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【スペシャルれんさい】『星のカービィ ディスカバリー 流星のスターリーワールド編』第2回 ひさしぶりの新世界


好評発売中のゲーム『星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド』の小説版が、2026年3月11日、角川つばさ文庫『星のカービィ ディスカバリー 流星のスターリーワールド編』となって、ついに登場!
平和になった新世界に、またまた大事件!? 角川つばさ文庫から発売中の『星のカービィ ディスカバリー 新世界へ走り出せ!編』『星のカービィ ディスカバリー 絶島の夢をうちくだけ!編』に続く、カービィの新しい冒険が始まるよ!! 

◆第2回
ひさしぶりに新世界へやってきたカービィたち。
ワドルディの町では、なつかしいみんなとの再会と、新しい冒険の予感がまっていて……?  

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ひさしぶりの新世界

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「わあ、大王様ー! 大王様だー!」

「バンダナせんぱい! バンダナせんぱい!」

「カービィさぁん! お久しぶりです!」

 ワドルディの町に到着したカービィたちは、ワドルディたちの大歓迎を受けた。

「ああ、もう、うっとうしい! おまえら、まとわりつくな!」

 デデデ大王は、口ではそう言いながらも、満面の笑みで、ワドルディたち一人ずつの頭をグリグリとなで回した。

 バンダナワドルディとカービィは、ワドルディたちと手を取り合って、再会をよろこんだ。

「みんな、元気そうだね。安心したよ」

「バンダナせんぱいも、お元気そうで! 他のなかまたちは、どうしていますか? ぶき屋くんや、どうぐ屋くんや、ものしりくんや……」

「みんな、元気いっぱいだよ。こっちに残ったみんなのことを、なつかしがってるよ」

 カービィが、大きな袋を差し出した。

「これ、おみやげ! コックカワサキが焼いてくれたクッキーだよ」

「わあ! ありがとうございます!」

「コックカワサキのクッキー! 久しぶりです! うれしいな!」

 ワドルディたちは、大はしゃぎだ。

 その後ろから、のしのしと現れたのは、レオンだった。

 レオンは、メタナイトに手を差し伸べた。

「来てくれたんだな。ありがたい」

「コロシアムがさびれていると聞いたのでな」

 メタナイトは、レオンの大きな手を握った。

「そうなんだ。せっかく、あんたが作ってくれた闘技場なのに、申し訳ない」

「……いや」

「だが、あんたが来てくれれば安心だ。また、以前のように、コロシアムを盛り上げよう。オレも、手加減せずに戦うぞ」

「うむ。楽しみだ」

 みんなが再会をよろこび合う中、ドルディーズのメンバーたちは、ギターワドルディを取り囲んでいた。

「ギターくん、ラジオはどうなった? 直った?」

 ベースワドルディがたずねると、ギターワドルディは大きくうなずき、ラジオを差し出した。

「どうぐ屋くんが直してくれたよ。ほら、このとおり!」

 ギターワドルディは、ラジオのスイッチを入れた。

 たちまち、「TWINKLING STAR SHOWERS(トゥインクル スター シャワーズ)」が流れ出した。雑音もなく、きれいな音だ。

 ドルディーズの三人は、わあっと声を上げた。

「ちゃんと直ってる! さすがは、どうぐ屋くん!」

「これこれ! この曲が聞きたかったんだよね!」

 美しい歌が、町じゅうに流れ出す。ドルディーズたちだけではなく、他のワドルディたちも、エフィリンも、そしてカービィも、体をゆらして聞き入った。

 カービィが言った。

「きれいな声! うっとりしちゃう」

 エフィリンは、両手を組み合わせて、ほうっとため息をついた。

「なんて、すてきなメロディなんだろう。ボク、この歌を聞くたびに、泣きたくなるぐらい、胸がいっぱいになっちゃうんだ……」

 ベースワドルディが、にっこりして言った。

「エフィリンは、本当に、歌が大好きだよね。いつも、ぼくらの演奏を熱心に聞いてくれるし。今度、ぼくらのコンサートで歌ってくれない?」

