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ものがたり

【スペシャルれんさい】『星のカービィ ディスカバリー 流星のスターリーワールド編』第3回 星降りの火山島


好評発売中のゲーム『星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド』の小説版が、2026年3月11日、角川つばさ文庫『星のカービィ ディスカバリー 流星のスターリーワールド編』となって、ついに登場!
平和になった新世界に、またまた大事件!? 角川つばさ文庫から発売中の『星のカービィ ディスカバリー 新世界へ走り出せ!編』『星のカービィ ディスカバリー 絶島の夢をうちくだけ!編』に続く、カービィの新しい冒険が始まるよ!! 

◆第3回
新世界のラジオの電波をたどって、ワープスターでおでかけ中のカービィたちの目の前で、ふしぎな流星が海に向かって落ちてきた!? 流星が落ちたところには、火山島が浮かび上がってきて……? いったい、何が起こっているの!? カービィたちが、火山島に向かいます!  

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

星降りの火山島

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 島に着陸したカービィたちは、あたりを見回し、顔を見合わせた。

 ついさっきまで海の底にあった地面には、貝がらやヒトデが張りついている。さらに、流れ星からはがれ落ちた結晶のせいか、島全体がキラキラと光っていた。

「わぁ……ふしぎな景色だね……」

「うん。ここが海底だったなんて、信じられない……」

 さっきの大異変がウソのように、島は静かだった。

 カービィたちは、そろり、そろりと歩みを進めた。

 バンダナワドルディが、前方を示して言った。

「あそこに、何かあるよ。あれは、きっと……」

 島の中央に、ハートの形をした巨大なかたまりが浮いていた。

 固い岩のようなものが幾層にも重なって、何かをおおっている。おおわれているものはよく見えないが、ぶきみな、むらさき色のもやに包まれているようだ。

 エフィリンが言った。

「あれが、さっき落ちてきた流れ星だね。ふつうの星とはちがうみたいだけど……」

 一行が、流れ星に近づこうとしたときだった。

 大きな声がひびいた。

「なんと、まさか、あの言い伝えのとおりに……!」

 五人はおどろいて、振り返った。

 ひとりのワドルディが、息を切らせて駆け寄ってきた。

 星座のもようのベレー帽をかぶり、大きなリュックを背負っている。

 エフィリンが叫んだ。

「あ、君は……! 久しぶりだね、天もん……」

 しかし、ベレー帽のワドルディは、エフィリンの声に気づかず、興奮した様子でまくしたてた。

「いきなりたくさんの結晶がふってきて、おどろきましたよ! 海のほうに特大の流星が落ちたのを見て、必死にボートをこいできたのですが……まさか、こんな火山島まで浮かび上がるとは!」

 ベレー帽のワドルディは、早口でしゃべりながら、うろうろと歩き回っていたが、とつぜんハッと気づいたように足を止めた。

「ああ!? すみません! わたしとしたことが、つい、ひとりごとを……ああああっ!? な、な、なんと!? こんなところに、エフィリンさんがいるなんて!?」

「……うん。さっきから、いるんだけど」

「それに、な、なんと、大王様とバンダナせんぱい、カービィさんやメタナイト様まで!? どうしたことでしょうか!? みなさん、お久しぶりです!」

 ベレー帽のワドルディは背伸びをして、ぶんぶんと手を振った。

 バンダナワドルディは、ピンときて言った。

「君は、天もん学者くんだね? 旅をしてるっていう……」

「はい! みんなから、そう呼ばれています!」

 バンダナワドルディは、にっこりした。

「思い出したよ、君のこと。新世界に興味をもって、残った子だよね。すごく勉強熱心で……たしか、ものしりくんとなかよしだったっけ」

「はい! ものしりくんの知識量には、とうてい、かないませんが……」

 天もん学者ワドルディは、てれたように、カリカリとベレー帽を引っかいた。

「ですが、わたしなりに、宇宙のしんぴと、この新世界の伝説について、調査や研究を重ねてきたのです。今や、その分野についてだけは、ものしりくんにも負けない……はず! です! たぶん!」

