今回のふたごチャレンジ最新巻は、なんと! 読者のみんなが寄せてくれた622通ものリクエストから、のべ150人以上のアイデアを採用したストーリー&イラストでできた、超豪華なスペシャル版!
本には、リクエストしてくれた人のお名前ものってるから、お楽しみに。あなたの名前もあるかもっ⁉
今回のためし読みは、その中から最初の部分を、ちょっとずつご紹介するよ。みんなでつくった、夢いっぱいの1冊、発売を楽しみにしていてね!
(全3回、公開は2026年5月31日(日)まで)
ふしぎの国のふたご⁉ ~ふたごが夢の世界で大冒険!~
1 目覚めたら……ここはどこ!?
チュンチュンチュン
耳にここちいい、小鳥の、のどかなさえずり。
ゆっくりと目を開くうち――あかね。
「う~~~ん、よく寝たあ」
ぐーっと手を上に広げ、のびをする。
あたたかな日差しに、ほおをなでるそよ風。
う――――ん、気持ちいい――――っ。
まるで、野っぱらに寝転がってるような――。
「……へっ?」
だんだんハッキリしてきた目に映るのは、ひろびろ、青々とした、のどかな野原。
思わず、うちは目をぱちくりしてから、あたりをきょろきょろ。
ここ、どこだ?
こんなとこで、寝ちゃった記憶、ないよ?
いや、それどころか。
身をおこすと、うちがいたのは、まっ白なカーテンつきの、ドデカいベッド!?
草原のまんなかに、どんっとおかれたベッドの上だったんだ。
ええっ、なんでこんなとこに!?
ホッとしたのは、うちのとなりに、すうすうと寝息をたててる、かえでがいたこと!
「か、かえでっ、起きて起きて――!」
「ううん……」
ゆり起こすと、ゆっくりまぶたが開いて、ぼーっと視線が動く。
「わっ、天蓋つきベッド……? かわいいなあ、あこがれなんだよねえ……」
かえではまだ、夢の中にいると思っているみたい。
ぼんやり、うっとりとまっ白いカーテンをながめるかえでは、ふと、われに返って体を硬直させたかと思うと、がばっと身をおこした。
「……って、え、えええ!? ぼくたち、おうちの布団で寝たはずだよね!?」
「だよねだよね!? これって、どんなサプライズ!?」
「サプライズって、眠ってるぼくらに気づかれないように、こんな草原までつれてくるなんて、ムリだよっ」
「でもこんなの……ええ――っ、いったい全体、どうなってるのー!?」
とにかくうちらは、まずは手あたりしだいに、ベッドの上を探ってみる。
「あっ、アリスの台本っ」
ふっかふかの羽根まくら(多分?)の下から、かえでがひっぱり出したのは。
うちらが寝る直前まで、いっしょにセリフの練習をしてた、学芸会の台本だ!
劇の本番まで、もうのこり1週間だからね!
やっと、見覚えのあるものを見つけて、うちらは、ちょっとほっとする。
でも、よくわからない状況なことに、変わりはない……。
うちは、ちっちゃいころのように、片手をのばす。
「かえで……!」
「うん……!」
うちとかえでは、顔を見あわせると、おたがいのほっぺに手を伸ばして……。
ぎゅ~~~~~~~~~~~っ!
「「いたっ……く?」」
「「ないっ!」」
おもちかってくらい、おもいっきり引っぱったのに、ぜんぜん痛くない!
ってことは……!
「ここは……」「夢の中……!?」
「「なあんだ~~~~~」」
声をそろえて、おもわず天蓋つきふかふかベッドの上にころがる、うちら。
「でも、2人で、おんなじ夢を見ることなんて、あるんだね……?」
「これも、うちらのふたごパワーなのかなっ?」
うちが、ばっと手を広げて大げさに言うと、
「ふふっ、そうかも」
かえでが、くすっと笑ってくれる。
あ~~でもよかった。夢だってわかって、安心した。
しかも、かえでもいっしょなら、ここがどこでもぜんぜんヘーキだよっ。
目覚めたときからつづいてたドキドキが、ホッとゆるんだとき……。
「急がなくっちゃ、急がなくっちゃ」
うちらじゃない、だれかの声がきこえてくる。
なんだか知ってるセリフだな……と思いながら、身をおこすと……えっ!
白いうさぎが、二足歩行で、こっちによちよち、走ってくるっ!
「ねえかえで、あれって……!」
「『ふしぎの国のアリス』に出てくる、白うさぎ!?」
白うさぎはちゅうちょなく、かけよってくると、ぴょんっとベッドに飛びのった!
「急いで、持っていかなくっちゃ」
ぱっと、うちの手から台本をうばい、そのまま、ぴょいっとベッドから飛び下りる。
「「えっ!」」
うちとかえでがおどろいている間に、うさぎは、たたっと走っていく。
「ちょっと! 大事な台本が!」
「白うさぎさん、ダメ! それはぼくらの――!」
呼びとめても、白うさぎはぴくりとも反応しなかった。
うちらは、ぼうぜんとベッドにすわりこんだまま、遠ざかる白うさぎのうしろ姿を見おくる。
「「……どうしよう……」」
すると。
「あーあ、台本がなくなっちゃったね」
きき覚えのある声がした。
さっとふりむくと、いつの間にか、そこにいたのは。
「「春葉ちゃん!?」」
どーんと、仁王立ちした春葉ちゃんっ!
