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【スペシャルれんさい】『星のカービィ ディスカバリー 流星のスターリーワールド編』第5回 新たなほおばりヘンケイ


好評発売中のゲーム『星のカービィ ディスカバリー Nintendo Switch 2 Edition + スターリーワールド』の小説版が、2026年3月11日、角川つばさ文庫『星のカービィ ディスカバリー 流星のスターリーワールド編』となって、ついに登場!
平和になった新世界に、またまた大事件!? 角川つばさ文庫から発売中の『星のカービィ ディスカバリー 新世界へ走り出せ!編』『星のカービィ ディスカバリー 絶島の夢をうちくだけ!編』に続く、カービィの新しい冒険が始まるよ!! 

◆第5回
災いをもたらすという流星『闇の星』を封印するために、精霊・スターリーを助け出す冒険に出発したカービィたち。新世界の冒険には、カービィの『あの能力』がぜったい必要で……!  

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新たなほおばりヘンケイ

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 建物の中も、やはり、めちゃくちゃだった。

 ガレキだらけで、なかなか先に進めない。壁はくだけているし、天井もくずれている。

 デデデ大王が、うなり声を上げた。

「これでは進めんわい。ここはあきらめて、他を探してみるか?」

 メタナイトが言った。

「いや、何か方法がないか、考えてみよう。先ほどのような結晶の花があれば、また、階段が出現するかもしれない」

「そうだね! 結晶のお花を探そう!」

 カービィたちは、ガレキの間を探し回った。

 と、エフィリンが声を上げた。

「カービィ! ここに、おかしなものがあるよ。見て!」

「え? おかしなもの? 結晶のお花じゃなくて?」

 カービィはガレキを乗り越えて、エフィリンに近づいた。

 床に転がっているのは、たしかに「おかしなもの」だった。

 大きなバネだ。デデデ大王の背と同じくらいの長さがある。

「何、これ……?」

 カービィたちはバネを囲んで、顔を見合わせた。

 メタナイトが言った。

「おそらく、このビルの中で使われていた、機械の部品か何かだろう。われわれの役には立たない。それより、結晶の花を……」

 しかし、カービィはパッとひらめいて、叫んだ。

「ううん、このバネ、役に立つかもしれない! 見てて!」

 カービィは大きく口を開け、思いっきり息を吸いこんだ。

 バネは宙を飛び、カービィの口の中へ。

 天もん学者ワドルディが、びっくりして叫んだ。

「わわわ、カービィさん!? おなかがすいてるからって、そんなものを食べちゃダメです! おなかをこわしちゃいます! 早く、吐き出して……!」

 けれど、バンダナワドルディが言った。

「ううん、ちがうんだ、天もんくん。これは……カービィの能力なんだ」

「の……のーりょく……?」

「うん……ほら!」

 みんなが見守る中、カービィの姿が変化した。

 ほおばったバネと同じ形に、変形したのだ。

 どこから見ても、大きなバネ。けれど、色はカービィと同じピンク色。上のほうにあるぱっちりした目も、カービィのものだ。

 天もん学者ワドルディは、ひっくり返りそうなほど、おどろいた。

「えええええ――!? な、なんですか!? 何が起きたんですか!?」

「んごごごご!」

 バネに変形したカービィは、言葉をしゃべることができない。かわりに、バンダナワドルディが説明した。

「この新世界では、カービィは『ほおばりヘンケイ』っていう力を使うことができるんだ。ほおばった物の形どおりに、変形するんだよ」

「ほおばり……ヘンケイ……?」

「うん。これは、バネをほおばったから、『バネほおばり』だね」

 メタナイトが、つぶやいた。

「見るのは二度目だが……やはり、衝撃的だな」

 デデデ大王も、うなずいた。

「何度見ても、慣れそうにないわい。で、このバネが、何の役に立つのだ?」

「んごご!」

 バネになったカービィは、グーッと体をちぢめた。

 いきおいをつけて、ビューンと飛び上がる。

 みんなの頭上を飛び越える、大ジャンプ!

