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【先行ためし読み!】『ふたごチャレンジ!』12巻 第3回 もうすぐ!! なのは……


挑戦したいんだ。自分の好きなことを「好き」って言うために。言いつづけるために。
いつもチャレンジしつづけるふたごのあかねとかえで。今回は、めっちゃ楽しい林間学校編!
なんたって、緑田小のみんな――鈴華ちゃんや凜ちゃんやさわや莉々乃ちゃん、藤司や吉良くんや真壁のほかに
あざみ小の子たち――そう、太陽もいっしょに行くんだから‼
いつもとはちがう経験がいっぱい、いつもなら見られない表情もいっぱい‼ トキメキもい――――っぱい‼‼なスペシャルな1冊。
先取りでためし読み、どうぞ‼ 読むときっと元気になっちゃうよ。(公開期限:2026年11月30日(月)23:59まで)





 

3 もうすぐ!! なのは……

 きっずえんすを満喫したお休みが明けて。

「わわっ、急げ急げー!」

「昨日、楽しみすぎて、寝坊しちゃったね」

「ねー。なんとか間にあってよかったっ」


「おはよーっ」「おはようっ」

 がらっと教室のとびらを開けると、いつも通りの学校生活がやってくる――。

「おーっ、あかね、かえで! おれよりおそいなんて、めずらしいな」

「えへへ、間にあったんだからセーフセーフ!」

「ん、でもなんだか、教室の空気が、いつもとちがうような……?」

 かえでが、クラスを見まわして言う。

 言われてみると、みんなが、ふわふわ、そわそわしてる?

 すると藤司(が、にかっと笑って、

「そりゃあそうさ! だって、もうすぐ林間学校だろっ!」


「「林間学校……!」」

 と、うちとかえでは声をそろえたあと、


「「……………………って、なに???」」

 そろって首をひねる。


 藤司は目を見開いて、

「えーっ!? 前の学校でなかったのか!? ほら、みんなで自然があるところに泊まりにいく、超ビッグイベントだよ!」

 と力説する。

「……あっ、キャンプのことかあ!」

 ピーンと、ひらめいたうち。


「そうか、学校によって、いろんな呼び方があるんだね」

「へえ、おれも知らなかったよ」

「そうかあ。みんなでお泊まりにいけるんだ。うわー超楽しみじゃん!」

「だろ――っ!」

 目をかがやかせる、うちと藤司。


 ふと、かえでのほうを見ると。

 あれ。なんだかうかない顔をしてるような……?

「そろそろ、林間学校の話し合いが始まるってウワサで、持ちきりなんだぜ!」

 と、藤司が言ったときだ。


「は――い、柴沢くんの言うとおり。1時間めの総合の時間は、林間学校についてだよー」

「あっ、左野先生!」

 教室のとびらから、担任の左野先生が入ってきた。

 そして、教壇へむかった左野先生のうしろには――


「おはよう、あかねちゃん、かえでくん、柴沢くん」

「「! 辻堂先生!」」

 いつも通り、1つ結びの髪に、真っ白な白衣が似合う、大好きな保健室の先生だ。

 うちらにむかって、おだやかにほほえんでくれる。

 うれしいけど、どうして辻堂先生がうちのクラスに? と思っていると。


「林間学校には、みんなの健康を守るために、私も同行するのよ。だから、私もいろいろ知っておきたくて、こうして参加させてもらうことにしたの」

「えーっ辻堂先生もいっしょなんだ、やった!」

 いっしょにトランプしたりとか、できるかなあ!

 ますますワクワクしながら、うちらはいそいで席につく。

 朝の会が終わると、さっそく林間学校の話が始まった。


「――さて、みんな、これまでの林間学校のウワサは、いろいろきいてるかもしれないけど。今年のは、昨年までと大きくちがうところがあるんだ」

 という左野先生の言葉に、みんながざわざわと顔を見あわせる。


「来年度には学校統廃合だろう? それで運動会と同じく、あざみ小と合同で林間学校を行うことになったんだ」

 へー!

「いいじゃん。大人数のほうがいろんなことできて楽しいし」

「緑田小だけだと1クラスぶんしかいないし。いつもとまったく同じメンバーっていうのもね」


 あ……みんなのあざみ小への態度が変わってる!

 運動会のときは、ライバル心でバチバチしてて。

 おたがいに『あっちには負けるもんか』って、ふんいきだったのに。

 やったね、って、うちは思わず、運動会準備をいっしょにがんばった鈴華ちゃんと、視線をかわす。


「だからね、班も、あざみ小の子たちとシャッフルするよ。まずは僕のほうで緑田だけ班分けしてプリントを作ったから、前から回していって」

 また、ざわっとするクラス。

 きっと、班の子と行動することが多いだろうから、そりゃあメンバーが気になるよね。


 ドキドキしながら、配られたプリントを見ると。

 わ、うちは1班!

 それに、鈴華ちゃんと吉良くんといっしょだ!

 パッと、それぞれのほうを見ると、バッチリ目があった。

「よろしくね、鈴華ちゃん、吉良くん!」

「ええ。楽しくなりそうね」「よろしく」

 よかったあ、心強い2人だあ!

 ん? っていうか、うち以外、しっかり者でかためられてる気が、しなくもないけど……。

 たまたまだよねっ? ねっ?

 まあ、気心が知れてる2人だし、ラッキーってことで!


 そのあと、班員の中で係を決めてから。

 左野先生は、黒板に「部屋決め」と書きしるす。


「じゃあ、次にいくよ。林間学校で泊まる施設の部屋には、4人部屋と、個室があるんだ。だから、女子で事情のある子は個室のほうを――」

「――――あの、左野先生」

 早口で話しだす左野先生に、横から辻堂先生がそっと、でもきっぱりと、待ったをかける。


「個室は、だれでも希望できます。人数が多かったら、希望にそえない場合もあるかもしれないけど」

「あっ! ……そうでした、すみません。事前に打ち合わせしていたのに」

 左野先生は、しまった、という顔をしてから、もう一度みんなにむきなおった。

「みんなごめんね。そんなわけだから、個室を希望する子はだれでもエンリョなく言いにきてね」

「「「はーい」」」


 ……ほっ。

 そうだよ、べつに性別でわける必要なんてないよね。


 だけど、そうかあ。

 部屋分け、かあ……。


 と、うちが考えたとき、先生が時計を見た。


「あ、もうこんな時間か。じゃあ、部屋決めについては、また来週にしよう」

「せんせー! 部屋のメンバーは、おれらで決めたいでーす!」

「うん……そうだなあ」

 藤司の声に、左野先生は少し考えたあと、

「それじゃあ、こうしようか。いろんな子と関わってほしいから、班のメンバーとはできるだけ同室にならないこと。そして、だれかがイヤな思いをするような決め方をしないこと。それが守れるなら、自由に決めていい」

「やりい!」

 クラスが盛りあがったところで、チャイムが鳴った。

「きりーつ、礼、着席!」

 休み時間に入って、またクラスがさわがしくなったとき。


「あかねさん、かえでさん、ちょっと」

 名前を呼ばれて顔を上げると、左野先生が、ちょいちょいとうちらを手招きしてた。


「中休みに、ちょっと職員室にきてもらえないかな?」


第4回につづく(8月28日公開予定)




書誌情報


作: 七都 にい 絵: しめ子

定価
880円(本体800円+税)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046324092

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