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【先行ためし読み!】『くいなちゃんはゾンビ!』 第7回


【主人公が●んじゃってる】なんて……そんなのアリ!?
ごくフツーの小学生だったはずなのに、目が覚めたらゾンビになっちゃってた、くいなちゃん。それでも気を取りなおして、学校に通うことにしたんだけど、ちょ~たいへん!毎日がハラハラドキドキそして大爆笑(なんで!?)だらけ。次の章でなにがおきるか、まっったく予測不能な、最強ゾンビガール学園コメディ。しかも、な、なんとさし絵イラストがカラー!!みんな、ぜったいぜったい、見ててよねっ!




 

7 人気ナンバー1男子の熱烈コクハクッ!?



 ぶじに、わたしの足はくっついた。

 すると、とわちゃんは、またどこかへ消えちゃった!


 着がえてから、頼人(らいと)くんと教室へもどると、まだ6時間目は、はじまってない。

 大日南(おおひな)さんが、心配そうに話しかけてくる。

「存美(ありよし)さん! 足をくじいたって言ってたけど、だいじょうぶだった?」

「うん、なんとか平気だよ」

「よかったね! シューズが、あんなにすっぽ抜けてたし、どうなったのかと思ったよ~」


 そうだよね。まさか、足がとれちゃったなんて、考えないよね? ふつうは……。

 さわぎになっていないみたいで、ホッとした。


 ほかに気になるのは、黒羽(くろばね)くんかな?

 わたしの強烈なシュートを、一番近くで見たワケで……。


 教室を見まわすと、黒羽くんは、自分の席にすわっていた。

 ……って、黒羽くんのほうも、わたしを見てる!? 目があっちゃったよ!

 しかも、なんだか真剣な表情だ。いつも、にこやかなのに。


 黒羽くんが、すくっと、席から立ちあがった。

 わーっ! こっちへくる!

 でたらめな威力を怪しんでるとか?

 ひょっとして、足がとれちゃったことに気がついてたり……?


「なあ。存美さんって、本当に、まったくサッカー経験ないのか?」


 黒羽くんの口調は、おだやかだ。

 怪しんでるって感じは、しないけど……。


「うん。まともにやったのは、今日がはじめてだよ」

「そうか。たしかに、動きはシロウトだったもんな。シュートの威力は、とんでもなかったけど」

「あ、あはは……まぐれだよ、まぐれ!」


 意味なく笑ってごまかそうとしながら、助けをもとめて、となりにいる頼人くんを見る。

 でも頼人くんも、どう言っていいか、わからないみたい。

 と、黒羽くんが、ポツンと言った。


「……存美さんが、ほしい」


「はっ?」

「えっ!? 黒羽おまえ、なに言っ……!」

 頼人くんが、急にあわてだした。



「うちのクラブに、入ってほしい」

「あ、そういう意味?」

 黒羽くんのセリフのつづきをきいて、頼人くんのワタワタした動きが止まる。


「……って、クラブに入ってほしいって!? サッカーの?」

 こんどは、わたしがあわてる番だった!


「そう。うちのクラブ、守備はいいけど得点力が低いんだよ。存美さんのシュートがあれば弱点をカバーできる。もっと上をめざせる! おれのこんな近くにダイヤの原石がいたなんて、うかつだった……!」


 な、なに言ってんの、黒羽くん!

「いやいや! わたし、シュート以外は、まったくのシロウトで……」

「そんなの、練習すればいいんだ。おれも協力するし!」


 黒羽くんの声が熱っぽくなってきた!

 まずい、まずいなぁ。

 サッカーのクラブに入るって、ありえないよ~!

 サッカーは、スキでもキライでもないけど……。


 このゾンビの体で本格的にサッカーをやるのは、ムリだよ。体育の時間だけなら、ともかく。

 あの強烈なシュートで、だれかをケガさせちゃうかもしれないし、手足だって、またとれちゃうかもしれない……。

 よし! こういうときは、はっきり断ろう!


「ごめんね、黒羽くん。わたし、クラブに入ってまで、サッカーをやる気はないんだ」

 両手をあわせて、黒羽くんにぺこっと頭を下げた。

「そうか! まあ、そうだろうと思ってたよ。いきなりクラブに入ってくれって言われても、むずかしいよな!」

 おや?

 意外な反応だ。ぜんぜん、ざんねんそうに見えない。

「でも、時間はあるから。おれ、存美さんが興味を持ってくれるように、全力でサッカーの魅力を伝えるよ!」


「は、はいぃ?」

 黒羽くん? なんだか、目がキラキラしてますけど!?

「まずは、サッカーのマンガやゲーム、明日持ってくるから! 返すのはいつでもいいよ。あと、サッカーのスーパープレーを集めた動画を、見てもらうのもいいな!」

「ええっとぉ~」

「そうして、サッカーを好きになってくれて、うちのクラブに入ってくれればいいから! 存美さんさえいれば、来年は、全国大会も夢じゃないな!」


 めちゃめちゃ燃えてるーっ!

 入るなんて、ひと言も言ってないのに! 前むきすぎるよ、この人!


「ってことで、これからよろしくな、存美さん!」

 ダ、ダメだ。黒羽くんのいきおいに、勝てない……。

「う、うん。でも、クラブに入るって約束は、できないからね……」


 そんな返事をしたわたしを、頼人くんが、ジロリと見てくる。

 断るなら、きっぱり断りなよ……と言いたげだ。


 でも、これ以上キョヒするなんて、できないって!

 うううう、ややこしいことになっちゃったかも……。


第8回につづく

↓本には、こんな感じで、もっと楽しいしかけがいっぱい! 絶対見てね♫





書誌情報


作: 平河 ゆうき 絵: からあげたろう

定価
880円(本体800円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046324061

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