「うわああああ! すごい!」

 ワドルディたちとエフィリンは、大声を上げた。デデデ大王はあんぐりと口を開け、メタナイトは息をのんだ。

 カービィは、くずれた天井を越えて、上の階のフロアに着地していた。

 バンダナワドルディが叫んだ。

「あんなに高いところまで、ひとっ飛び! すごいよ、カービィ!」

 デデデ大王が言った。

「だが、オレ様たちはどうするんだ? あんなところまでは、飛べないぞ。おい、カービィ。なんとかしろ!」

 カービィは、上の階でピョンピョン飛び回っていたが――ガレキの間に、光るものを見つけた。

 結晶の花だ!

「んご!」

 いつもなら「やったぁ!」と叫びたいところだけれど、バネほおばり中なので、言葉は話せない。

 はずみをつけて飛び上がり、花の上に着地!

 とたんに、キラキラかがやく階段が出現した。

 下の階にいるみんなが、ワッと声を上げた。

 バンダナワドルディが言った。

「結晶のお花を見つけてくれたんだね。ありがとう、カービィ!」

「よぉし、スターリーを探すぞ! みんな、オレ様に続け!」

 デデデ大王が先頭に立って、階段を駆け上がった。


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 バネほおばりの力で、カービィたちは順調に、くずれたビルを上っていった。