 エフィリンが言った。

「天もん学者くんは、ほんとうにまじめで、熱心なんだ。この世界に残ってる古い本とか、遺跡とかを調べて、星や宇宙のいろいろななぞを明らかにしてるんだよ」

「いやぁ! そんな、そんな!」

 天もん学者ワドルディは赤くなって手を振り、言った。

「エフィリンさんが協力してくれたおかげで、この星の古代文字も、だいぶ読めるようになったんです。おかげで、研究が進みまして……そうそう、その話です!」

 天もん学者ワドルディは、流星を見上げた。

「わたしは最近、流星の伝説について調べていたのです。あれが、まさか、おとぎ話ではなく、ほんとうの話だったとは……」

「え? おとぎ話……って?」

 バンダナワドルディが聞き返すと、天もん学者ワドルディは表情をくもらせた。

「あまりに古い記録なので、おとぎ話にちがいないと思いこんでいたのです。というのは……この世界には、これまでに何度も流星が落ちてきたらしく」

 カービィが、おどろいて、たずねた。

「何度も? こんなことが、前にも、何度もあったの?」

「はい。気が遠くなるような長い歴史の中で、何度も。もし、この流星が、言い伝えどおりの『闇の星』だとしたら……」

 と、そのとき。

 エフィリンが、小さな声でつぶやいた。

「……ねえ。カービィ。バンダナくん」

 カービィもバンダナワドルディも、おどろいてエフィリンを見た。

 エフィリンの声は、心細げにふるえていた。

「なんだろう、この感じ……すごくイヤな、予感がするんだ」

「エフィリン?」

「この中から何か、おそろしいものが生まれようとしているのかも……ボク、こわいよ……!」

 エフィリンは、流星を見上げた。その目は、不安そうに、かげっていた。

 天もん学者ワドルディが言った。

「エフィリンさんの予感は、当たっているかもしれません。古い本には、『流星は、闇と光といっしょにふりそそぐ』と書かれていました。そして、闇の星からは災いが生まれ、すべてをのみこんでしまうそうです」

「すべてを……のみこむ……?」

 バンダナワドルディは、息をのんだ。

 天もん学者ワドルディは、考えこみながら言った。

「ただ、光の星があれば、その災いを封印できるとも書かれているのですが……」

「光の……星……って?」

 ――と、そのとき。

 カービィが、トコトコと進み出て、言った。

「あそこに、何かあるよ」

「え? 何か……?」

「ほら! キラキラ光って、きれいだよ」

 カービィは駆け出した。

 流星のすぐ近くに、光る結晶が落ちていた。

 天もん学者ワドルディが言った。

「おや? その光る石は、流星をおおっていた結晶でしょうか」

 メタナイトが言った。

「そのようだな。流星からはがれた破片が、そこらじゅうに散らばっているのだ」

「星のかけらかぁ……きれいだね」

 カービィは、そう言いながら手を伸ばした。

 バンダナワドルディが、あせって叫んだ。

「気をつけて、カービィ! さわっちゃダメだ……!」

「だいじょーぶ!」

 カービィは、結晶をひろい上げた。

 ――と。

 結晶はカービィの手をはなれて、ふわりと浮き上がった。

「あ……!?」

 みんながおどろいて見上げると、結晶は明るい光をはなち、少しずつ透き通り始めた。

 中に、ふしぎなものが見える。青く光る、小さな精霊のようだ。

 エフィリンが、大きな耳を動かして、言った。

「待って。何か、聞こえるよ。これは……?」

 結晶の中から、かすかな音が聞こえてくる。言葉にならない、音のつらなりだ。

 カービィが言った。

「なんだろう? この音……歌かなあ?」

 カービィは、そっと結晶に触れてみた。

 すると、ゆっくり、結晶がくだけた。

 中から、ふしぎな精霊のようなものが飛び出してきた。

 聞き慣れない音を発しているのは、この精霊だった。

 青く、丸みを帯びた体に、みじかい手足がある。顔はないが、体の真ん中に、虹色の十字のようなもようがあった。頭には、アンテナのような、しなやかな二本の触角が生えている。

