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みんな、お待たせ!
もうすぐ発売の、伝説級シリーズ完全新作『いみちぇん!! ふたたび、ひみつの二人組』。
いったいどんなお話になりそう? どういうきっかけでこの物語が生み出されたの?
――気になって仕方がない!!
そんなみんなにスペシャルなインタビューをお届けです♪
この9月、著者・あさばみゆきさんにトツゲキ質問した内容を、前後編にわたって大・公・開!!
※まっさらな状態で『いみちぇん!!』を楽しみたいってコは、小説を読み終わってから読みにきてね♪
※一部「いみちぇん!」シリーズ(19巻まで)のネタバレを含んでいるよ。
――それでは、本日はよろしくお願いします!
あさばみゆきさん:よろしくお願いします!
――さて、あさばさんには事前にこちらをお渡ししていたのですが……
=あさばみゆきさんに5つの質問!=
① あさばみゆきさん、『いみちぇん!!』はどんなお話になりましたか?
②『いみちぇん!!』を書くときに、大変だったことはありますか?
③「いみちぇん!」は、あさばみゆきさんにとってどんなシリーズでしたか?
④「いみちぇん!」の世界で、この先まだ書いてみたい物語はありますか?
⑤ もうすぐ発売ですね! いま、どんな作業をしていますか?
――今日は、この「5つの質問」ついて順番にお伺いしていきたいな、と思っています!
◆「書けるかな!?」と、めちゃくちゃ不安だった
――さっそくですが、まず1つ目。
ファンのみなさんもすでに超超気になっている……ズバリ、『いみちぇん!!』はどんなお話になりましたか?
あさばみゆきさん:一番はじめに、続編のお話が出たのは、19巻を書きはじめる頃でしたっけ?
そのときはたしか……、「もしまた同じ世界観で、なにか書けたらいいですねー」くらいのノリで、「物語世界のなかに、続きを書けそうな『余白』は残しておきましょうか」というかんじだったと思います。
ただ、「モモが主人公の物語」とは考えていなかったので。
あらためて「『モモと匠が中心のお話』で、続きを書きませんか?」と話をいただいたときは、「マジですか! 書けるかな!?」とめちゃくちゃ不安だったんです!
二人のお話は18巻でまとまっていて、つづく19巻では二人の「将来の姿」まで書いてしまっていたので。
だから、「18巻と19巻の間で、二人が成長できる余地がまだあれば……」と、当時は、いったん「考えさせてください」と返事を保留させてもらいました。
その時、ウンウン考えまして。19巻の将来の話で、二人がしっかり落ち着くまでの間に、「中学生の二人ならではの問題」――主様であり恋人であり、というお付き合いの関係性から、どういう恋人になって、婚約するまでに至ったのかとかは、まだ乗り越えるべきハードルがあるな、と気がついて。
そこをつなげるお話なら書けそうだな、と。
あと、もう一つ根本的なところで、「モモが『言葉を信じて』世界を見守っていく」という18巻の結論から、「ふたたびバトルをする」までに、一体どういう課題が出てくるだろう? という方向性も、クリアしなきゃですよね。
そこについても、モモが小学生のころは解決できなかった、というか、つばさ文庫版「いみちぇん!」では書きづらかった話で、単行本でなら、もうちょっとだけ大人の物語として書けるかな……という、ある課題を見つけられたので、そのあたりを主題に出来たら……いけるかもしれない、と! 腹をくくりました(笑)
――当時は「書けますか?」と、何度もご相談をしていましたよね。
あさばみゆきさん:「本当にモモがもう一回戦うの!?」って、何度も話し合いましたよね(笑)
――「ある課題」という話が出てきましたが、今作では「新たな人物」が一人、登場しています。彼はそんな経緯から生まれてきたキャラクターでしょうか?
あさばみゆきさん:そうですね。「この『課題』に当てはまるのはどういう子だろう」と考えて……あと、もう一つ、「匠のライバル」になるならどういう子がいいだろう? とも考えて。
なので、匠と相容れなさそうな人物にしてみました! アハハ。
――実際に彼を登場させてみて、いかがでしたか?
あさばみゆきさん:すっっごく書きやすかったですね。彼が背負っているバックグラウンドは、一度書いてみたかったので、すごく楽しく書きました。
あと、匠とのバチバチな関係性も楽しく書きました(笑)
――匠でいうと、単行本では18 巻からまた少し大人になった彼が見られますね!
