鉱物は地球がつくった自然の作品で、「地球からの手紙」ともいえるもの。地下深くの高い圧力や温度、火山活動、岩のすき間を流れる熱水……さまざまな出来事が重なって、多様で多彩な鉱物が生まれます。宝石になるもの、金属やガラス、電池の材料など生活を支えるものもあります。この本には、そんな鉱物たちの「すごすぎる」話を集めました。
連載第2回は、CHAPTER1「鉱物のきほんのはなし」の中から「宇宙の記憶を運ぶ隕石と鉱物の世界」を紹介します!
※本連載は『石のひみつがすべてわかる! すごすぎる鉱物の図鑑』から一部抜粋して構成された記事です。
宇宙の記憶を運ぶ隕石と鉱物の世界
鉱物は地球でできるもの、という印象が強いですが、宇宙からやってくる鉱物もあります。その代表が隕石に含まれる鉱物です。
隕石は小惑星などの地球外天体でできた鉱物や金属が地上に落ちてきたもので、大きく石質隕石・鉄隕石・石鉄隕石に分けられます。石質隕石には、かんらん石や輝石など、地球の岩石にも見られる鉱物が多く含まれます。一方、鉄隕石は鉄とニッケルからなるカマサイトやテーナイトです。これが小惑星の内部で、100万年に数℃のペースでゆっくり冷えると、カマサイトとテーナイトが結晶化し、規則正しく入り組んだウィドマンシュテッテン構造が現れることがあります。石質隕石のうちコンドライトには、太陽系が生まれた初期にできた微小な球粒、コンドルールが含まれます。
鉱物の組み合わせや組織、化学組成は太陽系初期の環境を読み解く大事な手がかりです。鉱物は地球だけの産物ではなく、宇宙の化学と歴史を運ぶ旅人でもあるのです。
不思議で美しい隕石
表面は褐色の水酸化鉄に覆われているが、内部は銀色の鉄合金とケイ酸塩鉱物が混在している。特に銀色の地の中に、黄色く透明なかんらん石が散在する「パラサイト」が石鉄隕石の代表例(ベラルーシ/幅約6㎝/倉敷市立自然史博物館)。
豆知識
隕石の中には、無機物だけでなく有機物を含むものがあります。このような宇宙の環境でできた有機物が、生命の起源になっているという考え方もあり、隕石だけでなく小惑星などからの有機物探しが話題になっています。
鉱物のことをたくさん覚えるのも楽しいのですが、大切なのは目の前の石をみて「なぜだろう」と考えてみることです。色や形、重さなど小さな違いに気づくと、ただの石ころに思えていたものが急にこちらに語りかけてきてくれます。気になる石を見つけたら、ぜひじっくり観察してみてください。そして、足元に広がる地球の世界を、これからも楽しんでいただけるとうれしいです!
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