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先行ためし読み!『四つ子ぐらし(24) お花畑の五人目の姉妹』第4回


はじめての姉妹旅行で、四つ子たちは海辺の花畑へ! はじめての新幹線と、はじめての姉妹だけのお泊まりにわくわくいっぱい!! でも、泊まっていたホテルで、姉妹そっくりの顔をした女の子の写真を見つけてしまって……!?
ドキドキの展開の24巻を、どこよりも早く先行ためし読みで読んじゃおう!



姉妹でめいっぱい観光を楽しんだ後は、ホテルにもどってお風呂に入って、夕ごはん!
でも、はじめてのバイキングだから、どんなふうにお料理を取ってくればいいのか分からなくて……?



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先行ためし読み第4回
『ホテルでバイキング!』

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 楽しい一日をすごしたあとは、ホテルにもどって、まずはお風呂。

 ゆっくりと温泉につかって、おそろいの浴衣を着て、お待ちかねの夕ごはん。

 ホテルのレストランで、バイキングだ。

「ホテルによっては、浴衣でレストランに行くのはあかんかったりするんやけど、このホテルは旅館っぽいホテルやからOKやな」

 じゅうたんの敷かれたろうかを歩きながら、二鳥ちゃんが教えてくれた。

「ホテルによってもルールがちがうのね」

「ホテルのスタッフさんに確認すれば確実ですね」

「なるほど、そうだね」

 なんておしゃべりしていたら、レストランに到着。

「「「「おぉ~!」」」」

 広いレストランに入って、私たち四つ子は同時に歓声をあげた。

 ずらりと並ぶ大きなお皿には、いろんな種類のおいしそうなお料理がいっぱい!

 どれを食べようか、目移りしちゃいそうだ。

 でも、それ以前に……。

「これ、どれでも食べていいんだよね? どのお皿にどうやって入れたらいいんだろ……?」

 私は、バイキングでお料理を食べるのは初めてだ。

 お皿を持って、そこに食べたい料理を食べたいだけのせて、席にもどって食べればいい、ってことはなんとなくわかるけど……。

「こういうの、決まりとかコツとかあるのかしら? みっともないマネはできないわよ……」

 一花ちゃんも、ちょっぴりとまどっているようす。

「え? そんなん適当でええんちゃうの?」

 って、二鳥ちゃんは首をかしげてるけど、本当にいいのかな?

 お料理を取りに行くのをためらってしまったとき。

「こんなこともあろうかと、スマートにバイキングを楽しめる方法を調べてきました」

「「「おおっ」」」

 私たち姉三人は、たのもしく言った四月ちゃんに注目した。

 四月ちゃんは人差し指をピンと立て、バイキングのコツを教えてくれた。

「まずは、お皿を持たずに、お料理を見て回りましょう。どこにどんな料理があるのかチェックすることで、おいしそうな料理を見のがしてしまうことをふせげます」

「なるほど。まずは作戦を立てるってわけね」

 なんて言って、一花ちゃんがニッと笑う。

「お料理を取るときは、ざっくりとですが、温かいものは温かいものどうし、冷たいものは冷たいものどうし、というふうにお皿を分けると、おいしさが保たれて効率的です」

「あっ、そうか。サラダやマリネが生ぬるくなったり、ハンバーグやグラタンが冷たくなったりしたらイヤやもんな」

 二鳥ちゃん、何度もうなずいて納得してるみたい。

「お料理を取るときは、専用のトングを使い、使いおわったら元の場所にもどしましょう。また、バイキングでは、何度お料理を取りに行ってもかまいません」

「えっ、そうなんだ。何度も取りに行くのは、あんまりよくないのかと思ってたよ」

 意外な気持ちで、私は目をみはった。

「いいえ。むしろ、一度にたくさんお料理をお皿に盛ると見苦しくなるので、一度に取る料理の量はひかえめにしたほうがスマートなのだそうです」

「「「なるほど~」」」

 一花ちゃん、二鳥ちゃん、私は、声を重ねてうなずいた。

「勉強になるわ。ありがとう四月」

「そしたら、バイキング、スタートや!」

「「「おーっ」」」

 元気いっぱい、私たちはバイキングを楽しんだ。

「ねえ見て。この茶碗蒸し、花びらがのってるわ」

「これ多分、エディブルフラワーや。食べられるお花やで」

「ええっ、そんなのあるの?」

「初めて知りました……! あっ、こっちには、ユリ根のお料理がありますよ」

「えっ、ユリ根ってなんなん?」

「私、知ってるわ。文字どおり、お花のユリの球根でしょう。食べられるのよね」

「そうなんだ!? どんな味なんだろう? 食べてみようかなぁ」

「海辺の花畑のそばのホテルだから、お花に関係するお料理があるんですね」

 四人いっしょに、食べたいお料理を食べたいだけお皿に取って、席にもどったら、

「「「「いただきまーす!」」」」

 四人いっしょに手を合わせて、さっそくいただく。

 昼間、たくさん海辺の花畑を歩きまわったから、おなかはペコペコだ。

 お花に関係する料理以外にも……。

 からあげに、ポテトサラダ。

 ハンバーグに、白身魚のムニエル。

 パスタに、ピラフに、エビフライなどなど、おいしいお料理がいっぱい。

 デザートもジュースも、たくさん種類があって大満足だ。

「おいしい!」

「うん、おいしいね」

 笑顔でうなずきあう、二鳥ちゃんと私。

「ユリ根って、じゃがいもみたいな食感なんですね」

「エディブルフラワー、紫色で、とってもきれいね」

 初めてのお料理に舌つづみを打つ、四月ちゃんと一花ちゃん。

 私たちは、心ゆくまでバイキングを楽しんだんだ。

 