今回、装画に加えて挿絵も市井あささんに描いていただいたのですが、いかがでしたか?
あさばみゆきさん:匠、ちょっと大人になっていて、イケメンぶりに磨きがかかって……もう大変ですね!
描いていただいた挿絵の中では、とくに新キャラのふにゃっと笑った顔とかが、めっちゃ好きでした。
モモと匠のシーンでいうと、その――じつは挿絵のほかに本の「扉(※タイトルが入っている、いちばんはじめのページのことだよ!)」用のイラストも描いていただいたのですが、あそことか、「こんなにもトキメキなイラスト、だだだ大丈夫なの!?」って(笑)
ええ~~……、小学生の頃は見られなかった、18巻後「ならでは」の二人の関係を描いていただいています!
――たしかに、今作ならではの距離感にドキドキするイラストでしたね。
じつはこのイラスト、2パターンのラフが存在しています。
あさばみゆきさん:どっちも本当にステキだったので、本に使わなかったほうも、ぜひぜひぜひぜひ、みなさんに見ていただきたいですね~~っ。
……って、いま担当さんにチラッチラッと目くばせをしています!(笑)
★というわけで、ヨメルバ記事内「つばさ応援団」限定で、もう一案のラフを公開予定!
公開日は10月20日(金)を予定しているよ♪ おたのしみに!
――さて、こうしてアイデアを固めたあと、実際にご執筆をはじめていただきました。
当時、ちょうど完結から2年くらい経っていた時期だと思うのですが、ひさしぶりにモモたちを書かれてみて、いかがでしたか?
あさばみゆきさん:個人的にSNSなどで小話を書いたりしていたので、モモたちを頭に呼びもどすのは、難しくなかったです。
「漢字の書き換え」は、なつかしいやら大変やらでした。ひさしぶりに漢和辞典と向き合って……!
でも、今までつばさ文庫のほうで使っていなかった「外字」を使えたのは、おもしろかったです。常用漢字にない漢字を、今回は遠慮せずに入れられたので、「今まで使いたかったけど、のせられなかった漢字が使えた! やったあ!」みたいな(笑)
――単行本で登場しているのは、元々「使いたい漢字」の候補の中にあったものだったんですね。
あさばみゆきさん:そうですね。18 巻まで書いていたときに、「使いたいな~」と思っていたけど、文庫では使えないな、という漢字がいくつかあったので、今なら! と入れてみました。
それが、ちょうど話のストーリーと合致したので、神様の采配かしらと思って……。元々伏線を張ろう、と考えてなかったところでも、「あ、ここでハマった」といったこともあって、とてもラッキーでした。
◆お話の内容もイラストも「中学生編」ならでは
――そんな本作ですが……ここで二つ目の質問です。
ほかに、『いみちぇん!!』を書くときに大変だったことはありますか?
あさばみゆきさん:ぺージ数が多くなりすぎて、削るのはすごく大変でした! いやホントすみません……っ。
最後までギリギリまで、行をツメて。プロットの時点で、「これはヤバいぞ」という気はしていたのですが……、ねー! ひさしぶりに「モモたちを書ける!」という喜びが、ページ数に表れちゃったみたいです(笑)。
――最終的に、たくさん削って、それでも240ページぎっっっちり書いていただきましたね。
逆に、書かれていて楽しかった点はどこですか?
あさばみゆきさん:いつも、挿絵をいただくのがとても楽しみなのですが、今回も「ここを挿絵にしてもらいたい」と考えながら書くのが楽しかったですね。
今回、ふたたび市井さんがイラストを引き受けてくださったというのが本当にうれしくて、奇跡みたいに感じて。
なので、「挿絵で見たい!」というシーンを物語にふんだんに盛りこみました! たとえば、匠が〇〇〇シーンとか、「ぜったいこうさせたい!」って思いながら書きました。
――私も、あそこのシーンは何度拝読してもドキドキしちゃいます。
あさばみゆきさん:恋愛方面でのハードルも一つ、超えさせていただきました。
……って、言っても大丈夫でしょうか?(笑)
恋愛面でも、シリアスな展開――物語の本筋に関わる面でも、もしかしたら、ちょっと重すぎるかもしれないというシーンも。中学生のモモたちなら受けとめられるかなと思って、そこも「中学生編」ならではだなと感じている点で、楽しく書かせていただきました。
――そんな、中学生になったモモと匠ですが、キャラクターデザインやカバーを見ていかがでしたか?
