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ものがたり

【スペシャルれんさい】『星のカービィ ディスカバリー 絶島の夢をうちくだけ!編』第4回 コピー能力進化!後編/うずの向こうは夢の中!?前編


大人気ゲーム『星のカービィ ディスカバリー』が、角川つばさ文庫から小説になって登場! 
新世界を駆けぬけたカービィたちの、次なる『絶島』での大冒険を、大ボリュームでためし読みれんさいしていきます!(全5回)
※このお話は、『新世界へ走り出せ!』編のつづきです。ぜひ、『新世界へ走り出せ!編』を読んでから読み進めてください。

◆第4回

ワドルディの町のてんぼう台のうえにあらわれた「ナゾのうず」に、カービィ、バンダナワドルディ、エフィリンがすいこまれてしまった!
そのようすを、目の前で見ていたデデデ大王とメタナイトたちが起こした行動とは……?

 

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コピー能力進化! 後編

 

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 デデデ大王とメタナイト、それにワドルディたちは、ぼうぜんとしてうずを見つめた。

 

 われに返ったデデデ大王がさけんだ。

 

「追いかけるぞ! オレ様たちも、うずの中に突撃(とつげき)だ!」

 

 しかし、うずは急速に小さくなっていった。

 

 デデデ大王は顔をまっかにして何度もジャンプしたが、うずの中には飛びこめない。

 

「くっ……! なぜだ……!?」

 

「おちつきたまえ、デデデ大王」

 

 メタナイトが言った。

 

「おそらく、あの三人は、フェクト・エフィリスによばれたのだ」

 

「なんだと!?」

 

「フェクト・エフィリスは、エフィリンを手に入れたがっている。そして、カービィとワドルディに対しては、復しゅうを望んでいるのだ。彼らは、フェクト・エフィリスの計画を台無しにしたのだからな」

 

「つまり、フェクト・エフィリスに選ばれた者しか、うずの向こうに行けんということか!? オレ様たちには、なにもできんということなのか!?」

 

 デデデ大王は、じだんだをふんでくやしがった。

 

 メタナイトは言った。

 

「いずれにせよ、君は行かないほうがいい。ふたたび、フェクト・エフィリスに洗脳(せんのう)されてしまう危険があるからな」

 

「なんだとー!? オレ様が、洗脳(せんのう)なんて、されるわけがないだろう!」

 

「……ほほう」

 

 メタナイトにじろじろ見られて、デデデ大王はドキッとした。

 

「い、いや、その……あれは、ゆだんしただけだ! 今はもう、ヤツのやり口がわかっているからな! 二度と、あやつられたりせんわい!」

 

「ここは、カービィたちにまかせたほうがいい。彼らは、前にフェクト・エフィリスと戦い、勝っているのだから。今度も、彼らを信じよう。われわれは、ここでしかできない役割(やくわり)を果たしたい」

 

「……役割(やくわり)だと?」

 

「この世界のナゾや、フェクト・エフィリスについて、調査したいのだ。君にも協力してもらいたいのだが」

 

 デデデ大王は、ようやくおちつきを取りもどして、うでをくんだ。

 

「調査なんぞ、きょうみないわい! まあ、オレ様の力がどうしても必要だと言うなら、協力してやらんでもないが」

 

「感謝する。まずは、ラボ・ディスカバールを調べたい。ID-F86(アイディーエフハチロク)をとらえていた研究所……ということは、きっと、山ほどのデータが残されているはずだからな」

 

「……なるほど。データを調べれば、ID-F86の弱点がわかるかもしれんな」

 

 大王は、目をかがやかせた。

 

「よーし、あっとおどろくような大発見をしてやるぞ! メタナイト、オレ様に続け!」

 

 デデデ大王は、はりきって、てんぼう台から飛び下りた。

 

「行ってらっしゃーい!」

 

「お気をつけて!」

 

 ワドルディたちの声援(せいえん)を受けて、メタナイトもデデデ大王のあとに続いた。

 

 

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 うずの向こうは夢の中!? 前編

 

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「うわあああああ!」

 

 うずの中は、大こんらん。

 

 カービィたちは、なすすべもなく、乱気流(らんきりゅう)にもまれていた。

 

 しばらくして、ようやく、流れがしずまった。

 

 カービィたちは、ふわふわとただよいながら、あたりを見回してみた。

 

 ふしぎな光景が広がっていた。

 

 地面も、空もない。どくどくしい色にそまった空間が、はてしなく続いている。

 

 見ているだけで、不安がこみ上げてくるような光景だ。

 

 その中に、ぽつぽつと、島のようなものがいくつも浮かんでいた。

 

 エフィリンが、声を上げた。

 

「この世界、とっても不安定だ……だれかの夢の中にいるみたい」

 

「え? 夢?」

 

 エフィリンは、あたりを見回して、ふるえた。

 

「それに、この感じ! ボクがフェクト・エフィリスに取りこまれたときに見た世界にそっくりだ!」

 

「……え?」

 

 カービィとバンダナワドルディは、とまどって顔を見合わせた。

 

「絶島(ぜっとう)ドリーミー・フォルガ!」

 

 エフィリンは、早口で言った。

 

「ぜっとー……?」

 

「今、頭の中に、急にその言葉が流れこんできたんだ! この世界の名前だよ。ここは、フェクト・エフィリスの思念(しねん)で作られた世界なんだよ!」

 

「しねん?」

 

「強い思いのこと。メタナイトが予想してたとおりだ……フェクト・エフィリスは、消えてなかったんだ!」

 

 バンダナワドルディは、不安そうにあたりを見回した。

 

「思念の世界……? どういうことか、さっぱりわからないや。むずかしいね」

 

 しかし、カービィはちっともなやむことなく、元気よくさけんだ。

 

「この世界のどこかに、フェクト・エフィリスやレオンがいるってことでしょ? だったら、探しに行こうよ! おーい、来て、ワープスター!

 

 バンダナワドルディは、頭を振った。

 

「それは、むりだよ、カービィ。いくらワープスターだって、こんなところまで来られるわけが……」

 

 けれど、そのとき。

 

 どこからか黄色い星があらわれて、三人のもとへ飛んできた。

 

「……ええ!?」

 

 バンダナワドルディとエフィリンは、おどろいた。

 

 カービィは、笑顔で、ワープスターに飛び乗った。

 

「ワープスターは、ぼくが呼べば、いつでもどこでも来てくれるんだ! さあ、早く乗って!」

 

「う、うん!」

 

 バンダナワドルディとエフィリンも、ワープスターに乗りこんだ。

 

 ぶきみな絶島(ぜっとう)ドリーミー・フォルガも、ワープスターなら、ゆうゆうと進んで行ける。

 

「まずは、あの島から調べてみよう!」

 

 カービィたちは、いちばん近くにある島をめざした。

 

     


デデデ大王とメタナイトは、新世界のナゾをときあかすために、調査スタート!
いっぽう、ナゾのうずにすいこまれてしまったカービィたちも、絶島(ぜっとう)ドリーミー・フォルガで、フェクト・エフィリスとレオンを探しはじめます。
カービィたちが、最初におとずれた島で見たものとは……? 次回もおたのしみに!



『星のカービィ ディスカバリー 絶島の夢をうちくだけ!編』れんさい第5回(10月7日更新予定)に続く


作:高瀬 美恵 絵:苅野 タウ 絵:ぽと

定価
792円(本体720円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046321817

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