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テレビでもお馴染み、東大生で昆虫ハンターの牧田習の初書籍「昆虫ハンター・牧田 習のオドロキ!!昆虫雑学99」。身の回りにいるちょっと気になる虫から、レア度100%の変わった虫まで、その魅力をイラストと共に解説しています。今回はその中から「ゴミムシ」「ミズカマキリ」「二ホンミツバチ」をご紹介。
ゴミムシは ゴミを食べない
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昆虫の名前には、少しかわいそうになってしまうものがあり、ゴミムシもその一つだと思います。「ゴミムシ」と聞くと、ゴミをあさってむしゃむしゃ食べるような昆虫を想像しませんか? しかし、ゴミムシはゴミを食べません。家の中のゴミ置き場をどれだけ探しても、ゴミムシには出会えないと思います。
では、ゴミムシはいったいどんな生態なのでしょう。ゴミムシはオサムシと同じ仲間で、夜行性の種類が多いです。そして、他の昆虫や生き物を食べる肉食性の種類もいれば、草の種などの植物質のものを食べる種類もいます。世界中で4万種ほども見つかっていて、洞窟や地下に生息する種類もいたりします。
そんな大自然の中で暮らすゴミムシたちですが、どうして「ゴミ」などという名前がついたのでしょうか? それは、外に置かれていたゴミに集まっていた他の昆虫を食べていたからです。つまり、ゴミを食べる昆虫を食べるのです。 でも、それだと「ゴミムシタベルムシ」とかのほうがいい気がしますね(笑)。
ゴミムシの仲間は、日本では池の周りや河川敷などのジメジメした場所に、特に多く生息しています。見た目がきれいな種類も多いので、元気に動き回るゴミムシを見つけてみてください。
〈データ〉
名前:ゴミムシ類
体長(成虫):種類による
生息地:世界中
活動時期(成虫):4〜11月
特徴:4〜11月
採取難易度:種類による
ミズカマキリは カマキリではなくカメムシの仲間
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「草むらの王様」と言うべき肉食性の昆虫・カマキリ。実は、水の中にもそのカマキリの名を持つ、ミズカマキリという昆虫が生息しています。
ミズカマキリは、カマキリによく似た大きなカマを持ち、水の中に暮らしている小さな魚などの生き物を捕まえて食べてしまう肉食性の昆虫です。その生態からまさしく名前のとおり「水の中のカマキリ」なわけですが、実は、カマキリの仲間ではなくカメムシの仲間なのです。
ミズカマキリをはじめ、カメムシの仲間は水の中にたくさん生息しています。タガメやアメンボもカメムシの仲間です。そして、陸上のカメムシが飛ぶことができるように、ミズカマキリも羽を広げて飛ぶことができます。これにより、棲んでいる池のエサが少なくなっても安心というわけです。ミズカマキリはうまく枯れ枝などに隠れて獲物を狙うために、細くて茶色い体をしているので、探す際は見落とさないように。
〈データ〉
名前:ミズカマキリ
体長(成虫):8〜9cmほど
生息地: 日本ほかアジア、東南アジア、ロシアなど
活動時期(成虫):4〜11月
特徴:長い脚と大きなカマを持つ
採取難易度:★★
ニホンミツバチは オオスズメバチを囲って熱死させる
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ニホンミツバチの巣を眺めていると、蜜を探しにいったり、幼虫の世話をしたりとみんな忙しそうです。そこへ、「ブーン」という音とともに巨大なオオスズメバチが現れました。肉食のオオスズメバチは、ニホンミツバチにとっては恐ろしい天敵です。
体長にして3倍ほどの体格差があるオオスズメバチに対して、ニホンミツバチは1対1ではさすがに勝ち目がありません。では、ニホンミツバチはどうするのか……。
そんな時、ニホンミツバチはある秘策に出ます。なんと、数百匹以上のニホンミツバチが集まって、オオスズメバチを取り囲んでかたまりを作り、中の温度を上げていき、オオスズメバチを熱死させるのです。この技を 「熱殺蜂球(ねっさつほうきゅう)」 といい、ニホンミツバチだけの必殺技で、外国のセイヨウミツバチなどは使えません。
オオスズメバチはニホンミツバチに比べて熱に弱く、48℃くらいまで熱が上がると耐えられずに死んでしまいます。小さくても、力を合わせて戦うニホンミツバチ、恐るべしです!
〈データ〉
名前:ニホンミツバチ
体長(成虫):1〜1.3cmほど
生息地:日本
活動時期(成虫):春。巣では通年
特徴:黒と黄色のしま模様
採取難易度:★
今回紹介した虫たちをはじめ、全99もの虫の小噺が詰まった「昆虫ハンター・牧田 習のオドロキ!!昆虫雑学99」、ぜひチェックしてみて。
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【プロフィール】
牧田 習(まきたしゅう)
幼少期から昆虫が好きで、高校時代には学会(日本甲虫学会、日本昆虫学会)に参加する。現在では海外の研究者と協同で昆虫研究を進め、新種を発表するなどして昆虫研究家として活躍している。