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「「「「ふ~……」」」」

 おなかいっぱい夕食を食べたあとは、お部屋にもどってのんびり。

 お布団は、もうホテルの人が敷いてくれていたんだ。

 私と四月ちゃんは、ソファで横になって。

 一花ちゃんは、窓から夜の景色をながめてる。

「あっ、見て。こっちに湯わかしポットがあるで。ピッカピカのグラスやマグカップも、紅茶や緑茶のティーバッグも――ああっ、冷蔵庫にサイダーとオレンジジュースが入ってる! 自由に飲んでええんやって!」

 二鳥ちゃんはまだまだ元気で、お部屋にどんなものがあるかチェックしてる。

「私、もう入らないわ」

「私も~……」

「明日にしましょうよ」

 なんて言って、私たちは笑った。

 そのうち、二鳥ちゃんが、

「なあなあ、一階のロビーに行かへん?」

 って言いだした。

「おすすめスポットの写真が飾られてて、とてもステキで評判なんやって、従業員さんが言うてたやん? 見に行こ!」

「そうね。私はいっしょに行ってもいいけど」

「私も気になるけど……ごめん、食べすぎちゃったみたい。お部屋でお留守番してるよ」

「僕もです」

 というわけで、一花ちゃんと二鳥ちゃんが出かけることになったんだ。

「ほんならちょっと行ってくるわ!」

「すぐもどるわね」

 二人が出かけると、部屋はシーンとなった。

 私は、さっきまで一花ちゃんが立っていた窓辺に近づいて、夜空を見上げた。

「あ、四月ちゃん、見て。星が見えるよ」

 声をかけると、

「本当ですか?」

 と、四月ちゃんがとなりに来て、いっしょに星空をながめる。

「本当ですね。キラキラしていてきれい……」

「今日は、いい天気だったもんね」

「夜空にも雲がなくて、星がよく見えるんですね」

 そうしてしばらく、静かな夜の時間が、ゆっくりとすぎて。

「……ありがとうございます」

 遠くのほうに目を向けたまま、四月ちゃんがポツンと言った。

「え?」

 私はびっくりして、思わず聞きかえす。

 四月ちゃんは、落ちついたおだやかな口調で、気持ちを教えてくれた。

「小学校の修学旅行のことを思いだしていたんです。僕の小学校は、一学期に修学旅行があったから、英莉ちゃんはまだ転校してきていなくて……僕は一人ぼっちで」

「……そうだったんだ」

 四月ちゃんは、小学生のころ、学校でも施設でもいじめられていたんだよね。

 ただ一人の友達だったという古川英莉ちゃんは、六年生の三学期に転校してきた子だから、修学旅行ではいっしょじゃなかったんだ。

 楽しいはずの修学旅行なのに……。

 一人ぼっちだったなんて、さみしかっただろうな。

 私まで悲しくなったとき、四月ちゃんが、さらに言った。

「僕は友達がいなかったので、その修学旅行もまったく楽しくなかったのですが、今日、姉さん

たちといっしょの旅行はすごく楽しかったです。旅行って、こんなに楽しいんだなって思いました。ありがとうございます」

 それを聞いて、私はホッとした。

「こちらこそ、ありがとう。私も、四月ちゃんや、お姉ちゃんたちといっしょで、とっても楽しかったよ」

 そう言うと、四月ちゃんもうれしそうに笑う。

 さみしい思い出を、楽しい思い出で上書きして……。

 そうやって、だんだんと、四月ちゃんの辛い記憶がうすれていけばいいな。

 あったかい空気になった、そのとき。

 ――ガチャッ!

「三風ちゃん!」

「四月!」

 突然、部屋のドアが開く音がして、二鳥ちゃんと一花ちゃんの声が飛びこんできた。

 どうしたんだろう?

 二人とも、すごくあせっているみたい。

「に、二鳥ちゃん?」

「一花姉さんも、どうかしたんですか?」

 問いかけながら、四月ちゃんと二人で、部屋の入り口に向かう。

「えらいもん見つけてしもた……!」

 そこには、血相を変えた二鳥ちゃんが立っていた。

 となりで、一花ちゃんもこわばった顔をしている。

 あたりに不安の影が落ちたとき、一花ちゃんが、私と四月ちゃんに言った。

「とにかく二人ともちょっと来て。確認したいことがあるの」

 一体、何事だろう?

 わからないまま、私と四月ちゃんはうなずいて。

 そして、一花ちゃんと二鳥ちゃんについて行くようにして、部屋を出たんだ。


楽しいこととステキなことでいっぱいの一日の終わり……かと思ったら、いったい、何があったの!? 一花と二鳥が『見つけたもの』っていったい、なに!!?
次回『同じ顔の少女』をおたのしみに!(11月13日(金)更新)

書籍情報


作: ひの ひまり 絵: 佐倉 おりこ

【定価】
968円(本体880円+税)
【発売日】
【サイズ】
新書判
【ISBN】
9784046324214

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