「えー!? だめだめ、はずかしいよ!」

 エフィリンはあわてて手を振った。

 みんながワッと笑い声を上げる中、バンダナワドルディが、急にまじめな声で言った。

「あのね……ぼく、一つ、ふしぎに思ってることがあるんだけど」

「なんですか、バンダナせんぱい?」

 ギターワドルディが振り向いた。

「このラジオの電波って、どこから来てるの?」

「え?」

 ギターワドルディは、きょとんとして答えた。

「もちろん、ラジオ局から……だと思いますけど」

「ラジオ局は、どこにあるの? だれが、ラジオ放送の機械を動かしてるの?」

「………………え?」

 ドルディーズの四人は、顔を見合わせた。

 ワドルディたちも、カービィも、エフィリンも、動きを止めてバンダナワドルディを見た。

 ドラムワドルディが言った。

「それは……考えたこともなかったです。ぼくら、次々に流れてくる音楽に夢中で……」

 キーボードワドルディが言った。

「言われてみれば、たしかに、ふしぎですね。だれが、電波を流してるんだろう?」

「エフィリン、何か知ってる?」

 バンダナワドルディは、エフィリンを振り返った。

 エフィリンは、とまどった様子で言った。

「ううん。ボクも、ラジオ局のことは、考えたことなかったな……」

 カービィが言った。

「きっと、歌が大好きなだれかが、すてきな曲をかけてくれてるんだね。どこにいるんだろう? 会いたいなあ」

「……ラジオ局か。おもしろいではないか」

 とつぜん、デデデ大王が、キラッと目を光らせた。

「オレ様がラジオ局に乗りこんで、ラジオ番組を作ってやろう。全宇宙の民に、オレ様の声を聞かせてやるのだ。みんな、涙を流してよろこぶぞ」

 カービィが、両手を上げて飛び上がった。

「うわあ、いい考え! ラジオ局に行けば、ぼくの歌を、全宇宙のみんなに聞かせてあげられるんだね!? ぼく、歌うよ! 大きな声で、心をこめて!」

「――全宇宙の危機!」

 メタナイトが、低くつぶやいて、グッとこぶしをにぎった。

「まずい! 早急に、そのラジオ局を見つけ出し、破壊せねば……」

「え? はかい?」

「い、いや。調査せねばならん。私も、力を尽くそう」

 デデデ大王が、張り切って言った。

「そうと決まれば、さっそく出発だ! 行くぞ、ラジオ局を探しに!」

「おー!」

 カービィも、大乗り気。

 レオンが、笑って言った。

「たった今、来たばかりだというのに、忙しい連中だな。まあ、いい。おまえたちが出かけている間に、パーティの用意をしておくとしよう」

 ワドルディたちが、大声で言った。

「大王さまたちの、歓迎パーティですね! やったぁ!」

「お食事をたっぷり作っておきますね!」

「ほんと!?」

 カービィが目の色を変えて叫んだ。

「ぼくね、肉まんと焼きそばが食べたい! あと、フライドポテトといちごムースとカツ丼も!」

 デデデ大王も、身を乗り出した。

「オレ様は、ハンバーグとエビフライだ! たこ焼きとおでんもたっぷり用意しろ!」

「あと、なべやきうどんとチョコパフェとオムライスとあんみつと、あと、あと……!」

「わかった、わかったから! さっさと行ってこい!」

 キリがないので、レオンが手を振って止めた。

 バンダナワドルディが、ドルディーズに向かって言った。

「よかったら、君たちのラジオを貸してくれないかな? ラジオの電波の届き方で、ラジオ局の場所がわかるかもしれないから」

「はーい、どうぞ!」

 ギターワドルディがラジオを差し出した。

「ありがとう。大事に使うね」

 カービィが、大空に向かって叫んだ。

「来て、ワープスター!」

 カービィの呼びかけに応じて、ワープスターがすばやく飛んできた。カービィ、デデデ大王、バンダナワドルディ、メタナイト、エフィリンの五人が乗りこんだ。

「じゃ、行ってきまーす!」

「お気をつけて! 行ってらっしゃーい!」

 ワドルディたちに見送られて、ワープスターは空高く舞い上がった。


☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・


 ワープスターはぐんぐん速度を上げ、あっという間に草原を越え、そびえ立つ高層ビル群も飛び越えた。

 エフィリンが歓声を上げた。

