
「地球が丸いなら、地球の反対側にいる人はなぜ落ちないの?」 「どうして宇宙人は地球に来ないの?」誰もが一度は考えたことのある“宇宙の大ギモン”に、天文物理学の視点で本気で答えます! 『すごすぎる宇宙・天文の図鑑』から、気になるテーマ5本を特別公開。
驚きとなるほどがつまったページを、さっそくのぞいてみましょう!
※本連載は『宇宙と物理のしくみがわかる! すごすぎる宇宙・天文の図鑑』から一部抜粋して構成された記事です。
<天体と物理>人類は火星に居住できるか?
現在の技術で居住可能な太陽系の惑星が火星です。各国が火星への有人飛行、基地の設立を計画しており、アメリカの企業・スペースXは火星での都市建設を目指しているようです。火星で私たちがまず必要なのは水と酸素と宇宙服です。
火星には、30億年ほど前まで液体の水が広範囲に存在していたようです。しかし火星は地球の半分程度の大きさ、質量は10分の1程度の小さな惑星です。小さいがゆえに、内部が冷却し、太陽風から大気を守っていた磁場が消え、大気は吹き飛ばされ、液体の水も蒸発または凍結しました。よって火星にはかなりの量の氷が極域(南極や北極)や地下にあります。液体化すれば数十m以上の水が火星の表面を覆うでしょう。
また、太陽風で吹き飛ばされなかった重い二酸化炭素が、火星の大気を作っています。極域にドライアイス(二酸化炭素の氷)もあります。二酸化炭素を高温で分解して酸素を取り出す実験(モキシー:MOXIE)はすでに火星で行われています。
豆知識
宇宙服なしで火星に立ったら、たとえ酸素マスクがあっても即死します。火星の大気圧は地球の150分の1しかなく、そのため血液が沸騰し始めるのです。気温は−65℃以下なのに沸騰するのです。
読めば読むほど、「宇宙」がぐっと近くなる!
今回紹介した5つのテーマ以外にも、「タイムトラベルはできるの?」「太陽の色って何色?」「宇宙はどうやって終わるの?」といった、最新科学が解き明かそうとしている数々の宇宙のナゾが、この図鑑にはぎゅっと詰まっています。
目には見えないナゾを、科学はどうやって解いていくのか――そのワクワクを、ぜひ本書で体験してください!
- 【書籍情報】
著者: 天文物理学者BossB
- 【定価】
- 1,485円(本体1,350円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 四六判
- 【ISBN】
- 9784046068781