「わあ……!」

 カービィは笑顔になった。

 バンダナワドルディが言った。

「よろこんでるのかな? カービィに『ありがとう』って言ってるみたいだよ」

 すると、青い精霊はカービィたちからはなれ、流星のほうへ飛んでいった。

 流星に吸いこまれるように姿を消すと――とたんに、流星の一部が、光る結晶におおわれた。

「うわあ!」

 天もん学者ワドルディが、興奮して叫んだ。

「なんと! あれは、光の星だったのですね。言い伝えのとおりです。光の星は、闇の星を封印することができるのです!」

 エフィリンが、ハッとしたように、目をみはった。

「…………! スターリー……だって!」

「え?」

「今、ボクの頭の中に、ふしぎな声が流れてきたんだ。あの子の……あの子たちの名前は、スターリーっていうみたいだよ。スターリーたちには、結晶を作る力があって……うん、うん……力を合わせて、闇の星を封印していたんだって」

 天もん学者ワドルディが、あっけにとられて、エフィリンを見た。

「エフィリンさんは、どうして、そんなことがわかるんですか?」

「それは……ボクにも、よくわかんないけど。あの子が、話しかけてくれるのが、伝わってきたんだ」

 バンダナワドルディが言った。

「エフィリンには、ふしぎな力があるんだよ。エフィリンは、星の声を聞くことができるんだね」

「星の声を……うわあ、うらやましいです」

 天もん学者ワドルディは、あこがれの目でエフィリンを見た。

 エフィリンは目を閉じて、小さくうなずきながら、スターリーの声を聞き取っている。

「……あの流星は、ほんとは、はじまりの大陸に落ちるはずだったんだって。ワドルディの町のあたりに。だけど、スターリーたちが力を合わせて、進路を変えてくれたんだ。それで、海に落ちたんだよ」

 バンダナワドルディは、飛び上がった。

「ええ!? それじゃ、スターリーがぼくらの町を救ってくれたってこと?」

「そうだね。彼らの力がなければ、ワドルディの町はまた、めちゃくちゃになってたよ」

「そうだったの……お礼を言うのは、ぼくらのほうだったんだね」

 バンダナワドルディは、ホッとしたように、深いため息をついた。

 エフィリンは続けた。

「闇の星は、落下する直前に封印を破って、スターリーたちを振り落としたんだって。スターリーたちは、今、新世界じゅうに散らばってしまっていて……でも、また力を合わせれば、闇の星を封印することができる……」

 エフィリンは、みんなを見回して言った。

「ねぇ、みんな。スターリーたちを助けてあげようよ」

「助ける?」

「うん、今みたいにね。スターリーたちは、振り落とされたときに気を失ってしまって、動けなくなってるんだよ。でも今、カービィが手をふれたら、元気になったよね」

「カービィから、元気をもらったんだね」

 バンダナワドルディは、カービィを見て、にっこりした。

 カービィは、きょとんとしている。エフィリンが言った。

「うん! あの子たちを助けてあげれば、この闇の星を封印して、復活を止めることができるんだ」

 デデデ大王が、胸を張って言った。

「よーし、それなら、オレ様にまかせろ。一匹残らず、あっという間に助けてやるわい!」

 天もん学者ワドルディが言った。

「おそらく、スターリーたちは、流星のかけらが降り注いだ場所で見つかるはずです。調べてみましょう!」

 バンダナワドルディが言った。

「その前に、一度、町に戻ってみませんか? みんな、流星を見て、大さわぎしてるはずです」

 デデデ大王が言った。

「うむ! ワドルディどものことだ、こわがって、ピャアピャア泣いてるにちがいないからな」

「急ごう!」

 一行はワープスターに乗りこみ、火山島をはなれた。

     


ふしぎな流星の正体は、災いをもたらす『闇の星』……! でも、天もん学者ワドルディという、心強い新しい仲間も増えて、カービィたちはやる気まんまん! でも、こんな大そうどうが起こってしまって、ワドルディの町は無事でしょうか?
次回「結晶世界へ走り出せ!」をおたのしみに!  (3月6日公開予定)



『星のカービィ ディスカバリー 流星のスターリーワールド編』は2026年3月11日発売予定!


作: 高瀬 美恵 絵: 苅野 タウ 絵: ぽと

定価
880円(本体800円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046323613

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発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046323590

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1,320円(本体1,200円+税)
発売日
サイズ
B6判
ISBN
9784041116197

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