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☆ニュース☆ 星にねがいを!スペシャル短編のお知らせ


「いみちぇん!」「サバイバー!!」あさばみゆきさん人気シリーズ
「星にねがいを!」
その7巻発売&シリーズ完結をきねんして、スペシャル短編が読めちゃうよ!


作:あさば みゆき 絵:那流

定価
770円(本体700円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046320773

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スペシャル短編①(11月号)

※ネタバレ注意だよ! 7巻を読み終わってから読んでね☆


 サマァァア(夏)、来たれりぃ――っ!
 真(しん)ちゃんがアメリカに留学して、ちょうど一年。
 長いお休みの時には、彼が日本に帰ってきてくれてたけどっ。
 この夏は、なぁぁんと、わたしから会いに来ちゃったんだ!
 はじめての、子どもだけの旅行っ。しかーもっ海外!
「まいねーむいず、日向(ひなた)ヒヨ! アイあむトモダチのハウスごー! 7デイズ、オトマリッ、OK?」
 学んできた英語力とイキオイで、空港の税関も、ぶじに突破!

 ここはもう、カリフォールニアはロサンゼールスだ!

「着いたなーっ。長かったぁ~」
「体がなまっちゃうわね」
 ハルルンと冴(さえ)ちゃんも、背のびしたり、肩をぐるぐる回したり。
 スーツケースを引きずって待合ロビーへ向かいながら、夏の空気を胸いっぱいにすいこむ。
 かわいた砂っぽいにおいに、ここは外国なんだなーって、ワクワクしてきちゃうよっ。
「もうおむかえ来てるかなぁ」
「天沢(あまさわ)だけだと、すっぽかされそうだけどな。真がいるんだから大丈夫だろ」
「相馬(そうま)だって、本に夢中でチコク――なんてよくあるわよ」
 これから会える二人の顔を思い浮かべただけで、心臓がバクハツすんぜんだ。
 フツーに歩いてるつもりなのに、足がふわふわしちゃって、天まで飛んでっちゃいそう。
 ひとまず落ちつこうと、リュックから黒いフォーチュン・ノートを出してみた。
「ほら、ビヨスケ~ッ。ここがアメリカだよー! でっかい国だねーっ」
「――あっ! いた!」
 ハルルンが声をあげ、ガラスのかべの向こうを指した!
 わたしとわたしの心臓は、ピョンッと垂直にハネる。
 あわててさがすと、行きかう人の流れのなか、こっちに手をふってるお兄さんたち――。

 いやっ、あれ、真ちゃんと北斗くん!?

 お正月以来の彼らは、背がますます高くなって、キラッキラなお兄さんっぷり!
 ホンモノの二人だ……!
 ど、どどどどどうしようっ。ホントに会えちゃうんだ!
 会ったら何から話そうって、飛行機のなかでさんざん考えてきたのに、どうしたことか。
 頭がまっしろになっちゃった。

 気づいたらスーツケースをほっぽりだし、フォーチュン・ノートだけをかかえて、全力ダッシュ!
「真ちゃぁぁん~~っ! 北斗くぅぅぅ~~~ん!」
 わたしは彼らに向かって、大ジャンプで飛びつ――、

    べちんっ!

「イタァ!!」
 ガラスのカベ! 忘れてた!
 冴ちゃんとハルルンがあわてて追っかけてくる。
 わたしは、真ちゃんのビックリ顔と、その後ろでブハッとふき出した北斗くんをながめながら、ずるるるる……っとガラスをズリ落ち。
 しまいに、どすっとおしりで着地。

「オゥ、ニンジャガール……」
 通りすがりのダレかがつぶやき、歩み去っていった。

 おしゃれなビルが、照りっ照りの太陽の下、まぶしくきらめいてる。
 ヤシの木とネオン看板の街なみ! ひっっっろーい道路! 
 そしてカリフォルニアの北斗くんちも、日本のおうちよりデッカかった!
 ベッドルームも三つもあるから、北斗くんと真ちゃんの部屋、ちゃーんと分かれてるんだって。
 これから一週間は、そこを男子部屋と女子部屋にしてもらっちゃうんだけどねっ。

 おうちに到着してからは、さっそくお庭バーベキュー。
 昼寝したらって言われたんだけど、目がギンギンで、とてもじゃないけどねむれないよ!
 ぶあついステーキが焼けるのを待つあいだ、子どもたちで頭をつきあわせ、旅行中の予定を相談。
 あしたは真ちゃんの大学へ遊びに行って、北斗くんのバスケチームの練習を見に行って。
 あさっては巨大ショッピングモール、しあさっては北斗ママ引率で、ちょっとはなれたとこの遊園地。
 次の日は北斗パパが、ビーチにも連れてってくれるって!

