたちが心配になったカービィたちは、急いでワドルディの町へ向かいます!  

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

結晶世界へ走り出せ!

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・ 

 ワドルディの町は、大さわぎになっていた。

 とちゅうまで進めていたパーティの準備は、降り注いできた結晶のせいで、めちゃくちゃだ。

 おびえたワドルディたちが、広場に集まっている。いつもは元気に走り回っているガルルフィたちも、耳をたれて、レオンのそばをはなれようとしなかった。

 町に帰り着いたカービィたちは、ワープスターから飛び下りた。

「みんな! だいじょーぶ!?」

 レオンが、ホッとした様子で駆け寄ってきた。

「無事だったか、おまえたち! あの流星を見たか?」

 カービィが、手をパタパタさせながら、大急ぎで叫んだ。

「うん! 流れ星が落ちたところに、ドカーンって島が浮かんできたんだ! ぼくら、そこで、スターリーを助けたんだよ! スターリーは光の星で、すごく、すごいんだ! 闇のあいつを、えーと、えーと……ふいーん? ふいーんしちゃうんだ!」

「……うん? なんだと?」

 カービィの説明を聞いて、レオンは、混乱したように首をかしげた。

 天もん学者ワドルディが進み出た。

「ふいーんではなく、封印です。くわしいことは、わたしから説明させてください」

「ふむ? 天もん学者ワドルディか。なぜ、おまえがカービィたちといっしょに……?」

「その話は、あとです。まずは、流星についてお話しします」

 天もん学者ワドルディは、流星の伝説について、くわしく話した。もちろん、火山島が浮かび上がったことや、そこで出会ったスターリーのことも。

 みんな、シーンと静まり返って、話に聞き入った。

 ワドルディたちは顔を見合わせ、不安そうにささやき合った。

「こわいよ。伝説がほんとうだったら、大変なことになるよ……」

「なんとかして、封印しなくちゃ。この星が、のみこまれちゃう……!」

「そうはさせん」

 するどく言い切ったのは、メタナイトだった。

 ワドルディたちは、目を見開いて、メタナイトを見た。

 メタナイトは静かに続けた。

「私はかつて、この町の用心棒になってほしいとたのまれ、引き受けた。あのときの約束は、まだ有効だ。私には、君たちの町を守る責任がある。そのためには、スターリーたちを救出せねばならんのだ。急ごう」

 バサッとマントをひるがえし、早速、歩き出す。

 レオンが、声をかけた。

「待て、オレも行こう。みなで手分けしたほうが良さそうだ」

「にゃ!」

 レオンに寄り添って声を上げたのは、キャロルだった。

 デデデ大王が言った。

「オレ様にまかせろ! ワドルディども、おまえらは、ガルルフィたちといっしょに、ここに残れ。流星には、くれぐれも気をつけるんだぞ……と、そうだ、ドルディーズ!」

「はい、大王様! なんでしょう?」

 ドルディーズの四人が進み出ると、デデデ大王は言った。

「おまえたちから借りたラジオなんだが……すまん。実は、なくしてしまったのだ。ドタバタしている間に、落としたらしくてな。気がついたら、なくなっていた」

 大王にしてはめずらしく、神妙な顔であやまった。

 ドルディーズの四人は、にっこりして言った。

「大丈夫です。ぼくら、ラジオで聞いた曲は、ぜんぶ覚えてますから」

「どうぐ屋くんなら、きっと、新しいラジオを作ってくれます。ぼくら、そのラジオで、大王様のラジオ番組を聞きたいです!」

 大王は、満足そうに笑った。

「フフン……よかろう。おまえたちに、スペシャルでデラックスなデデデ大王様ラジオを聞かせてやる。では、行ってくるぞ。天もんとバンダナは、オレ様について来い!」

「はい!」

 一行は、ワドルディやガルルフィたちに見送られて、町を出た。


☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・


 町を囲む森を抜けると――カービィたちの目に飛びこんできたのは、これまでに見たこともない景色だった。

 道路にも、草や木の上にも、いたるところに結晶が落ちている。

「うわあ……すごい!」

 カービィは、思わず大きな声を上げた。

 天もん学者ワドルディが言った。

「この結晶が、みんな、宇宙からやって来たものなんですね。なんという、しんぴ的で、美しい景色なんでしょう……」

 デデデ大王が、うんざりしたように言った。

「いくらきれいでも、星のかけらなんぞ、食えんわい。それより、この結晶全部に、スターリーが入ってるのか? 大変な数だぞ、これは……」

 バンダナワドルディが、近くの結晶をじっくりながめて、言った。

「いいえ、大王様。この中には、スターリーはいないようです。スターリーの歌も、聞こえてきませんし」

「なんだと? スターリー入りの結晶と、はずれの結晶があるのか?」

 エフィリンが、あたりを見回して言った。

「力の強い結晶と、弱い結晶があるんだよ。強いほうは、スターリーが自分を守るために張ったバリアなんだ。だから、スターリーが内側にこもっていて、強い力をはなっているんだよ」

