『星のカービィ 夢幻の歯車 霧に包まれた大事件!?』発売延期のお知らせ
2026年7月8日の発売を予定しておりました角川つばさ文庫『星のカービィ 夢幻の歯車 霧につつまれた大事件!?』につきまして、制作上の都合により、発売日を2026年8月5日に延期させていただきます。
楽しみにお待ちいただいている読者の皆様には多大なるご迷惑をおかけいたしますことを、心よりお詫び申し上げますとともに、発売まで今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。
角川つばさ文庫編集部
2026年8月発売予定の小説『星のカービィ 夢幻の歯車 霧につつまれた大事件!?』が、どこよりも早く読めちゃう、先行ためし読みスタート!
大人気発売中の『星のカービィ 夢幻の歯車を探せ!』に続く、飛行機乗りのカービィのお話だよ。いつものプププランドとはちがう、別の世界の物語の世界へ飛びこもう!
◆第5回
チョコレート・タウンをつつんだ霧の事件の犯人は、マホロア…?と思われていたけれど、実はそうではないみたい!? 真相を追って、メタナイト、ドロッチェ、マホロアが動き出します!! まず、狙いをさだめたのは…名探偵見習いの、かわいいあの子!?
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犯人は、だれだ
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次の日。
エフィリンは似顔絵を持って、かぜのまちじゅうを飛び回っていた。
「すみません、このひとを見ませんでしたか?」
道ゆくひとびとに、マホロアの似顔絵を見せてたずねたが、成果はなし。
マホロアを見たという者は、一人もいなかった。
夕暮れになっても、手がかりはまったくつかめない。
つかれきったエフィリンは、公園のベンチにすわりこんで、ため息をついた。
「うーん……ひょっとして、もう、この街から出て行っちゃったのかな?」
日が暮れて、風が冷たくなってきた。
エフィリンは、ポケットからチョコクッキーを取り出した。
今朝、ドロッチェが「今日のおやつだ」と言って持たせてくれたものだ。
たくさんあったのに、これが最後の一つ。
最後のクッキーをだいじに食べ終えると、エフィリンは、またまた深いため息をついた。
「はぁ……もう、今日は終わりにしよう。デデデ社長さんが、晩ごはんを食べに来いって言ってくれてたっけ」
そんなことを考えていたときだった。
公園の木立の間を、スッと通り過ぎる影が見えた。
青い耳つきのフードを深くかぶり、白いマントをはおっている。
そして、重そうなスーツケースを引きずっていた。
「……え!?」
エフィリンはあせって、似顔絵を見直した。
「青いフード……白いマント……スーツケース! まちがいない! マホロアだ!」
エフィリンは飛び上がり、大きな耳をパタパタさせて、マホロアを追いかけた。
「待て、マホロア!」
大声を上げると、マホロアは振り返り、ニヤリと笑って走り出した。
「わあ、待てってば!」
エフィリンは全力でマホロアを追いかけた。
マホロアは、すばしっこく逃げて行く。
どんどん、人気のない方向へ進んでいることに、エフィリンは気づかなかった。
にぎやかな通りだったら、エフィリンの声を聞きつけて、追跡に協力してくれる者がいたかもしれない。
けれど、マホロアは暗い裏通りや、川沿いの荒れた道ばかり選んでいる。
あたりには、まったく人影がない。
エフィリンは、すぐに、ヘトヘトにつかれてしまった。
はぁはぁと息を切らせて、つぶやく。
「見失っちゃった……しかたない、今日はもうあきらめて、晩ごはんを食べに……」
と、そのとき。
見失ったはずのマホロアが、またしても姿を見せた。
少し先の横道を、ふわふわと飛ぶように行き過ぎたのだ。
「あ、見つけた、マホロアだ! 待てぇ!」
エフィリンは力を振りしぼって、マホロアを追いかけた。
そんなことを、幾度、くり返しただろう。夜はどんどん、ふけていく。
エフィリンは、すっかり、くたびれきってしまった。
けれど――。
「もう、一歩も動けないや。カービィのアパートに帰ろう……」
と思うと、必ずマホロアが姿を見せるのだ。
すぐ手の届きそうなくらい、近いところに。
そうなれば、どんなにクタクタでも、追いかけざるをえない。
なにしろ、エフィリンは名探偵見習いなのだから。
「待……てぇ……マホ……ロア……」
弱々しい声を上げながら、エフィリンは、夜が明けるまでマホロアを追い続けたのだった。
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さて、その日もドロッチェ・カフェは、朝早くから開店していた。
朝の人気メニューは、日替わりモーニングセット。
今朝は、スクランブルエッグとトーストに、たっぷり自家製ジャムだ。
カービィが、モーニングセットを運んできたドロッチェに、心配そうに言った。
「ねえ、ドロッチェ。エフィリンを見なかった?」
「え? エフィリンが、どうかしたのか?」
ワドルディが言った。
「昨夜、デデデ社長の家にごはんを食べにおいでって言っておいたのに、来なかったんです」
「ふーん……あの子、まじめだからなあ。きっと、晩メシもわすれて、マホロアを探し回ってたんだろう」
ドロッチェはそう言ったが、カービィが頭を振った。
「だけど、一晩じゅう、帰ってこなかったんだよ。ぼくのアパートに泊まることになってるのに」
「え? つまり、行方不明ってことか?」
ドロッチェは、おどろいた表情になった。
デデデ社長が、けわしい顔で言った。
「まさか、逆に、マホロアにつかまってしまったんじゃないか? そうだとしたら、ほうってはおけん。助けに行かねば」
「そんな……まずいな」
ドロッチェが、心配そうな声を上げたときだった。
ドアが開いて、マルクが入ってきた。
「おはよう、ドロッチェ。煙突掃除に来たのサ」
「ああ、おはよう、マルク」