 お肉をガツガツ食べて、庭のゴールポストでバスケ遊びして、お肉が焼けたらまた食べて。
 冴ちゃんもハルルンも、おじさんもおばさんも、みーんな笑ってる。
 北斗くんは、今は家族とうまくやってるみたい?
 親のまえでもちゃんと笑ってて、すっごくホッとした。
 わたしも満腹で、どさっと真ちゃんのとなりに座る。
 彼は、日本から持ってきたガイドブックをながめてたみたい。
「あしたから、予定ギッシリだね。ヒヨたちがフセンをはってきたとこ、ぜんぶ案内したいな」
「ほんと!? 楽しみすぎて、一週間ずーっとねむれないかもっ。ビヨスケに報告すること、山ほどできちゃうねぇ」
 笑いながら目を向ける。
 と、すぐそこに真ちゃんの顔がある。

 ……なんか、すごいな。
 きのうまで、半年もカタい画面ごしだったのに、本物がここにいるんだ。
 ポ~ッと見つめちゃってたら、真ちゃんも本から視線を上げた。
 彼のほうも、わたしをまっすぐ見つめ返してくる。

 ますますオトナっぽくなっても、この夜明け色の瞳(ひとみ)は変わってない。
 毎日毎日毎日、会いたいって想いつづけてた、わたしの大好きな人の瞳だ。
 そう実感したら。
 ……安心してかな、うれしすぎてかな。
 わかんないけど、急にじわぁっと涙がにじんできた。
 楽しい話してたのに、なんたるコトだ!
「おりょっ、ごめ、なんでもなくってね」
 ボロボロボロッと、でっかい涙のつぶが落っこちて、ヒザをぬらす。
 真ちゃんが旅立った日だって、気合いで泣かずにのりきったのに。
 なんで、このタイミングで――っ!
「どうしたんだろ、わたし。止まんなくなっちゃったよ。あはは、ヘンなの」
「ヒヨ」
 真ちゃんは首をかたむけ、手で顔をおおうわたしをのぞきこんでくる。
「ヘンじゃないよ、ヒヨ」
 すぐ間近にひびいた、ちょっとかすれた声。
「……実はね。オレも、ずっと泣きそうなんだ」

「へっ?」
 バッと自分の手をはなしたら、すぐそこ、真ちゃんの瞳が、ほんとにウルッとしてる!
「し、し、真ちゃんっ。ハハハハンカチッ」
 彼がこんな目をうるませるのなんて、えええとっ、いつぶりだ!?
 ビヨスケが消えちゃったときとか?
 自分だってボッタボッタ泣いてるけど、あわててポケットをさがす。

 と、上からバサッと、なにかが降ってきた!?
「おわっ!?」
 いきなり真っ暗になった視界に、まさか昼を夜に変える魔法ではっ! なんて空想しちゃったけど、
「どーぞ」
 北斗くんの声!



 真ちゃんと二人してバッと頭を出すと、わたしたちがつかんでるのは、でっかいバスタオルだ。
 北斗くんはハルルンと冴ちゃんの背を押し、リビングに上がっていく。
「ジャマ者はテッシューすんぞ」
「ならゲームでもやろっかね」
「わたし、相馬と天沢の写真を見たいわ。みんなに送るヤクソクしてるの」
「ハ? 相馬のだけでいいだろ」

 わたしと真ちゃんは、バスタオルをつかんだまま、三人の背を見送る。
 あわわ……、気をつかわせてしまった。
「……いくらなんでも、ここまで大きなタオルはいらない」
「わたしはいるや。だって、半年ぶん、タメにタメたうれしさだもんっ」
 おたがい、自分の目にタオルを押しあてて、息をついたあと。
 二人でちょっと笑った。
 赤くなった目もとが照れくさいや。

「すごいな。ヒヨが本当にアメリカにいるなんて」
「真ちゃん、さっきのわたしとおんなじコト考えてる。さすがはおさななじみだねぇ」
 と、彼はわたしの手をキュッとにぎってきた。
「たしかに、おさななじみだけど」
 真ちゃんの群青(ぐんじょう)の瞳が、ちょっとスネたような色?
 めずらしい表情に、わたしは心臓がドキッと上下にハネあがる。
「今は、それだけじゃないよね」
「――ほへ?」

「つきあってるんだよね? オレたち」

「あっ、はははは、はっ、はい! ソーデスネ!?」
 確かめるように見つめられて、わたしは心臓が爆裂四散(ばくれつしさん)!
 ボンッと頭頂部から噴火した!
「よかった」
 ほほ笑む真ちゃんの、すなおな笑顔。
 も、もう、胸がばっくんばっくん限界で、直視できないよ!

