宇宙に存在する「ブラックホール」。なんでも吸い込む不思議なブラックホールが気になるお子さんも多いかもしれません。
今回は、『角川の集める図鑑GET! 星と星座』から、ブラックホールの正体とそのひみつについて紹介します!
ブラックホールの正体
ブラックホールは「黒いあな」という意味の名前ですが、「あな」ではありません。ちゃんとした「天体」です。
太陽の数十倍の大きさの恒星が最期をむかえた後、ブラックホールになります。恒星がブラックホールになるとき、重さはそのままで、ものすごく小さくちぢみます。すると、高密度で、大きな重力をもつ天体、ブラックホールになり、あらゆるものを引きよせるようになります。地球がブラックホールになるには、ビー玉サイズまでちぢめる必要があります。
ブラックホールのひみつ
とても大きな重力をもつブラックホールのある所では、時間と空間が大きくゆがみ、あながあいたかのように、光さえもねじ曲げられます。
そして、ある面をさかいにして、光などすべてのものは外に出ることができなくなるのです。そのさかいを「事象の地平面」といいます。
なぞの多いブラックホールのひみつをみていきましょう。
Q. なんでも吸い込むの?
空間がゆがんでいるので、光さえもブラックホールにぐるぐるまきつくように進んで出られなくなります。
Q. 人がブラックホールに入ることはできるの?
おとめ座M87くらい大きなものだと、そのまま入ることができます。
しかし、直径数十kmくらいの小さなブラックホールだと、つま先から入った場合、頭のてっぺんとつま先とで、かかる重力に差が生まれ、ブラックホールに入る前に、からだがバラバラになってしまいます。
Q. ブラックホールに入ると最後どうなるの?
ブラックホールの本体は、中心にある「特異点」と、それを取り囲む「事象の地平面」からなっています。事象の地平面をこえると、すべてのものは、ブラックホールの外へ出ることはできません。そして、最後には、「特異点」という、どこまでも無限につぶれた小さな点に集まると考えられています。
Q. ブラックホールは見えないの?

電波望遠鏡
画像提供:PIXTA
ブラックホールは、ほかの天体と比べると大変小さな天体なので、ふつうの光学式望遠鏡では視力が足らず、観測できません。そのため、観測にはとても高い視力が得られる電波望遠鏡を使います。
2019年、おとめ座M87のブラックホールのまわりのガスが出す電波を観測し、世界で初めて、ブラックホールの「かげ」をとらえることができました。

電波望遠鏡がとらえた、5500万光年先にあるM87のブラックホールのかげ
(Credit: EHT Collaboration)
事象の地平面の直径は、約400億km、重さは太陽の約65億倍。かげの真ん中のところにブラックホールがあります。
【マメ知識】ブラックホールを予言したのは?

画像提供:PIXTA
ブラックホールは、物理学者アルベルト・アインシュタインによって導き出された「一般相対性理論」によって、宇宙に存在すると予言されていました。電波望遠鏡によってとらえられたM87のブラックホールのかげは、その理論を証明したことになります。
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