たしか、あさばさんとのいちばんはじめのお打ち合わせで「制服はちょこっとだけ変えたい」とご相談をいただきましたね。
あさばみゆきさん:本当に、「はー! 市井先生!! すてき!!!」といった気持ちで!
モモの髪型や制服の丈なども、いっしょになやんでいただいていて、モモらしい、ひふみ学園らしいところも残しつつ、すごくステキに描いていただきました。
髪を下ろしているのも、白髪に向かうグラデーションがしっかり見えて、神秘的な感じがして……ああ、モモはキレイになったなぁって。
本当にステキなお姉さんになっちゃって、「大変だわ、匠さん」なんて思いました(笑)。
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中学生になった、モモと匠。
だから、また市井先生に描いていただいた喜びと、モモと匠が成長しているんだなあという実感で、なんだかもう……鳥肌は立つやら、涙は出るやらで、すごかったです。
あと、装丁(※本のデザインのことだよ!)面でも、ロゴが大人っぽくなって、迫力がありましたよねっ。
――そうですね。
今回デザイナーさんには「『いみちぇん!』シリーズらしいところを大事に残して」「でも、大胆に新鮮なものを」とお願いしました。
カバーデザインをあさばさんにお送りしたのは、たしか8月下旬くらいだったのですが……。
あさばみゆきさん:何パターンかお送りいただいて、「特にいちばん迫力があってかっこいいもの」でと思って選びました。単行本ならではのかっこよさ、大人っぽさがめちゃくちゃすごいな、とずっと見入ってしまって。
あと、タイトルの「!!」が二つに増えたのも、パワーアップ感があって、うれしかったです。
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カバーデザインも公開!
――お話の内容について、ほかに読者のみなさんも気になっているところでは「モモの寿命」問題があるでしょうか?
あさばみゆきさん:そうですね。あとは「桃花がゆるしてくれるのか」とか。
執筆をはじめる前に「いみちぇん!」シリーズ既刊をすべて読み直したのですが、単行本では、「ここはこうなるよな」というステップを、ごまかさずに、ちゃんとひとつひとつ踏んで書けたので、そこは大丈夫かなと思っています。
……大丈夫かなと思っているのですが(笑) どうでしょうか?
さらに今回は、本編では出せていなかった「裏設定」もいくつか出てきます。
そのあたりも解決できてよかったなと思っています。
登場させた設定は、どれも「いみちぇん!」シリーズ執筆当時から考えていたものですが、そのときは、本編で出すと、過去の話に寄りすぎてしまうというか……だから結局、書くタイミングがないままになっていました。
そのあたりを今回解消できましたし、伏線らしきものがあった、〇〇のあたりも解決できて、すっきりした!と思っています。
◆モモたちと、本当に『終天』一緒にいてくれて、ありがとう
――つづいて、3つ目の質問です。
今回新作を書いて、あらためて感じたこと、振り返ったことをお伺いしていきたいのですが……「いみちぇん!」は、あさばみゆきさんにとってどんなシリーズでしたか?
あさばみゆきさん:いちばん最初のシリーズだから思い入れがある、というのももちろんですが、6年間も書かせていただいたので、自分の「ホーム」みたいに感じています。
つばさ文庫さんでの歴代の担当編集みなさんが、全員このシリーズには関わってくださっていたので、その意味でも、「『いみちぇん!』に育ててもらった私」であり、みなさんにずっと見守ってもらった作品でもあり。
モモたちを書いている自分が、すごく自然に感じるし、落ち着きますね。
――執筆にあたり、1巻から改めて読み返されていましたが、いかがでしたか?
あさばみゆきさん:恥ずかしかったです!!(笑)
恥ずかしくて、もう直したいところがいっぱい出てきちゃうんですけど、それはそれで、当時のものなので。
たとえば1巻読み返してみて、「モモが意外と元気だな!」とかは感じました。心のなかで、匠にけっこう言い返していたりしますよね。……でも、彼女の心の芯の強さは、ずっと変わっていないかもしれません。
――以前つばさ文庫公式サイトで実施したインタビューで「あさばさん自身にいちばん近いキャラクターは、『星にねがいを!』のヒヨ」と伺いましたが、あさばさんにとってモモはどういう存在ですか。
★インタビューはこちら ! ※角川つばさ文庫公式サイトへジャンプするよ
あさばみゆきさん:あまり自分とは近くないけれど、ずっと書いていたので、すでに「自分の頭の片すみで、モモが暮らしている」というか……。執筆のときは、頭の中にいるモモに出てきてもらって、話を進めてもらってます。
キャラクターを作ろうとして作っているわけではなく、彼女自身が勝手に動いているような感じですね。
――「いみちぇん!」のあと、つばさ文庫からは「星にねがいを!」が全7巻、「サバイバ―!!」が現在6巻まで発売されています。
2つのシリーズを間にはさんで、いま『いみちぇん!!』を執筆して……当時と変化している部分はありますか?
