KADOKAWA Group
知る・まなぶ

古生物学者の小林快次先生がみんなの質問にこたえます!


たくさんの質問をありがとうございました。そのなかから、『恐竜 骨ぬりえ』をより深く楽しむヒントになりそうなものを選んで小林先生にこたえてもらいました。

【質問1】

恐竜の目はなんで小さいのですか? 目が大きければ獲物がよく見えると思います。 (みずき・5歳)

【小林先生の回答】
いい質問です。体が大きいので目が小さく見えますが、実際は生活するのに十分な目の大きさをしています。目が大きければ、もっと見えたかもしれませんが、見えすぎるかもしれないですね。

 

【質問2】

スピノサウルスは、立ち姿の変化も含めて5回復元が変わりましたよね? その立ち姿が変わったときに、「スピノサウルスは四足歩行なのでは?」と言われていましたが、次の復元で、二足歩行になってしまいます。なぜでしょうか?(しゅうくん・10歳)

【小林先生の回答】
新しい発見によって恐竜の姿勢や復元が変わることがあります。スピノサウルスが二足歩行か四足歩行かについても、まだ議論があるくらいです。今回のぬりえでは、自分が想像するいろんな恐竜の復元を描いてみるといいですね。

 

【質問3】

肉食恐竜の骨格をみると、顔に2つの「へこみ」があり、その1つが目の「へこみ」だと思うのですが、どちらが目の「へこみ」なのかは、どのようにしてわかるのですか。(tiger・10歳)

【小林先生の回答】
頭の骨にはたくさんの穴がありますね。どこに目が入るのかは、今の動物の頭の骨をみるとわかります。トカゲやワニの頭の骨を見る機会はあまりないかもしれませんが、同じような構造をしています。そこから、恐竜の目の入る場所がわかるんですよ。

 

【質問4】

パキケファロサウルスの頭が化石でも復元図でもいつもツルツルで気になっていました。今回『恐竜 骨ぬりえ』でフサフサのイケメン恐竜にしてみました。パキケファロサウルスはやっぱりツルツルだったんでしょうか?(AKO・38歳)

【小林先生の回答】
パキケファロサウルスの頭は、ツルツルに復元されることが多いです。以前は、あのツルツル頭に角質がついていると考える研究者もいました。実際のところはよくわかっていません。自由に想像して描いてもらっていいと思います。

 

【質問5】

わたしはモルフォチョウとかハチドリとかのいきものの構造色がすごくきれいだなーと思うのですが、先生は構造色の恐竜がいると思いますか?(ほりうち ひなこ・7歳)

【小林先生の回答】
構造色という難しい言葉を知っているのですね。中国のジュラ紀からカイホングという恐竜が発見されていて、これは構造色をもっていました。他の恐竜にも構造色をもっているものがいたかもしれないですね。どんな鳥が構造色をもっているかを調べ、それに似た生活をしていたと思われる恐竜で構造色をどんどん復元していきましょう。

 

【質問6】

恐竜はおしゃれをしますか?(ガオウリ・5歳)

【小林先生の回答】
おしゃれをしていたと思います。トリケラトプスの角や、ステゴサウルスの板状のプレート、カムイサウルス のトサカもおしゃれのひとつですね。

 

【質問7】

恐竜の生息地の環境はどのようにして予想したのですか?(かたザウルス・12歳)

【小林先生の回答】
生活していた環境は、骨からではわかりにくいです。今回のぬりえで背景を描くのに困ったと思います。骨が埋まっていた地層を調べるとその環境がわかり、そこから推測します。

 

【質問8】

私は恐竜が大好きです。そして、よく恐竜の絵を描きます。でも、骨格から描くということはあまりしたことがなくとても難しいです。とくに筋肉の付け方が難しいです。現生の生物で、いちばん恐竜に近くて参考になる動物はなんですか?(伊藤小都音・11歳)

【小林先生の回答】
どの動物も参考になります。ただ、あえていうと恐竜に近い動物、つまりワニ類と鳥類です。しっかりと観察して、骨ぬりえに取り入れていきましょう。

 

【質問9】

私は恐竜が大好きで、絵もよく書きます。恐竜の色についてなのですが、ある程度は描くひとの自由でいいというようなことを、本などで読んだことがあるのですが、それでも、この色はナシかな、という色はありますか?(伊藤小都音・11歳)

【小林先生の回答】
動物にはいろんな色が使われています。使ってはいけない色というより、どのような色がどのような動物に使われているか、そして恐竜がどの動物に似た生活をしていたかを想像して復元画を描いてください。

 

【質問10】

恐竜学者になって一番楽しかった仕事は何ですか?(明彦・8歳)

【小林先生の回答】
いろんな楽しみがありますが、こうやって皆さんの手によって復元された絵を見ているのもすごく楽しいです。

 


構成:岡田 善敬 監修:小林 快次

定価
本体1250円(税別)
発売日
サイズ
A4判
ISBN
9784041086506

この記事をシェアする

ページトップへ戻る