「ほほう? 弱いほうは?」

「それは、封印が破られたときにはじけ飛んだ、結晶のかけら。中にスターリーはいないから、力をもたないんだ」

 メタナイトが言った。

「くわしいな。そうか、君は、スターリーたちの言葉を聞くことができるのだったな。その能力で、スターリーのいる場所がわかるのではないか?」

「うーん……」

 エフィリンは、耳をピクピクさせた。

 けれど、すぐに、しょんぼりと耳をたれて言った。

「ごめん、何も聞こえないよ。もっと近づけば、わかるかもしれないけど……」

 デデデ大王が、つまらなそうに言った。

「なんだ、役に立たんな。結局、かたっぱしから探すしかないということか……」

 と、そのとき。

 天もん学者ワドルディが、大声で叫んだ。

「うわああっ!? あ、あれは……!」

 彼は手を上げて、空をさした。

 空から、巨大な結晶が降ってくる。

 あの流星ほどではないが、かなりの大きさだ。

 どうすることもできなかった。みんなが、ぼうぜんとして見上げている間に、結晶は高層ビルを直撃した。

 ドガァァァァァン!

 すさまじい音を立てて、結晶はビルの壁にめりこんだ。

 カービィが、大きく口をあけて叫んだ。

「つきささったよ! おっきな結晶が、ビルに!」

 レオンが、うめいた。

「なんてこった! こんな異変が、まだ続くのか? あんなのに直撃されたら、おしまいだぞ……ええい、どうすれば……!」

 メタナイトが叫んだ。

「下がれ、みんな! 地面が結晶化していくぞ!」

 結晶が突き刺さったビルの壁や、その下の地面が、みるみるうちに結晶におおわれていく。

 デデデ大王が、あわてふためいて言った。

「あれにふれたら、どうなるのだ!?」

「わからん。だが、ろくなことにはなるまい」

 一行は、あわてて駆け出した。

 さいわい、地面の結晶化は、ごく一部だけでおさまった。

 デデデ大王が、フーッと大きく息をついて言った。

「やれやれ、だわい。さあ、では行くぞ。スターリーどもを探しに……」

 だが、とつぜん、キャロルが声を上げた。

「にゃ! にゃにゃ!」

「うん? どうした、キャロル?」

 キャロルは長いツメで、前方を示した。

 結晶化した地面の上に、一匹のガルルフィがいた。

 ふつうの姿ではない。頭に、キラキラ光る結晶が生えている。まるで、結晶の王冠をかぶっているかのようだ。

 レオンが、ぼうぜんとして言った。

「結晶化……!? あの地面の上にいたために、あいつまで、あんな姿になったのか!?」

「にゃ!」

 キャロルは夢中で駆け出した。

 彼女にとって、すべてのアニマルたちは、家族のようなもの。じっとしてなんて、いられない。

 メタナイトが叫んだ。

「止まれ、キャロル! 君まで結晶化してしまうぞ!」

 しかし、キャロルは止まらなかった。ガルルフィを助けたい一心で、駆け寄る。

 けれど――ガルルフィは荒々しくうなり、後ろ足で立ち上がった。

「ガルルルルル……!」

 様子がおかしい。目がギラギラと光り、敵意をみなぎらせている。キャロルはとまどい、立ちすくんだ。

 メタナイトが、すばやく剣を抜いて叫んだ。

「結晶によって凶暴化しているのだ! みな、気をつけろ!」

「待ってくれ」

 今にも斬りかかりそうなメタナイトを止めたのは、レオンだった。

「ガルルフィは、オレたちのなかまなんだ。手を出すな」

「そんなことを言っている場合か。見ろ、あの凶悪な目を。話が通じそうにない!」

「斬ってはならん。オレが許さんぞ!」

 二人が言い合っている間に、ガルルフィは大地をけった。

 ねらいは、キャロル!

「ガルルルルルゥゥゥ!」

 吠えながら、キャロルに飛びかかる!

「あっ! あぶない、キャロル!」

 カービィが飛び出そうとしたが――一瞬早く、キャロルは飛び下がって攻撃をかわし、するどいツメをガルルフィに突きつけた。

「ッッッシャァァァァァァァァァ――!」

 ガルルフィの吠え声をはるかに上回る、ド迫力の声量!

 すると、ガルルフィはふるえ上がり、体をちぢこめて、頭を下げた。

「ガル……ガルガル……」

「にゃ! にゃにゃにゃ!」

 キャロルはツメをおさめ、「よし!」というように、うなずいた。

 メタナイトが、あっけにとられて、たずねた。

「……なんだ、今のは? どうなったのだ?」

 レオンが答えた。

「ガルルフィのヤツ、凶暴な気持ちになりかけていたが、キャロルにしかられて、われに返ったんだ。『ごめんなさい』『わかればいいのよ』……という会話だ」

 バンダナワドルディが、感動してつぶやいた。

「すごい……キャロルさん、かっこいい……」

 天もん学者ワドルディが言った。

「大事なことがわかりましたね。結晶化した地面の上にいると、今のガルルフィみたいに凶暴化してしまうようですが、もとの心まで変わってしまうわけではないんです。気持ちが落ち着けば、おそってくることはなくなります」

