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ものがたり

【スペシャルれんさい】『星のカービィ ディスカバリー 絶島の夢をうちくだけ!編』第3回 コピー能力進化!前編


大人気ゲーム『星のカービィ ディスカバリー』が、角川つばさ文庫から小説になって登場! 
新世界を駆けぬけたカービィたちの、次なる『絶島』での大冒険を、大ボリュームでためし読みれんさいしていきます!(全5回)
※このお話は、『新世界へ走り出せ!』編のつづきです。ぜひ、『新世界へ走り出せ!編』を読んでから読み進めてください。

◆第3回

ぶき屋ワドルディに呼ばれて、ぶき屋へ行くことになったカービィ。
新世界で見つけた『せっけい図』のおかげで作ることができた、『新しいコピー能力のぼうし』って、いったいなに!?

 

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

 

コピー能力進化! 前編

 

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 ぶき屋のカウンターには、以前と同じく、いくつものぼうしがならんでいた。

 

 カービィは、その前を歩きながら、ひとつひとつのぼうしを確かめていった。

 

「ファイア、アイス、ドリル……あ、これはトルネイドだね。そして、となりは……」

 

 カービィは、ぼうしをながめて、考えこんだ。

 

「ソードみたいだけど……でも、前のとは、形がちがうよ……?」

 

「はい、それが進化です!」

 

 ぶき屋ワドルディは、張り切って言った。

 

「ためしに、すいこんでみてください!」

 

「うん」

 

 カービィは、ソードのぼうしをいきおいよくすいこんだ。

 

 たちまち、カービィの姿が変化した。

 

 右手に、剣。頭には、緑色のぼうし……。

 

 けれど、剣もぼうしも、以前のソードとはまったくちがっていた。

 

 剣は、以前のものとくらべて、はるかに大ぶりだ。

 

 ぼうしは、以前のようなとんがり形ではなく、ごつごつしていて、両側に毛のかざりがついている。

 

 バンダナワドルディが言った。

 

「わあ! 前のソードよりも、ワイルドな感じだね」

 

 ぶき屋ワドルディが言った。

 

「せっけい図によれば、それは、ソードの進化形――ギガントソードです」

 

「ギガント……?」

 

「見た目だけではなく、強さもアップしているはずです!」

 

 カービィは、剣を振ってみた。

 

 ――――ブンッ!

 

 ぶあつい刃(やいば)が空気を裂(さ)き、するどい音を立てた。

 

「ひゃあ!」

 

 バンダナワドルディとエフィリンは、びっくりして、のけぞった。

 

 カービィは、剣をかかげてさけんだ。

 

「すごいよ! 前のソードよりも大きいのに、軽く振り回せる! それに、からだじゅうにパワーがあふれてくるよ!」

 

「よかった!」

 

 ぶき屋ワドルディは、ニコニコした。

 

「パワーアップしたコピー能力があれば、こわいものなしです! 行ってらっしゃい!」

 

「ありがとう。行ってくるよ!」

 

 カービィたちが、ぶき屋を出ようとした、そのとき。

 

 バーンと音を立ててドアが開き、ひとりのワドルディが駆けこんできた。

 

「た、たいへんです、バンダナせんぱい、カービィさん!」

 

 バンダナワドルディは、おどろいて声をかけた。

 

「どうしたの? そんなにあわてて……」

 

「うずが……!」

 

 そのワドルディは、ハァハァと息を切らせて、叫んだ。

 

「あのナゾのうずが、少しずつ大きくなってるんです!」

 

「……え!?」

 

「今、デデデ大王様やメタナイト様が、現場に向かっています。と、とにかく、来てください!」

 

 カービィたちは、あわててぶき屋を飛び出した。

 

☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・

 

 てんぼう台の下で、ワドルディたちは身をよせ合って、ブルブルふるえていた。

 

 メタナイトとデデデ大王は、てんぼう台のてっぺんに立ち、無言でうずをにらみつけている。

 

 みんなが見上げる中、うずは、たしかに大きくなっていた。

 

 カービィたちは、急いではしごを上った。

 

「メタナイト、デデデ大王! うずが大きくなってるって……!?」

 

「……うむ」

 

 メタナイトは、うなずいた。

 

「うずの向こうにいる何者かが力を強めているようだ。それは、おそらく……」

 

 しかし、メタナイトの言葉のとちゅうで、異変(いへん)が起きた。

 

 とつぜん、カービィのからだが宙に浮いたのだ。

 

 うずの方向へ、強い力で引っぱられる。

 

 カービィは、あわてふためいた。

 

「わわわわ!? な、なに!?」

 

「カービィ!?」

 

「ど、どうしたの!?」

 

 バンダナワドルディとエフィリンが、びっくりしてカービィに飛びついた。

 

 うずの力が、ますます強まる。三人は、バタバタしながら、うずに吸いよせられていく。

 

「た、たすけて~!」

 

 とっさに反応したのは、デデデ大王。

 

「どうした、きさまら! おい、まて!」

 

 三人をつかまえようと手をのばしたが、間に合わない。

 

「ひゃあああああ!」

 

 悲鳴を残して、三人はうずにすいこまれてしまった。

 

 

     

ぶき屋ワドルディのおかげで、パワーアップしたコピー能力をゲット! ……と思ったら、また、ナゾのうずにすいこまれてしまった!?
うずの向こうで、カービィたちの、さらなる大冒険が始まります! 次回もおたのしみに!


『星のカービィ ディスカバリー 絶島の夢をうちくだけ!編』れんさい第4回(9月30日更新予定)に続く


作:高瀬 美恵 絵:苅野 タウ 絵:ぽと

定価
792円(本体720円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046321817

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