連載

  1. ホーム
  2. 連載
  3. 小説
  4. サバイバー!!
  5. 【先行連載】サバイバー!! 第3回

【先行連載】サバイバー!! 第3回


「いみちぇん!」「星にねがいを!」で大人気! 
あさばみゆきさんの新シリーズ「サバイバー!!」を一足早く公開中!

 

「へっ?」

 あたしはポカンと口をあける。

 なんか今の、あたしのこと、知ってたみたいな言いかただった?

「ここはあんたがいていいトコじゃない。今からでも、ふつうクラスに移してもらえ」

 風見(かざみ)(りょう)()は放るようにして、成績表(せいせきひょう)を返してくる。

「なっ、な……っ!?

 なんであたし、いきなり怒られてんの?

 今さっきまでの、好印象さわやか男子はどこ消えた!?

「あ、あたしはっ。将来サバイバーの免許をとって、人を救えるようになりたいの」

「ムリだな。()いてない。あんたは人を救助するより、されるほうだろ」

「ででででも、向いてなくたって、あきらめないよ」

 あわてて言いかえすと、彼はますます瞳を冷たくする。

「オールCのくせに? サバイバーはチームを組んで戦うんだ。こんなに能力の低いヤツが入ったら、ほかのメンバーの命にかかわるんだよ」

どすっ、ごすっ、ぼこっ!

 あたしを正面からぶんなぐってくる、S組エリートのヨーシャないお言葉!

「おい、涼馬。どうしたんだよ、いきなり」

 まわりのクラスメイトたちも、ざわざわし始めた。

「いいか、あんたの成績表は、サバイブ科目にがついてない」

 ぎらり強く光る瞳が、あたしをキビしく見すえてくる。

 た、たしかに。

 うてなのには「守」に、涼馬くんのは「攻」のところに、がついてた。

 手のひらにジワッとアセがにじんでくる。

「このは能力が高いところ、つまり、将来の担当になる科目につく。つまりあんたは、トクイがなさすぎて、担当ワケもできなかったってことだ。そんなの、今まで一度も聞いたことないぞ」

 トクイがなさすぎて——

 まさに、トクイなし子って自覚のあるあたしには、一番ズキッとくる言葉だ。

 ……あたしは去年、サバイバーをめざすって決めて。

 それからずっと、なにかトクイなことを見つけようと、がんばってきたつもりだ。

 だけど努力と根性だけじゃカバーできなくて。

 けっきょく、このCならびの成績……。

 手にした成績表の紙が、くしゃっとゆがむ。

「マメちゃんをいじめんなっ! ボクの親友だぞ!」

 うてながとなりから、涼馬くんにキバをむく。

 あたしは我にかえって、うなる彼女を抱きもどした。

「で、でもさ。訓練は今日からだから。あたしはこれから、自分のトクイを見つける。それで、どれかに担当(パート)をもらうつもりだよ」

「ムダだな。はやくふつうクラスに()けよ、〝担当(パート)ナシ〟」

「変なあだなつけないでよっ」

 ケンカのテンションになってきたあたしたち。

「ちょっと、やめなよ涼馬くん」

「双葉さん、涼馬、ふだんはこんなんじゃないんだよ。気にしないでね」

 間に入ってきたコたちに、キョリを引きはなされちゃった。

 涼馬くんはフンッと鼻をならして、イスを引く。

 あたしも彼に背中をむけ、成績表をつくえの中に突っこむ。

「ほらーっ、もう朝の会を始めるぞー。みんな席つけぇ~!」

 ぱんぱんっと先生がハクシュした。

 みんなちりぢりに、自分の席にもどっていく。

 うてなはまだガルルルルッとノドをならして、涼馬くんをイカク中。

 あたしは……、突然のことに、まだ心臓がバクバクしてる。

 いきなりみんなの前で、イチバン痛いとこ突いてくるなんて、ヒドくないっ?

 念願のS組なのに、なんて出だしだろ。

「さぁて。今日から午後は、校庭で訓練(くんれん)授業(じゅぎょう)だ。五・六年いっしょだが、S組には、学年のあいだで上下カンケーはない。自分の能力、つまりは成績ポイントがすべてになるから――、」

 ぶっとい声で語るのは、いかにもS組の担任ってカンジの、筋肉もりもりマッチョ先生だ。

 ……でもさ。あたし、風見涼馬になんかした?

 話したの、今日が初めてだよね?

 じゃあ本気で、あたしの成績がワルすぎるから、足手まといだって怒ってるのか。

「ね、オールCって、あのコだったんだね。双葉マメちゃん?」

「こら、本人に聞こえちゃうよ。かわいそーじゃん」

 ひそひそ声が、どこからかバッチリ本人まで聞こえてくる。

ずどぉぉぉん……っ。

 ヘコみすぎて、おでこがつくえにくっついちゃいそうだ。

 だ、だけどさ。訓練はこれからだもんね。

 ノドカ兄が待ってるのに、夢のスタートラインであきらめられない。

 あたしは一度落ちた顔を、なんとかグイッと持ちあげた。

 やっぱ、みんなの二倍三倍がんばるしかないっ!

 気合いを入れながら、手もとに目を落とし。

「S組訓練㊙教科書 ※すべて一週間以内に暗記してくること」

 と書かれた、ぶあつ~い教科書に、さっそくギャッと悲鳴をあげた。

 

 

 

<第4回へつづく> 

次回の更新は6月26日(土)を予定しているよ

楽しみに待っててね!

 

 

※実際の書籍と内容が一部変更になることがあります。

 

 

☆第2回サバイバー!!感想コメントが届いているよ!

涼馬くん、格好よすぎるよぉー!!(中1 なもちさん)
好きなのは、ひょいっと成績表を取るとこです!(中1 ANAPOMUさん)
涼馬君にテストを見られたマメちゃんがとても可愛いです。(小5 はるちゃんさん)
「双葉マメ?なんでアンタがs組にいるんだ」ってめっちゃ気になる!(小5 帆夏さん)

たくさん感想ありがとう! いただいたコメントはすべて読ませてもらっています♡
来週はいよいよ訓練スタート…? おたのしみに!


サバイバー!!(1) いじわるエースと初ミッション!

  • 作:あさば みゆき 絵:葛西 尚
  • 【定価】726円(本体660円+税)
  • 【発売日】
  • 【サイズ】新書判
  • 【ISBN】9784046320780

紙の本を買う

  • カドカワストア
  • アマゾン
  • 楽天

電子書籍を買う

  • BOOK WALKER