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水星は地球から見るのも行くのも超大変!『天体のひみつがぜんぶわかる! すごすぎる夜空の図鑑』ためし読み


夜空のひみつは、地上の出来事とちがってすぐには誰の目にも見えません。とくに遠い宇宙の場合、星の本当の大きさや流れるスピードに、私たち自身が気づいていないことがあります。

そんなときは、ふしぎで美しい星たちの素顔に思いを寄せて、科学のめがねで空をのぞいてみましょう。星空を見上げるのが大好きな人、宇宙にどんなひみつが隠されているのか知りたいと思っている人など、夜空にワクワクするすべての人に向けて、天体のひみつと観察する楽しさをまとめたのが『すごすぎる夜空の図鑑』です。

連載第3回は、CHAPTER3「すごすぎる 惑星のはなし」の中から「水星は地球から見るのも行くのも超大変!」を紹介します!

※本連載は『天体のひみつがぜんぶわかる! すごすぎる夜空の図鑑』から一部抜粋して構成された記事です。


水星は地球から見るのも行くのも超大変!

 惑星の中でいちばん太陽に近い水星は、出会うのが難しい星です。いつも太陽のすぐそばにいるため昼間はまぶしくて見えず、夕方には太陽の後を追うようにすぐ沈んでしまいます。観察のチャンスは日の出前か日没後のわずかな時間だけです。地球から見て太陽からもっとも離れる時期が約2か月ごとに巡ってきますが、黄道の傾きは季節で変わるため、毎回観察しやすいわけではありません。

 春の夕方や秋の明け方は、黄道が地面から垂直に立ち上がるため水星の位置が高くなり、見つけやすくなります。さらに水星の公転ルートは少しつぶれた楕円形をしているため、水星が太陽からもっとも離れた場所に重なると、観察しやすいです。

 水星は見るだけでなく、行くのも大変な星です。地球や金星などの重力を借りるスイングバイを何度も繰り返し、さらに逆噴射をして速度を落とさないと、水星の周りで立ち止まれません。水星は観察するのも行くのも難しい、特別な存在なのです。


見かけ上、太陽からいちばん離れたとき(西方最大離角)、明け方の東の低い空に見えた水星。



望遠鏡で見た、実際の水星の様子。地上の望遠鏡では小さくしか見えず、模様はほとんどわかりません。


NASAが打ち上げた水星探査機メッセンジャーが、水星の近くを通り抜けるフライバイを行った際に撮影した水星の姿。これまでどの探査機も見ることがなかった、水星の未知のエリアがくっきりと写っています。水星はほとんど大気がなく、月のようなクレーターで覆われた地形をしています。


  豆知識  

地球の内側を回る惑星は、まれに太陽面を通過し黒い影を見せます。水星が前回通過したのは2019年、次回は2032年の日没時です。金星の場合、前回は2012年、次回は2117年で、一生に一度レベルの貴重な天文現象です。



夜空を見上げるワクワクを、もっと知ってほしい

星はどうしてあんなにきらきら光るのか、月はなぜ毎日少しずつ形を変えていくのか。はるか遠くの宇宙にはどんな景色が広がっていて、私たちとどうつながっているのか……。なかなかすぐには答えがわからない、ふしぎな謎ばかりですよね。

毎日いそがしい日々の中でも、ふと立ち止まって夜空を見上げ、果てしない宇宙のひみつにワクワクしている、そんな好奇心いっぱいのあなたに捧げるのが、この本です。あなた、そしてあなたの大切な人たちが、星空をもっと好きになってくれることを願っています。



【書籍情報】


著者: 藤井 大地

【定価】
1,595円(本体1,450円+税)
【発売日】
【サイズ】
四六判
【ISBN】
9784043300884

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