「ん? どうかしたのかい? みんなで、暗い顔して……」
マルクがみんなを見回したとき、とつぜん、店の電話が鳴り出した。
デデデ社長が叫んだ。
「エフィリンじゃないか!? どこかで、迷子になってるのかもしれんぞ!」
「そうだな」
ドロッチェは、緊張した様子で、電話に出た。
「もしもし……え? ああ、なんだ、メタナイトか。どうかしたのか?」
ドロッチェは、サッとけわしい表情になった。
「なんだって!? また、盗難事件が? 今度は、三軒先のお屋敷がやられた? わかった、こっちでも、なにかわかったらすぐ知らせるよ」
ドロッチェは電話を切った。
デデデ社長がたずねた。
「また事件か?」
「ああ。ひかりのまちでは、まだ霧が晴れてないんだ。同じ手口の盗難事件が、昨夜も起きてしまったようだ」
かまどのほうへ向かおうとしていたマルクが、しずんだ声で言った。
「マホロアってヤツが、また盗みに入ったんだな。早くつかまってほしいのサ……」
ワドルディが、不安そうに言った。
「やっぱり、警察に話したほうがいいんじゃないでしょうか。マホロアを、指名手配してもらうとか……」
デデデ社長が、ムッとして叫んだ。
「あの署長の手柄にはさせん! マホロアは、オレ様の手でつかまえてやるのだ!」
「社長、そんなことを言っている場合では……」
と、そこへ、ドアが開いた。
入ってきたのは、エフィリンだ。
ヨレヨレにつかれ果てている。
「エフィリン!?」
カービィが叫んで、駆けよった。
エフィリンはぐったりと、カービィのほうへ倒れこんだ。
「どうしたの!? しっかりして!」
カービィは両手でエフィリンを抱きとめた。
エフィリンは、苦しそうに呼吸をしながら、言った。
「うう……マホ……マホ……ロア……が……」
デデデ社長が、おどろいて叫んだ。
「マホロアだと!? エフィリン、まさか、マホロアにやられたのか!?」
「う……ううん……逃げられ……ちゃった……」
「……なに?」
「ボク……追いかけ……た……のに……」
ドロッチェが、コップに水をくんで、エフィリンに渡した。
「どうしたんだ、エフィリン。これを飲んで、おちついて、話してくれ」
「……うん……」
エフィリンは水を飲み、ようやく、しっかりした口調で話し始めた。
「昨日の夕方、公園で、マホロアを見つけたんだ。それで、追いかけたんだけど、なかなか追いつけなくて……一晩じゅう追い続けたんだけど、結局、見失っちゃったんだよ」
「……え?」
ワドルディが、目をぱちぱちさせて、エフィリンにたずねた。
「一晩じゅう? 朝までずっと、マホロアを追いかけていたって言うの?」
「うん。見失ったと思ったら、またすぐに見つけて……もうクタクタだったけど、逃がすわけにはいかないと思って……」
「なんだって!?」
ドロッチェが、大げさにおどろいた。
「それは、おかしいな! だって、昨夜もひかりのまちで、盗難事件が起きたんだぜ。エフィリン、マホロアがひかりのまちへ向かうのを見たか?」
エフィリンは、首を振った。
「え? ううん。ボク、一晩じゅう、かぜのまちを飛び回ってたんだよ。マホロアを追いかけて……」
「つまり、エフィリンは一晩じゅう、マホロアに張りついてたんだな?」
デデデ社長が、混乱した顔で言った。
「どういうことだ? マホロアは、昨夜、ひかりのまちには行かなかったのか?」
ドロッチェが叫んだ。
「ああ、そうらしい。なんてこった、マホロアは、犯人じゃなかったんだ!」
――と、そのとき。
マルクが、くるりと向きを変え、ひとりごとのように言った。
「おっと、話をゆっくり聞いてるヒマはないのサ。早く、煙突を掃除しなくちゃ。忙しい、忙しい」
マルクは、いそいそとキッチンに向かっていった。
ドロッチェは、その姿をチラッと見て、小さくつぶやいた。
「さあ、これでマホロアに罪を着せることはできなくなったぜ。どうする、マルク?」
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かまどの煙突の中では、マルクが、あせりまくっていた。
「マホロアァァァ……あのバカめ! まさか、エフィリンみたいなヘッポコ探偵に見つかるなんて! そんなマヌケとは思わなかったぜ!」
マホロアに霧発生装置を押しつけ、罪をなすりつけたはずだったのに、大失敗だ。
となれば、作戦変更。新たな手を考えなければならない。
「急いで、新たな容疑者を作らないとな! おあつらえ向きなのは……アイツしかいないのサ!」
マルクは、煙突を掃除しながら、作戦を練り始めた。
マホロアは、犯人じゃなかった! 真犯人・マルクは、このあと、どんな手を打ってくるのか? そして、マルクは、何のためにこの事件を起こしたのか…?
真相は、2026年8月5日発売予定のつばさ文庫『星のカービィ 夢幻の歯車 霧につつまれた大事件!?』でたしかめてね!
『星のカービィ 夢幻の歯車 霧につつまれた大事件!?』は2026年8月5日発売予定!
- 【定価】
- 880円(本体800円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 新書判
- 【ISBN】
- 9784046323972
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- 【定価】
- 814円(本体740円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 新書判
- 【ISBN】
- 9784046323590
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- 【定価】
- 1,320円(本体1,200円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- B6判
- 【ISBN】
- 9784041116197
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