学校でも、塾でも教えてくれない「スマートフォン(スマホ)・インターネット(ネット)」のカッコいい使い方とは? スマホやネット、ぼんやり眺めているだけだと、ビックリするようなことも起きてしまうかも!? 情報社会にこれから出ていくみんなが読んでおきたい最強の教科書。
第6回目は「ギモン5 今のところ、自分は健康です。この本を閉じていいですか?」を試し読み!
※本連載は『スマホを見てただけなのに! 13歳から知っておきたい情報社会のかしこい生き抜き方』から一部抜粋して構成された記事です。
この本を閉じていいですか?
10代の時って、1日くらい暴飲暴食しても、あっという間にお腹をリセットできたりもします。多少、無理してもなんとかなる。そんな奇跡のような年頃です。
でも、スマホの使い方には特に気をつけてほしいのです。
目に見えないからこそ、気づいたときにはもう取り返しのつかないことになっているかもしれないからです。
バランスよく情報を食べないと困ったことになる
2020年春、日本で初めての「緊急事態宣言」が発出されました。新型コロナウィルスがこれ以上ひろまらないよう、必要なとき以外は家から出ないことなどが求められました。
そんなとき、とある深夜のバラエティ番組で、街頭インタビューをうけた若者がこう言って笑っていました。
「え? コロナ? つい最近まで知らなかったですよ〜(笑)」
多くの人が外出をひかえ、マスクをして暮らしていたあの時期に、おそらくこの方だけは、ティックトックでダンス動画を見たり、ユーチューブで切り抜き動画を見たりしていたのかもしれません。もちろん、ダンスも切り抜きも、それ自体が“悪い”ものではありません。でも、それ「しか」見ていないとしたら……。
一歩まちがえば、自分がコロナにかかって苦しい思いをしたり、高齢の方にうつしてしまったりして、大変なことになるかもしれません。人の「命」にかかわる重大な“情報不足”と言われても、おかしくないのではないでしょうか。
毎日お菓子やジャンクフードばかりを食べていたら大事な栄養素が体から失われて、かぜをひきやすくなってしまうのと同じで、情報もまた、偏った情報ばかり食べていたら、世の中で起きている重大なできごとが、ごっそり抜け落ちてしまうかもしれません。もし明日、日本で「緊急事態宣言」が発出されたとして、あなたは「絶対に、その情報をキャッチできる」と、自信をもって言えるでしょうか?
情報的な栄養バランスをチェック!
自分が偏っているか、バランスよく情報を食べられているかって、自分ではよくわからないものです。そこで、自分の健康状態をはかるヒントになりそうなチェックリストを用意しました。当てはまる項目はいくつあるでしょうか?
■チェックリスト
1.起きてすぐ・寝る前にダラダラと30分以上スマホを触ってしまう
2.通知がオンになっているアプリが10個以上ある
3.ティックトックやユーチューブショートを開くと、止まらなくなってしまう
4.SNSの投稿だけで、世の中のことを“分かったつもり”になっているかもしれない
5.自分とは遠いところ(他の県・国など)や、興味のないニュース(政治や事件など)に関心を持つことがほとんどない
6.“まとめサイト”や“切り抜き動画”ばかりで情報を得ている
7.「最近、本や長めの記事を読んでいないな」と感じる
■結果判定
0〜2つ:理想的! 情報のバランスは良好です。
3〜6つ:少し偏ってきているかも?
7つ:情報偏食の危険信号!
目に見えないからこそ注意が必要
いきなり「あなた偏っていますよ」と言われても、「別に困ってないし」と思うかもしれません。たしかに、今は大丈夫かもしれません。
実は世界中の研究者が、「放っておいたら、困ったことになった」事例をいくつも調べています。それによると、実はそれらの困りごとは、目に見えないことがほとんど。つまり、ぱっと見はいたってふつうな、自分でも気づいていなかった人が、実は情報的にはとても不健康で、少しぐあいが悪い、ということがよくあるそうです。
食べ物の偏食では、たとえば「からだがたるんできた」「咳と鼻水がとまらない」など、ぐあいが悪いことに気づきやすく、すぐに対策をとることができます。でも「情報的な健康」の場合は、家族も、友だちも、自分自身さえも、ぐあいが悪いことに気づけないことが多い。
そして知らない間にどんどん症状が悪くなって、ある時、だれかが気づいたときには、「もうだれの話も聞けない」「だれにも会いたくない」など、対策をとるのが難しかったり、治すのに時間がかかったりすることもあるのです。
偏った情報ばかり食べていると、「だれの話も聞きたくない」「自分は正しくて、みんなが間違ってる」みたいな、“ちょっとイヤな人”になっちゃうかも!? 食べ物も情報も、偏らないように、バランスよく食べていくことが大事!!?
◆第6回目「ギモン5 今のところ、自分は健康です。この本を閉じていいですか?」へつづく(5月13日公開予定)
【著者プロフィール】
鈴木雄也(すずきゆうや)
1989年生まれ。岐阜県出身。情報的健康プロジェクトメンバー兼慶應義塾大学 X Dignityセンター連携所員。横浜国立大学卒業後、地方テレビ局の報道記者や営業担当として約10年間にわたり取材・制作・営業などに従事。その後、外資系ウェブメディア、新聞社と、メディア業界の現場を横断的に経験。2022年より情報社会とリテラシーに関する研究・発信をライフワークとし、「情報的健康プロジェクト」に参画。慶應義塾大学法科大学院・山本龍彦教授らとともに共同提言を執筆。Podcast、noteなどで情報社会における“情報的健康”の重要性について発信している。