挑戦したいんだ。自分の好きなことを「好き」って言うために。言いつづけるために。
いつもチャレンジしつづけるふたごのあかねとかえで。今回は、めっちゃ楽しい林間学校編!
なんたって、緑田小のみんな――鈴華ちゃんや凜ちゃんやさわや莉々乃ちゃん、藤司や吉良くんや真壁のほかに
あざみ小の子たち――そう、太陽もいっしょに行くんだから‼
いつもとはちがう経験がいっぱい、いつもなら見られない表情もいっぱい‼ トキメキもい――――っぱい‼‼なスペシャルな1冊。
先取りでためし読み、どうぞ‼ 読むときっと元気になっちゃうよ。(公開期限:2026年11月30日(月)23:59まで)
3 もうすぐ!! なのは……
きっずえんすを満喫したお休みが明けて。
「わわっ、急げ急げー!」
「昨日、楽しみすぎて、寝坊しちゃったね」
「ねー。なんとか間にあってよかったっ」
「おはよーっ」「おはようっ」
がらっと教室のとびらを開けると、いつも通りの学校生活がやってくる――。
「おーっ、あかね、かえで! おれよりおそいなんて、めずらしいな」
「えへへ、間にあったんだからセーフセーフ!」
「ん、でもなんだか、教室の空気が、いつもとちがうような……?」
かえでが、クラスを見まわして言う。
言われてみると、みんなが、ふわふわ、そわそわしてる?
すると藤司(が、にかっと笑って、
「そりゃあそうさ! だって、もうすぐ林間学校だろっ!」
「「林間学校……!」」
と、うちとかえでは声をそろえたあと、
「「……………………って、なに???」」
そろって首をひねる。
藤司は目を見開いて、
「えーっ!? 前の学校でなかったのか!? ほら、みんなで自然があるところに泊まりにいく、超ビッグイベントだよ!」
と力説する。
「……あっ、キャンプのことかあ!」
ピーンと、ひらめいたうち。
「そうか、学校によって、いろんな呼び方があるんだね」
「へえ、おれも知らなかったよ」
「そうかあ。みんなでお泊まりにいけるんだ。うわー超楽しみじゃん!」
「だろ――っ!」
目をかがやかせる、うちと藤司。
ふと、かえでのほうを見ると。
あれ。なんだかうかない顔をしてるような……?
「そろそろ、林間学校の話し合いが始まるってウワサで、持ちきりなんだぜ!」
と、藤司が言ったときだ。
「は――い、柴沢くんの言うとおり。1時間めの総合の時間は、林間学校についてだよー」
「あっ、左野先生!」
教室のとびらから、担任の左野先生が入ってきた。
そして、教壇へむかった左野先生のうしろには――
「おはよう、あかねちゃん、かえでくん、柴沢くん」
「「! 辻堂先生!」」
いつも通り、1つ結びの髪に、真っ白な白衣が似合う、大好きな保健室の先生だ。
うちらにむかって、おだやかにほほえんでくれる。
うれしいけど、どうして辻堂先生がうちのクラスに? と思っていると。
「林間学校には、みんなの健康を守るために、私も同行するのよ。だから、私もいろいろ知っておきたくて、こうして参加させてもらうことにしたの」
「えーっ辻堂先生もいっしょなんだ、やった!」
いっしょにトランプしたりとか、できるかなあ!
ますますワクワクしながら、うちらはいそいで席につく。
朝の会が終わると、さっそく林間学校の話が始まった。
「――さて、みんな、これまでの林間学校のウワサは、いろいろきいてるかもしれないけど。今年のは、昨年までと大きくちがうところがあるんだ」
という左野先生の言葉に、みんながざわざわと顔を見あわせる。
「来年度には学校統廃合だろう? それで運動会と同じく、あざみ小と合同で林間学校を行うことになったんだ」
へー!
「いいじゃん。大人数のほうがいろんなことできて楽しいし」
「緑田小だけだと1クラスぶんしかいないし。いつもとまったく同じメンバーっていうのもね」
あ……みんなのあざみ小への態度が変わってる!
運動会のときは、ライバル心でバチバチしてて。
おたがいに『あっちには負けるもんか』って、ふんいきだったのに。
やったね、って、うちは思わず、運動会準備をいっしょにがんばった鈴華ちゃんと、視線をかわす。
「だからね、班も、あざみ小の子たちとシャッフルするよ。まずは僕のほうで緑田だけ班分けしてプリントを作ったから、前から回していって」
また、ざわっとするクラス。
きっと、班の子と行動することが多いだろうから、そりゃあメンバーが気になるよね。
ドキドキしながら、配られたプリントを見ると。
わ、うちは1班!
それに、鈴華ちゃんと吉良くんといっしょだ!
パッと、それぞれのほうを見ると、バッチリ目があった。
「よろしくね、鈴華ちゃん、吉良くん!」
「ええ。楽しくなりそうね」「よろしく」
よかったあ、心強い2人だあ!
ん? っていうか、うち以外、しっかり者でかためられてる気が、しなくもないけど……。
たまたまだよねっ? ねっ?
まあ、気心が知れてる2人だし、ラッキーってことで!
そのあと、班員の中で係を決めてから。
左野先生は、黒板に「部屋決め」と書きしるす。
「じゃあ、次にいくよ。林間学校で泊まる施設の部屋には、4人部屋と、個室があるんだ。だから、女子で事情のある子は個室のほうを――」
「――――あの、左野先生」
早口で話しだす左野先生に、横から辻堂先生がそっと、でもきっぱりと、待ったをかける。
「個室は、だれでも希望できます。人数が多かったら、希望にそえない場合もあるかもしれないけど」
「あっ! ……そうでした、すみません。事前に打ち合わせしていたのに」
左野先生は、しまった、という顔をしてから、もう一度みんなにむきなおった。
「みんなごめんね。そんなわけだから、個室を希望する子はだれでもエンリョなく言いにきてね」
「「「はーい」」」
……ほっ。
そうだよ、べつに性別でわける必要なんてないよね。
だけど、そうかあ。
部屋分け、かあ……。
と、うちが考えたとき、先生が時計を見た。
「あ、もうこんな時間か。じゃあ、部屋決めについては、また来週にしよう」
「せんせー! 部屋のメンバーは、おれらで決めたいでーす!」
「うん……そうだなあ」
藤司の声に、左野先生は少し考えたあと、
「それじゃあ、こうしようか。いろんな子と関わってほしいから、班のメンバーとはできるだけ同室にならないこと。そして、だれかがイヤな思いをするような決め方をしないこと。それが守れるなら、自由に決めていい」
「やりい!」
クラスが盛りあがったところで、チャイムが鳴った。
「きりーつ、礼、着席!」
休み時間に入って、またクラスがさわがしくなったとき。
「あかねさん、かえでさん、ちょっと」
名前を呼ばれて顔を上げると、左野先生が、ちょいちょいとうちらを手招きしてた。
「中休みに、ちょっと職員室にきてもらえないかな?」
第4回につづく(8月28日公開予定)
書誌情報
- 【定価】
- 880円(本体800円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 新書判
- 【ISBN】
- 9784046324092
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