 最上階に近づくと、とつぜん、エフィリンが声を上げた。

「……待って。聞こえる。スターリーの歌だ……!」

 エフィリンは、じっと耳をすませた。

「すごく弱々しい声だよ……助けを待ってるんだ……こっちだよ!」

 エフィリンは大きな耳をパタパタさせて、飛んでいった。

 カービィも、バネほおばりを解除して、もとの姿に戻った。

 デデデ大王が、エフィリンを追いかけながら言った。

「歌も声も、さっぱり聞こえんぞ。本当に、スターリーがいるのか?」

 天もん学者ワドルディが言った。

「スターリーは結晶の中にいるので、歌はかすかに聞こえるだけなんです。結晶を割れば、もっとはっきり聞こえるはずです」

「どうして、エフィリンには聞こえているのだ?」

 カービィが、自信まんまんで言った。

「耳が、おっきいから!」

 天もん学者ワドルディが訂正した。

「というより、エフィリンさんは、スターリーの思念を感じることができるからでしょうね。エフィリンさんは、頭の中に直接ひびく歌を聞き取っているのだと思います」

 エフィリンは、ガレキの間に落ちている結晶を見つけて、叫んだ。

「ここだよ! ここに、スターリーがいるよ!」

 カービィはガレキを乗り越え、結晶に近づいた。

「これ……火山島で見つけた結晶と、おんなじだね」

 カービィは、そっと手をふれてみた。

 結晶はふわりと浮き上がり、透き通り始めた。

 中に、青く光るスターリーの姿が見える。

 ゆっくりと結晶がくだけた。スターリーが、あのふしぎな歌を歌いながら、ふんわりとただよい出てきた。

 エフィリンが言った。

「ふぅん……あの結晶のお花は、スターリーフラワーっていうんだね。スターリーたちといっしょに、宇宙から降り注いできたんだって」

「スターリーが、そう言ってるの?」

 カービィがたずねると、エフィリンはうなずいて、続けた。

「これから先も、スターリーフラワーを見つけたら、手でふれてみるといいよ……だって。きっと、ボクたちに力をかしてくれるって」

 たいせつなことを伝えると、スターリーはスッと舞い上がり、くずれた壁のすき間から、外へ飛び出していった。

 デデデ大王が叫んだ。

「あ、待て。どこに行く気だ?」

「火山島でしょう」

 と、天もん学者ワドルディが言った。

「闇の星を封印するために、火山島へ飛んでいったんですよ」

「……あいつ、火山島の場所がわかるのか? ついさっきまで、結晶の中でぐったりしていたのに」

 エフィリンが言った。

「もちろん、わかるよ。スターリーたちは強い思いで結ばれてるし、みんな、闇の星をぜったいに封印しなくちゃっていう、使命感をもっているからね」

 メタナイトが言った。

「なるほど。ならば、われわれの使命は、少しでも早くすべてのスターリーを救出することだな」

「うむ! まかせておけ!」

 デデデ大王は、自分の胸をポンとたたいた。

 天もん学者ワドルディが、大王を見上げて言った。

「大王様、一つ、提案があるのですが」

「むむ? 提案だと? なんだ?」

「ここで、また、二手に分かれてはどうでしょうか?」

 天もん学者ワドルディは、みんなの顔を見回した。

「少しでも早くスターリーたちを助けるためには、そのほうがいいと思うんです。この新世界は、ものすごく広いですから」

 メタナイトが、うなずいた。

「賛成だ。六人で行動するより、三人ずつに分かれたほうが、効率が良い」

「わたしは、『禁足の島』に行ってみたいんです!」

 天もん学者ワドルディは、はずんだ声で言った。

 デデデ大王が、首をかしげた。

「禁足……?」

「はい。わたしは、草原や雪原や海岸地方……つまり、この『はじまりの大陸』はほとんど歩き回ったんですけど、海を越えた『禁足の島』には、まだ行ったことがないんです。あそこには、きっと、古い時代の遺跡や文書が残されているはずです。それを、調べてみたいんです!」

 天もん学者ワドルディの目は、キラキラとかがやいていた。

 デデデ大王は、けわしい顔で、天もん学者ワドルディを見た。

「おまえというヤツは……このチャンスに乗じて、自分の研究を進めたいだけだろう!?」

 天もん学者ワドルディは、ハッとうろたえて、言った。

「そ、そういうわけでは……ただ、あの闇の星やスターリーたちは、流星の伝説と深い関係がありそうなんです。調べを進めれば、きっと、問題を解決する手がかりがつかめると思って……」

「フン! きさまは、禁足の島がどれほど危険か、知らんのだ。のんきに遺跡を探検できるような場所ではないぞ。結晶のせいで凶暴になったアニマルも、たくさんいるだろうし……」

 デデデ大王は、ガミガミとまくしたてたが、そこへ、メタナイトが口をはさんだ。

「私も、ぜひ、禁足の島に行ってみたい」

「……何?」

「前回、おとずれたときは、ラボ・ディスカバールの調査をしただけだったからな。禁足の島に、どれほどの強者がひそんでいるのか、確かめてみたいのだ」

 デデデ大王は、あきれて言った。

「つまり、強い敵と戦いたくてたまらんのだな。あいかわらず、ぶっそうなヤツだ」

「天もん学者くんのことは、心配いらない。私が守ろう」

 それを聞くと、デデデ大王はムッとした。

「何を言うか! ワドルディどもは、すべてオレ様の部下だぞ! きさまなんぞに、守ってもらう必要はないわい」

「だが、天もん学者くん一人では危険すぎる」

「だれが、一人で行かせると言った? オレ様がいっしょに行くわい!」

「……ほほう。よかろう」

 メタナイトは、カービィに向き直った。

「そういうわけだ。私たちは、禁足の島に向かうことにする。カービィ、君はエフィリンといっしょに、はじまりの大陸を、すみずみまで探してくれ」

「わかった!」

 カービィは、バンダナワドルディを見た。

「ワドルディは? ぼくらといっしょに来るよね?」

「え……えっと……ぼくは……」

 バンダナワドルディは、ためらいながら、デデデ大王に言った。

「大王様がおゆるしくださるなら、ぼくは、カービィたちといっしょに行動したいと思います」

「……フン。まあ、よかろう」

 デデデ大王は、そっくり返って、うなずいた。

「こちらが四人で、そっちが二人では、不公平だからな。特別に、おまえがカービィのチームに入ることをゆるしてやる。カービィが勝手なまねをせんよう、見張っておけ!」

「ありがとうございます」

 バンダナワドルディは、深々と頭を

 カービィは、はしゃいで言った。

「わぁい、三人でぼうけんできるんだね。がんばろうね!」

「うん!」

 バンダナワドルディは、にっこりした。

 カービィやエフィリンといっしょにいられるのは、もちろんうれしいけれど、バンダナワドルディがカービィのチームに入ろうと思った理由は、それだけではなかった。

 はじまりの大陸には、おいしいフルーツやお肉や野菜が、たっぷりある。カービィが、食べ物に飛びついて暴走してしまったら、エフィリンにはぜったいに止められないだろう。

「ぼくが、ついてなくちゃ!」

 決意を固めた、バンダナワドルディだった。

     


こうして、カービィとバンダナワドルディ、エフィリンと、デデデ大王とメタナイトに天もんくんの、3人ずつの2チームに分かれて、スターリー探しが始まった! その行く手には、思いがけない強敵とのバトルや、意外な真実が待っていた……!?
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