あさばみゆきさん:なんだか、だんだんお話が容赦なくなっている自覚は、あるような、ないような……(笑)。
ここまでいただいた読者のみなさんからのお手紙とかコメントとかで、「あ、大丈夫みたい! ばっちり受け止めてくださってる!」って思えるようになって。
それはもちろん、「いみちぇん!」を書いていたときに手加減していたというわけではなく、目の前の展開にふさわしいものを、遠慮せずにお話にぶつけていく、ということはやっていたのですが。自分の「本気」のものをぶつけることに、ためらいがなくなってきた……というか、もう少し言うと、「みなさんなら、きっと受け止めてくれる」という信頼を感じています。
なので、私も常に全力でぶつからせていただこうと、それをモットーにしています(笑)。
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「いみちぇん!」「星にねがいを!」「サバイバー!!」……たくさんの物語!
――たしかに、どのシリーズへも、本が発売するたび、物語の展開に対して、読者さんからのファンレターや感想コメントが本当にたくさん届いて、その熱量におどろいています。
あさばみゆきさん:1冊書くごとにお手紙をくださる方、児童文庫で書き始めてからもう9年もお付き合いくださっている方、SNSでまめに反応をくださる方、いろんな方のおかげで、今日まで続けてこられたな、と感じています。
執筆って、孤独な作業じゃないですか。ずっと家から出ず、たまに担当さんと話をさせてもらうくらいで。
なので、本当にみなさんからの一言一言が力になるというか。
コメントいただけるから、ちゃんと届いているんだなと実感できていて、ものすっっごくありがたいなと感じます。
これは私から逆質問なんですが、「いみちぇん!」の続編を出せたのって、読者さんが完結後も、ずっとご反応くださってたからなんでしょうか?
――そうですね。ひとつは、完結したあともずっと、新しい読者さんが入ってくださっていること。いま小学生で、最近知って、読み始めたという方も多くて、とてもうれしいです!
そしてもう一つは、ずっと公式サイトに遊びに来てくれたり、ファンレターを送り続けてくれる読者さんがたくさんいたこと! 「新作が出るよ!」とお伝えしたら、その情報がちゃんと届く距離にファンのみなさんが居続けてくれている……というのは、本当にほんとうに素敵なことです。
みなさん、本当にありがとうございます!
さて、そんな『いみちぇん!!』単行本の情報、はじめて告知が出たのが今年の3月、発売日などの書誌情報が出たのが7月でしたが……ドキドキされましたか?
あさばみゆきさん:しました! でも、まだしていますよ!(笑)
本が実際に発売されて、読んでもらって、反応をいただくまで、私はずっと心臓がつぶれるような気持ちでいると思うんですけど……。
完結から2~3年も間があいての、再スタートなので。「モモたちをもう一回戦わせた理由」や、ストーリーについて――今作では新キャラも出てきますし、逆に今回出てこないメンバーもいますもんね。
だから、待ってくれている読者のみなさんを裏切らないで、この一冊で期待に応えられているかな? というのが気になって……というか、めっちゃ怖いんですが。
あ、でも、担当さんと相談させてもらいながら、何度も改稿して。私的には満足のいく仕上がりにできた、と思ってます!
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発売まで、あと少し!
――いま、すでにいただいている反響をご覧になって、いかがでしたか?
あさばみゆきさん:最近だと、モモたちのカバーイラストが公開されましたね。喜んで下さる反応がたくさんあって、コメントもすぐにくださった人もいて。
こうして、シリーズのことを忘れないでいてくださる人がいて、モモたちの成長を喜んでくださる人がいて。「モモたちと、本当に『終天』一緒にいてくれて、ありがとう」という気持ちで、ずっと泣いてます。
――さて、それではこのあと、④、そして⑤の質問もしていきたいと思っているのですが――
ここから先は、後編で!