角川つばさ文庫の人気シリーズ『世界一クラブ』最新21巻が、もうすぐ発売!
発売前にドドンと先行ためし読みしちゃおう!
世界一の特技をもつ小学生5人による〈世界一クラブ〉。
怪力のすみれが、光一を巻き込んで大爆笑の力わざケーキ作りに挑戦!?
和馬の家に一人で行ったクリスはトンデモない家族とあぶないヒミツの部屋を目撃!?
そして健太と光一は、学校の七不思議のナゾにいどむ⁉
ドキドキ&笑いがいっぱいの、事件3本立て・最新刊!(公開期限:2026年12月31日(木)23:59まで)
『世界一クラブ 大変身!? 七不思議のスぺシャル・ショー☆』
(大空なつき・作 明菜・絵)
10月7日発売予定!
『クリスの風早家訪問!?』
1 和馬へのお届けもの?
ぱたん
「……はあ、おもしろかった!」
日野クリスは、読みおえたばかりの本を閉じると、小さく息をついた。
もう二、三人しかいない放課後の教室は静かすぎて、ドキドキしている心臓の音が、外まで聞こえてしまいそうだ。
この三日間、空き時間に熱中して読んじゃったな。
『忍びの影、闇を斬る!』
忍びの主人公が大活やくする、冒険小説!
「徳川くんのおススメだけあって、おもしろかったな。たしか、忍びについて調べたときに見つけた本だって言っていたっけ」
九十九代目の忍びに生まれた主人公が、昼は中学生、夜は忍びとしてキケンな任務に挑むの。
全国にいる他の忍びとバトルして仲間にしていくんだけど、途中から仲間が増えすぎて、仲間に会うたび「だれだっけ?」って、長い巻物の名簿で確認しないといけなくなっちゃって!
本の中身を思いだしながら、荷物を手に、うきうきと席を立つ。
「たった一人の親友の裏切り展開も、ハラハラしたな。ラストでいいなずけの子を助けるところも、かっこよくて。家族もみんな忍びで、おうちはお屋敷で、ヒミツの部屋があって……」
そういえば、あのおうち、風早(かぜはや)くんのおじいさんの達蔵(たつぞう)さんの家に、ちょっと似てたな。
もしかして、風早くんの家にも、小説に出てきたようなヒミツの部屋があったりするのかな?
まさか、いいなずけもいちゃうとか!?
「きゃっ!」
廊下に出て、だれかとぶつかりそうになった瞬間、人影が、すばやく後ろに下がる。
黒っぽい服に、すらりとした長身。
切れ長の目をした、〈世界一の忍び少年〉。
風早くん!
「ご、ごめんね! わたし、ぼうっとしてて……風早くんは、今帰るところ?」
「……ああ。日直が終わったからな」
和馬(かずま)が、静かに答える。
ううっ。さっきまで忍びの本を読んでいたから、なんだか緊張しちゃう。
あれはただの作り話で、風早くんのことじゃないのに!
「ええっと、き、気をつけてね。また明日」
「……ああ」
そっけない返事とともに和馬が歩きだすと、クリスは小さく胸をなでおろす。
はあ、びっくりした! まさかこんなタイミングで風早くんに会うなんて。
心の中で忍びについての小説で盛りあがっていたこと、気づかれてないよね?
もし知られちゃったら、少しはずかしいな。
「……そういえば」
階段のほうへ遠ざかる背中を見ながら、ぽつりとつぶやく。
家での風早くんって、どんなかんじなんだろう。
音楽を聴いたり、本を読んだりしてるのかな?
どんな部屋なのか、想像もできない。すみれに徳川くん、健太の家には遊びに行ったけど、風早くんの家には入ったこともないし――。
「あーっ、風早くん。もう帰っちゃった!?」
隣の教室から、今度は、ポニーテールの女の子が飛びだしてくる。
二組の図書委員で、バスケットボールクラブの星野美咲だ。
「あっ、日野さん! 風早くんを見なかった? わたし、風早くんをさがしてるの!」
「ええっと、それなら、たった今、廊下の向こうに……」
すでにだれもいなくなった廊下をクリスが指さすと、星野は、深いため息をついた。
「はー、間に合わなかった。風早くん、帰るの早すぎるよ。困ったなあ」
「何か、風早くんに用事?」
「うん。じつはね、帰りのホームルームで配ったプリントが一枚足りなくて、風早くんに今日の国語の宿題を渡せてなかったみたいなの」
星野が、手に持ったプリントを、ひらひらと揺らした。
「はあ。このままだと、風早くんが明日宿題を忘れることになっちゃうよ。どうしよう〜」
「スマホで連絡してみたらどうかな? それか、家にプリントを持っていくとか……」
「うーん。でも、わたしは連絡先も家も知らないんだよね。クラスに残ってる子も、だれも知らないんじゃないかな。風早くんと仲がいい子って、そんなに多くないから……あっ!」
大きな声とともに、星野に肩をつかまれる。
クリスをじっと見つめる目は、期待でキラキラと輝いていた。
「日野さんって、風早くんとけっこう仲いいよね? 家の場所も知ってるんじゃない? お願い! 今から、代わりに、風早くんの家にプリントを届けに行ってくれない!?」
「えっ。わ、わたしが!? たしかに、家の場所は知ってるけど……」
風早くんの家に? しかも、一人で!?
「そ、それは、さすがに気まずすぎないかな? 風早くんも、びっくりするんじゃ……」
「星野せんぱーい」「早く体育館行きましょ!」
廊下の先から女子が二人走ってくると、星野は、持っていたプリントをクリスの手に、さっとにぎらせた。
「すぐ行く! ごめんね、日野さん。バスケクラブの後輩が来ちゃった! それじゃあ、本当に悪いんだけど、よろしくね。また明日!」
「えっ、あっ、あの!」
バタバタバタ!
呼びとめる前に、星野はクラブの後輩といっしょに、あっという間に消えてしまう。
一人になった廊下で、クリスは力なくつぶやいた。
「い、行っちゃった……」
手の中にある一枚の紙を見下ろす。
『六年二組 国語 宿題プリント』
「……ウソよね?」
信じられない――。
本当に、わたしが届けに行くの? 風早くんの家に、一人で!?
クリスの風早家訪問、どうなるのー!?
続きは10月7日発売の新刊
『世界一クラブ 大変身!? 七不思議のスペシャル・ショー☆』を
チェックしてね!(^^)
★次回予告/先行ためし読み〈第3回〉★
健太と光一が
学校でお菓子が食べ放題の
ハロウィン・パーティーを企画!?
お楽しみに!
書籍情報
- 【定価】
- 968円(本体880円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 新書判
- 【ISBN】
- 9784046323934
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