 バスタオルを頭からかぶって、視界をシャットアウト!
 必死に深呼吸して、正気を取りもどそうとしてたら。
 しばらくたって、エンリョがちに、はしっこがめくれた。
「……せっかくヒヨがいるのに、見えないの、もったいない」
「あ、ご、ごめんね!?」
 意を決してタオルをバサァッとどかしたらっ。

 真ちゃん、めっちゃ笑ってるじゃーん!

 こらえきれないってようすで、顔をそっぽ向けて、肩をプルプルふるわせてる。
「ぐぬぅ! 勇気出したのにぃっ!」
「ごめん」
 笑ってる真ちゃんをムゥゥッとながめてたら、じわじわこっちにも移ってきちゃった。
 わたしもブハァッとふきだして、二人して大笑い!
 
 そのうち、どちらからともなく、おでこをコツっとぶつけあった。
「……やっと、おれの彼女に会えた」
「し、真ちゃん。わたしその単語聞いただけで、心臓止まりそうだよ」
「なれて」
 ちいさく笑う声が、くすぐったい。
「が、がんばる……。えっと、わたしもね、か、かかかカレシさんに、ずっと会いたかったよ」
「…………やっぱり、はずかしいね。それに、ヒヨとの関係に名前つけるの、もったいない気がする。ヒヨはオレの、ぜんぶだから」
 まっすぐな彼の言葉に、わたしはまた赤くなっちゃうけど。
 おでこから、真ちゃんのぬくもりが伝わってくる。
 彼の気持ちが、わたしの中ににじんで伝わってくる。
 わたしの大好きって気持ちも、どうか真ちゃんに伝わって、彼の心の奥の深く深くにとけていきますように。
 わたしね、今日からの七日間、めいっぱいにぬくもりをためて、もって帰るよ。

 部屋のなかから聞こえはじめた、みんなの笑い声。
 きらきら、星がまたたくような笑い声だ。

「大好きだよ、真ちゃん」

 心の星のささやきを、大事にそうっと伝えて。
 わたしは幸せでしょうがなくって、涙目で笑った。


 

 


 

★☆。..★。.:*・。★☆。..★。.:*・。★☆。..★。.:*・
真「さて。これからは、キミたちにもがんばってもらわなきゃだね。よろしく涼馬(りょうま)」
涼馬「ご紹介どうも、真さん。『サバイバー!!』の主人公・マメとバディを組む、風見(かざみ)涼馬だ」
真「そっちの世界も……、いきなりのカコク展開らしいね」
涼馬「ああ。サバイバーを目ざす学校で、命がけの訓練に入った。いろいろあるが、マメと仲間と生きのこって、夢をつかみとりたいと思っている」
真「なるほど。ヒヨ風に言うなら『胸の星(きぼう)を信じてる』かな」
涼馬「そのとおりです。みんな、応えん、よろしくたのむ!」
★☆。..★。.:*・。★☆。..★。.:*・。★☆。..★。.:*・

ニュース!

もう読んでる? あさばみゆきさん新シリーズ!

いきなりおもしろすぎると、さっそく話題!
2022年1月発売予定の2巻では
「星にねがいを!」のヒヨたちが……?
まだのアナタは1巻を今すぐチェックだよ☆




あさばさんファンも大満足! サイトに届いたみんなの声の紹介だよ☆

★う、うぉっ!これは・・・これは面白いぞ!ヤバイ!次が気になりすぎるよ〜
(小6 ルリルラさん)
★主人公に対してすごく親近感をいだきました 真っ直ぐな性格に心救われます
(小6 ひなたさん)
★シンプルに涼馬かっけぇ
(中1 さはさん)
★マメちゃんかわいい!!そして涼馬くんめちゃくちゃカッコいい!!♡
(小6 ハリネズミさん)
★はぁ~もう試し読みだけでオモロイの確定やん……
(小6 みあさん)



作:あさば みゆき 絵:葛西 尚

定価
726円(本体660円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046320780

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スペシャル短編は、もう1本あるよ。2021年年末ごろ公開予定!



おたのしみに☆

「星にねがいを!」シリーズ総復習!



作:あさば みゆき 絵:那流

定価
726円(本体660円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046319128

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コチラも好評発売中!


作:あさば みゆき 絵:市井 あさ

定価
726円(本体660円+税)
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サイズ
新書変形判
ISBN
9784046314307

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