「わあ、気持ちいいね! やっぱり速いなあ、ワープスターは!」

 デデデ大王が言った。

「おい、ワドルディ。ラジオをつけてみろ。ラジオ局の方角がわかるんじゃないか?」

「はい、大王様」

 スイッチを入れると、ラジオから、雑音まじりの音楽が流れ出した。

 バンダナワドルディは、ラジオをいろいろな方角に向けながら言った。

「うーん……電波がちょっと弱いみたいですね……高く飛びすぎてるのかな?」

「ワープスター、もうちょっと低く飛んでみて。お願い!」

 カービィが言うと、ワープスターはグッと高度を下げた。

「うーん……うーん……あ、こっちの方角っぽいです!」

 バンダナワドルディが示したのは、海岸の方角だった。

 デデデ大王が言った。

「この先は、海しかないぞ。海にラジオ局があるわけないだろう。しっかりしろ!」

「そうですよね……うーん……おかしいな……」

「貸せ! オレ様がやる」

 デデデ大王が、バンダナワドルディからラジオをうばい取ったときだった。

 ふいに、はるか上空で、何かがキラッと光った。

「……あれ?」

「今のは、なんだろう?」

 全員が、目をこらした。

 光るものは、ものすごい速度で落ちてくる。

 エフィリンが、とまどって言った。

「流れ星……かな? でも……あ!」

 落下してくる星の一部が、はじけ飛んだ。

 その箇所から、ぶきみな、むらさき色のもやが吹き出した。

 はがれ落ちた破片は、無数の結晶となって、広い範囲に降り注いでいく。

「流れ星が、地上に……!?」

「たいへんだ!」

 五人が、ぼうぜんとしている間に。


 ドォォォォ……ン!


 轟音がひびいた。

 すべての破片を振り落とした流れ星が、ついに、海に落下したのだ。

 雲に届きそうなほどの高さの水柱が上がり、空気がバリバリとふるえた。

 吹き上げられた大量の水が、雨のように降り注いでくる。すさまじい衝撃だ。

 ワープスターは、めちゃくちゃにゆさぶられた。

「ひゃああああ!?」

「しっかりつかまれ! 落ちるな!」

 全員が、ワープスターにしがみついた。

 ようやく、ゆれがおさまったとき。

 おそるおそる顔を上げたエフィリンが、叫んだ。

「あ……あれを見て!」

 水柱が静まったあと、海上には、白い水けむりが立ちこめていた。

 ゴゴゴゴゴゴ……。

 はげしい震動が、空の上にまで伝わってくる。

 白い水けむりの中に、ゆっくりと巨大な影が浮かび上がってきた。

 メタナイトが、うめいた。

「なんと。海面が割れて――火山があらわれたぞ!」

 バンダナワドルディが、ぼうぜんとして言った。

「流れ星の衝撃で、島が浮かび上がってきたんですね。たいへんだ……」

 エフィリンが言った。

「どうしよう? このままには、しておけないよね」

 カービィは、迷わず叫んだ。

「行ってみよう! どうなってるのか、調べなくちゃ!」

 ワープスターはぐーんと加速し、とつじょ出現した火山島に向かった。

     


ラジオの電波をたどっていった先で出会ったのは、ふしぎな流星と、海の中から浮かび上がった火山島!? いったい、なにが起こっているの!!?
次回「星降りの火山島」をおたのしみに!  (2月27日公開予定)



『星のカービィ ディスカバリー 流星のスターリーワールド編』は2026年3月11日発売予定!


作: 高瀬 美恵 絵: 苅野 タウ 絵: ぽと

定価
880円(本体800円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046323613

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作: 高瀬 美恵 絵: 苅野 タウ 絵: ぽと

定価
814円(本体740円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046323590

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定価
1,320円(本体1,200円+税)
発売日
サイズ
B6判
ISBN
9784041116197

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