
多様性の時代、「人と違う」「同じことができない」はダメじゃない! これからの僕らが、幸せに働き、生きるためには、「今」なにをするべきか?
弱点(バリア)と思われがちな特性を「自分だけの価値(バリュー)」にするために必要な考え方が、漫画とイラストで学べる1冊。
「10歳から知りたいバリアバリュー思考 自分の強みの見つけかた」無料ためし読みです。
多様な人たちと生きていることを互いに認め合おう
私たちは人と違うことを気にしたり、違う人のことを特別視したりすることがありますが、そもそも、人はみんな違うものです。この話をするときに、私がよく例に出すのが、「日本がもし100人の村だったら」という話です。100人で換算すると男女比はだいたい半分ですが、例えばLGBTの人はそのうち9人。高齢者は29人いるのに対して子どもは12人と少なく、日本の少子高齢化社会を象徴しています。そして、障害者は8人もいます。
私は小学生の頃、車いすに乗っているのが全校生徒で自分一人だったため、「自分はかわいそうな存在だ」と思い込んでいました。当時の私が100人のうち8人も障害者がいるとわかっていれば、もっと気持ちが楽になっていたでしょう。
もし「自分はみんなと違うのかも」と悩んでいるのなら、「日本がもし100人の村だったら」と考えてみてください。クラスの中など狭い世界で見比べると、違いが目立つかもしれませんが、日本中、さらに世界中で考えると、決して特別ではないことがわかると思います。

性的マイノリティの中には、LGBT以外にも様々な性自認、性的指向の方がいらっしゃいます。株式会社ミライロでは、性的マイノリティの総称として「LGBT」と表記しています。

周囲の人をよく見て何に困っているのか気づけるようになろう
「日本がもし100人の村だったら」の例をもっと見てみましょう。一人親家庭の人は9人。中学生で不登校の人は3人。一人で悩んでいると、自分は特別な存在だと思うかもしれませんが、世の中にはいろいろな人がいるのですね。
ぜひ周りの人々をよく見てみてください。おじいちゃんやおばあちゃんは体が不自由になっていませんか? クラスの中に体が不自由な人や、周囲に合わせるのが苦手な人はいませんか? 外国人の家族を持ち、日本語のプリントを読むことが難しい人はいませんか?
そんなふうに、誰が何に困っているのか、気づけることが大事です。わからなかったら、聞いたり調べたりして、自分ができることを考えてみてください。
おじいちゃんの布団の上げ下げを手伝うことや、プリントを読めなくて困っている子がいたら読み仮名を振ることもできます。
今すぐできることもあれば、5年後や10年後にできることもあります。それが、将来の仕事の選択につながることもあります。まずは、自分の身近にもいろいろな人がいて、いろいろな課題があることに気づくことが大切です。


それぞれの人数は調査により多少の変動がありますので、あくまでも目安として考えてください。
バリアをバリューに変えるモノの見方、思考
私は「バリアバリュー」という考え方を大切にしてきました。「バリア」とは狭い意味では「障害」のことですが、もっと広くとらえて、「弱点」や「短所」「コンプレックス」「苦手なこと」と考えてください。
「弱点」や「コンプレックス」は、それぞれの人のとらえ方次第です。例えば、足が遅いことを弱点ととらえる人もいるし、重要でないととらえる人もいるでしょう。
本人が気にすることでなければ、それは「バリア」ではありません。つまり、「障害」も「弱点」もその人が生きるうえで「バリア」になっているか次第。困っていないのなら、それはただの「違い」でしかありません。
「バリアバリュー」とは、障害や弱点を価値に変えるという考え方です。
「障害」や「弱点」は、時に「価値」や「強み」となることがあります。例えば、「飽きっぽい」のは「好奇心が旺盛」とも言えますね。また「人と話すのが苦手」なのは「誠実である」とも言えます。「バリア」を「バリュー」に変えるとは、そのように見方や考え方を変えることです。「障害」や「弱点」は克服すべきものと考えるのでなく、ぜひそこに「価値」や「強み」を見つけてほしいのです。
私も、自分のバリアを「強み」に変えていくことで、一歩ずつ歩んできました。人と違うことに価値を見出すことができると、あなたの未来の可能性が大きく広がります。
ためし読みはここまで。いかがでしたか?
多様性の時代、「人と違う」が価値になる時代です。弱みを強みに変えるあたらしい時代の生き方・働き方をぜひこの機会に知ってください。
書籍情報
10歳から知りたいバリアバリュー思考 自分の強みの見つけかた
多様性の時代、「人と違う」「同じことができない」はダメじゃない!
これからの僕らが、幸せに働き、生きるためには、「今」なにをするべきか?
弱点(バリア)と思われがちな特性を「自分だけの価値(バリュー)」にするために必要な考え方が、漫画とイラストで学べる1冊。
著者:垣内 俊哉
- 【定価】
- 1,650円(本体1,500円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- A5判
- 【ISBN】
- 9784046055835