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10歳から知りたいバリアバリュー思考 自分の強みの見つけかた 第1回


多様性の時代、「人と違う」「同じことができない」はダメじゃない! これからの僕らが、幸せに働き、生きるためには、「今」なにをするべきか?
弱点(バリア)と思われがちな特性を「自分だけの価値(バリュー)」にするために必要な考え方が、漫画とイラストで学べる1冊。
「10歳から知りたいバリアバリュー思考 自分の強みの見つけかた」無料ためし読みです。









はじめに

 はじめまして。株式会社ミライロの垣内俊哉です。私は骨が弱く折れやすいという魔法にかけられ生まれてきました。幼い頃から何度も骨折を繰り返し、今も車いすに乗っています。
 歩けるようになりたい、とリハビリを頑張っていた私は、この先歩ける可能性がないとわかった時、絶望のどん底に突き落とされました。入退院を繰り返す日々を過ごし、「自分はなんて不幸なんだろう」と悩み続けました。
 それは、歩けないことを「情けない」「格好悪い」と感じ、なんとしてでも歩けるようにならなければいけないと思っていたからです。

 そんな私を変えてくれたのは、様々な人との出会いでした。
 高校時代にお付き合いしていた恋人からは、ありのままの自分を受け入れるきっかけを与えてもらいました。入院中に知り合ったおじいさんからは、精一杯やりきることの大切さを教えられました。そして学生時代のアルバイト先の社長さんは、障害(バリア)と思っていたことが時には、強み(バリュー)にもなる、ということを気づかせてくれました。ほかにもたくさんの出会いから学びを得て、それが「バリアバリュー」の考え方につながっているのです。
 アメリカの神学者、ラインホルド・ニーバーは、「私に変えねばならないものを変える勇気を、変えることのできないものを受け入れる静穏を、そして、それらを見分ける洞察力を与えてください」と言いました。
 人は誰しも苦手や弱点があり、辛い時間を過ごした経験もあるでしょう。努力して克服することも大切ですが、叶わないこともあります。すぐにはできなくても、少しずつ、ゆっくり向き合っていけばいいと思います。
 
 「バリアバリュー」は、障害の有無に関わることだけではありません。あなたが弱みやコンプレックスだと感じていることがあるなら、それはあなたのバリアであり、バリューに変えることができます。
 あなたがネガティブにとらえていることも、見方を変えたり時間が経ったりすれば、ポジティブにとらえることができるかもしれません。そんな日を迎えるまで、本書があなたの心の杖となることを願っています。

おもな登場人物




この本について
・「障害者」の表記について
本書では「障害者」と表記しています。「障がい者」と表記すると、視覚障害者が利用するスクリーンリーダー(コンピュータの画面読み上げソフトウェア)では「さわりがいしゃ」と読み上げられてしまう場合があるからです。
「障害」は人ではなく、環境にあると私は考えています。漢字の表記のみにとらわれず、様々な視点から社会における「障害」と向き合っていくことを目指します。

・読み仮名について
どの世代の人にも読みやすいように、文章にルビ(読み仮名)を振っています。(※ヨメルバ上ではルビは振られていません)

・色について
色の区別を苦手とする人や見えづらさがある人に、できる限りわかりやすく伝わるよう工夫を施しています。

・カバーについて
カバーに凹凸のある加工をし、手で触ったときにタイトルやイラストの輪郭がわかるようにしています。

 

第2回へつづく

 

書籍情報

10歳から知りたいバリアバリュー思考 自分の強みの見つけかた
多様性の時代、「人と違う」「同じことができない」はダメじゃない!
これからの僕らが、幸せに働き、生きるためには、「今」なにをするべきか?
弱点(バリア)と思われがちな特性を「自分だけの価値(バリュー)」にするために必要な考え方が、漫画とイラストで学べる1冊。


著者:垣内 俊哉

定価
1,650円(本体1,500円+税)
発売日
サイズ
A5判
ISBN
9784046055835

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