春葉ちゃんは、うちらの演じるアリスの台本を作って、劇の監督もしてくれてるクラスメイト。
今回の劇への熱意は、人一倍なんだ。
春葉ちゃんは、むずかしい顔をして言った。
「あの台本はね、あかねちゃんとかえでちゃんを、現実世界とつなぐ大事なアイテムなの。あれがないと、あかねちゃんたちは、この『夢のワンダーランド』から出られないよ!」
「「え――――――っ!?」」
そんなゲームみたいなシステムなの、この夢って!?
で、でも……ここから出られないのは、こまるし。
「わ、わかった。うちら、白うさぎを追っかけて、台本をとりかえすよ!」
かえでもこくこくうなずくと、春葉ちゃんは満足げにうなずいた。
「あ、そうそう、台本を考えるときに知ったんだけどね。『ふしぎの国のアリス』の作者は、身近な人の名前をもじって、動物を登場させたんだって。たとえば、ドードーは、作者の本名の一部の『ドドソン』からきてるとされていて――」
楽しげに、豆知識を披露してくれる春葉ちゃん。
それ、いま必要な情報?
わわわっ、そんなことより、白うさぎがどんどん遠くへいっちゃうよ!
春葉ちゃんもハッと気づいて、
「いけないっ。ほらアリスたち、早くいって!」
「「は、はいっ!」」
ビシッと白うさぎを指さし、うちらをうながす監督モードの春葉ちゃん。
急かされるままに、ベッドから飛び下りて走りだそうとした、うちら。
でも、
「わっ!」
かえでが、パジャマのすそに足をひっかけて、前のめりに体が倒れこむ。
危ないっ……!
夢の中だから痛くはなくても、放っておけないよ!
とっさにうでをのばしたけど、届かない……っ!
そのとき、うちの目の前を、ビュッ! と茶色いかたまりが横切った。
かえでと地面の間をすべるようにスライディングして、
ぽふっ!
茶色のかたまりが下敷きになって、間一髪、かえでは顔面からすっころばずにすんだ。
「かえで、ヘーキ!?」
「う、うん……この子が助けてくれたおかげでね」
「ワンッ!」
かえでは、そのまま、受け止めてくれたかたまり――つぶらなひとみで、とくいげなワンコの背中をなでた。
「えー! かっわいいー! ワンコ、かえでを助けてくれて、ありがとね!」
「ワンワンッ!」
「ホントにありがとね」
かえでがニコッとすると、ワンコのしっぽはうれしそうに、ブンブンッ! と高速回転になった。
「この子、なんて犬種だろ?」
「えーと、ひとなつっこくて、耳が立ってて、足が短くて……コーギーかなあ?」
「へー! ていうか『ふしぎの国のアリス』に、犬って出てきたっけ?」
「たしか原作に子イヌが出てくるシーンはあるけど……?」
2人で首をひねっていると、
「ワンッワンッ!」
ワンコが、くるくるとまわりながら、白うさぎが走っていったほうを指す。
「あっそうだね、早く白うさぎを追いかけないと」
「でも、パジャマのままじゃねえ……」
「走りやすい服があったらいいんだけど。ついでに、かわいかったらいいな、なんて……と!」
パァアアア……
とつぜん、うちとかえでが、光につつまれる。
「「!」」
え、え、今度はなに!?
やがて、すうっと光が消えて、かえでのほうを見ると。
「「あっ、アリスの服だ!」」
うちもかえでも、パジャマから、劇の中で着るアリス衣装に変わっていたんだ!
さすが夢!
魔法少女みたいにお着がえできるなんて、夢の世界って便利すぎる!
衣装姿のかえでは、思わずスカートのすそを広げたりして、うれしそう。
かえで、その衣装、すっごく気に入ってるもんね。
ワンコは、そんなかえでを見あげて、扇風機みたいな勢いでしっぽをふってる。
うーん、この犬、だれかに似てる気がするんだけど……。
「よしっ、じゃあ、あかね、いこうっ」
「あ、うん! ワンコもきてくれる!?」
「ワンッ!」
もちろんって言うように、ワンコも、うちらといっしょに走りだす。
うちらが追いつくと、白うさぎは、「アリス」の物語のとおりに、暗い穴の中に入っていった。
「ひょええ」
まっくらな穴は、のぞくだけで、すごくこわかったけど。
「ワンワンッ!」
ワンコが、まんまるな目でこっちを見たかと思うと、なんと、先陣を切って穴に飛びこむ。
えーっ、だ、大丈夫かな!?
よ……よし!
「かえで、うちらもっ!」
「うんっ……!」
うちらは、ぎゅっと手をつないで。
勇気を出して、とびこんだんだ……!
(つづきは本で読んでね!)
まるでほんものの「ふしぎの国のアリス」の世界にまぎれこんだみたいな、夢。
まずはおとものコーギー(だれかに似てる…?)といっしょに、あかねとかえで――アリスたちの冒険が始まります!
次回は、別のお話の最初の部分をためし読みできるよ!お楽しみに!
このほかに、小説が5本、そして、みんなのリクエストをとりいれた、七都さん書き下ろしの「ちょこっと劇場」、そして、しめ子さん描き下ろしの「リクエストイラスト」もいっぱいのってるよ!
しかも、「ふたごチャレンジ!⑪」の発売に合わせて、「ふたごチャレンジ!フェア」もはじまります!
抽選で200名さまに、みんなの選んだキャラから応援メッセージつきのカードが届くスペシャルなフェア!(キャラは7人の中からえらんでね)くわしくは、本の帯にのってるよ。
楽しみにしててね!
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