 デデデ大王が言った。

「つまり、どなりつけてやれば、おとなしくなるんだな。よーし、まかせろ。どなり声なら、負けんわい!」

 天もん学者ワドルディは、急いで付け加えた。

「もう一つ、わかったことがあります。キャロルさんは、結晶化した地面に立っても平気でした。つまり、結晶が落ちてきた瞬間に、落下地点のそばにいるのは危険ですが、いったん結晶化した大地の上なら、ふつうに歩けるということです」

「うむ! では行こう!」

 デデデ大王は、結晶化した大地に向かって、歩き出そうとした。

 そこへ、レオンが声をかけた。

「待ってくれ、デデデ大王。ここで、二手に分かれよう。あんたたちは、先へ進んでくれ。オレとキャロルは、ここに残る」

「え? なんだと?」

 デデデ大王は足を止めた。

「スターリーを急いで助け出すには、手分けしたほうがいいだろう。オレは、このあたりの草原や森にいるアニマルたちが心配なんだ。だから、キャロルといっしょに、この近くをパトロールする。スターリーを見つけたら、もちろん助けるさ」

「なるほど」

 デデデ大王も納得して、うなずいた。

「ならば、オレ様たちは先へ進もう。レオン、キャロル、たのんだぞ」

「うむ。気をつけてな」

「にゃ!」

 レオンとキャロルは手を振った。

 カービィたちは二人と別れて、高層ビル群の方向へ、歩き出した。


☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・


 結晶がつきささった高層ビルは、近づいてみると、思った以上にひどく破壊されていた。

 壁がくずれ、入口はガレキでふさがれている。これでは、中に入ることすらできない。

 天もん学者ワドルディが言った。

「困りましたね。この建物、気になるのですが」

「何が気になるの?」

 カービィがたずねると、天もん学者ワドルディは、ビルを見上げて答えた。

「あの巨大結晶がここに落ちてきたのは、スターリーの影響ではないかと思うのです。このビルのどこかに、スターリーがいる可能性が高いのでは……と」

 カービィが、歩き回りながら言った。

「どこかに、もぐりこめそうな穴とか、ないかな? うーん……」

 壁にそって、ウロウロしていたカービィは、何かにつまずいて転んでしまった。

「わわわ!? いたた……!」

 と、その瞬間。

 とつぜん、カービィたちの目の前に、キラキラ光る階段が出現した。

 ゆるやかなカーブを描いて、上のほうにのびている。バンダナワドルディが、びっくりして叫んだ。

「ええ!? な、何、これ!?」

 デデデ大王が、目を見張って言った。

「これを上って行けば、上の階の窓から中に入れそうだな。しかし……なぜ、いきなり、こんなものが?」

 メタナイトが、カービィを見た。

「君がやったのか? どうやって?」

「知らないよー! ぼく、転んじゃっただけだよ」

 カービィは、足元を調べてみた。

 カービィがつまずいたのは、小さな花だった。

 ただの花ではなく、キラキラ光る結晶でできている。そのせいで、足を引っかけてしまったのだ。

「結晶のお花だよ。このお花が、階段を作ってくれたのかなあ?」

 天もん学者ワドルディが、花をじっくり観察して、言った。

「他の結晶とはちがうようですね。なんでしょう……この花も、宇宙から降り注いできたんでしょうか?」

 デデデ大王が、さっさと階段に向かいながら言った。

「なんだか知らんが、ビルの中に入れる階段ができたんだ。行くぞ!」

 一行は階段を上って、上の階からビルの中に入りこんだ。

     


『闇の星』を封印する力を持つスターリーたちを助け出すために、ふたたびカービィの新世界の冒険が始まった!
新世界の冒険には、カービィの『あの能力』がぜったい必要で……? 次回『新たなほおばりヘンケイ』をおたのしみに! (3月13日公開予定)



『星のカービィ ディスカバリー 流星のスターリーワールド編』は2026年3月11日発売予定!


作: 高瀬 美恵 絵: 苅野 タウ 絵: ぽと

定価
880円(本体800円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046323613

紙の本を買う

電子書籍を買う

最新『星のカービィ 地底世界の大冒険!の巻』好評発売中!ためし読みも公開中だよ♪



『星のカービィ ワドルディのおるすばん大決戦!!』好評発売中!ためし読みも公開中だよ♪



作: 高瀬 美恵 絵: 苅野 タウ 絵: ぽと

定価
814円(本体740円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046323590

紙の本を買う

電子書籍を買う

大人気発売中『星のカービィ 天駆ける船と虚言の魔術師』もためし読み公開中!



作:高瀬 美恵 絵:苅野 タウ 絵:ぽと

定価
1,320円(本体1,200円+税)
発売日
サイズ
B6判
ISBN
9784041116197

紙の本を買う

電子書籍を買う


その他のカービィの本は以下のバナーからチェック♪



© Nintendo / HAL Laboratory, Inc.



この記事をシェアする

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • LINEでシェアする
ページトップへ戻る