「絶体絶命ゲーム」は「こどもでも、命がけで人生を一発逆転できる」という都市伝説のような存在。小学校時代から何度もゲームにまきこまれてきた春馬と未奈は、いつしか【絶体絶命ゲームのレジェンド】に…! 最新刊18巻は11月11日(水)発売。前の巻のラストで、たった1人でつり橋から落ちていった春馬は、いったいどうなったのか!? 大ピンチのゆくえを、どこよりも早くためし読みしてね!
【これまでのお話は…】
ドクロ一族の村で行われた『絶体絶命ゲーム』、ゲームの途中で、なんと春馬が未奈に告白❤ ぶじにOKをもらい、あと一歩で全員脱出!――というところで、春馬だけが吊り橋の爆破にまきこまれて…!?
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
0 はなればなれの2人
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
川を流されていた武藤春馬は、岸にむかって必死に泳いでいた。
息が苦しくて体中が痛い。でも、泳ぐのをやめたら溺れてしまう。
ようやく岸に着くと、あおむけに横になった。
もう動けない。
どうして、こんなことになってしまったのだろう?
◆
数日前、春馬とクラスメイトの滝沢未奈は、『奈落』から久しぶりに渋神中学に帰ってきた。
しかし、校内の様子は以前とかわっていた。
2年生の春馬たちは、1年生から邪魔ものあつかいされる。春馬たちが『奈落』にいっている間、学年対抗の『絶体絶命ゲーム』がおこなわれ、2年生は敗北。
罰として1年生と3年生の奴隷にされたのだ。
春馬と未奈はそれを撤回させるために、ドクロ一族の村で1年生と『絶体絶命ゲーム』で対決することになった。
ゲームには勝って2年生は奴隷から解放されて、1年生とのわだかまりもなくなった。
そして、春馬はついに未奈に告白した。
結果はハッピーエンド。
最高の気分だったが、ゲームの案内人で顔に南無阿弥陀仏と書かれた走馬灯から、追加ゲームをやるように言われた。
そんな話は聞いてない。
でも、やらないと帰してもらえないようなので、しかたなくゲームをやることになった。
ゲームは5分以内に橋をわたって、村から抜けだすというものだ。
鬼に扮した村人から逃げて、なんとか橋までたどりついた。しかし、春馬は橋をわたりきれなかった。
それで、橋が爆破される寸前に川に飛びこんだのだ。
◆
今、春馬は岸で横になっていた。
「……ぼくは、もうダメだ」
目をつむろうとしたとき、なにものかが近づいてくる足音が聞こえた。
春馬はあおむけに横たわったまま、こちらにむかってくる人物を見た。
そこにいたのは、渋神中学の卒業生で、「渋神四星」のトップの北条雅だ。
「……ど、どうして、ここに?」
春馬は、そこで気を失った。
◆
そのころ、滝沢未奈は爆破された橋を前にぼう然としていた。
「春馬のことだから、きっと無事よ」
声をかけたのは、村でおこなわれたゲームにいっしょに参加していた2年生の松山亜沙美だ。
「ぼくたちのせいで、春馬先輩が……」
1年生の蓬木怜央は、今にも泣きだしそうだ。
「電話のつながるところに出て、救助を呼ぼう」
1年生の塩鳥一輝が、しっかりした口調で言った。
「車よ!」
1年生の神宮寺樹里は、そう言うと、こちらにむかってくる車に手をふる。
やってきた車は、未奈たちがここにくるときに乗ってきたワンボックスカーだ。
「春馬が、川に飛びこんだんです。救助を呼んでください」
未奈が、運転席の黒服の男に言った。
「もう救助隊が、むかってる。きみたちを東京に送るから乗りなさい」
運転手に言われて、5人は車の後部座席に乗った。
ドアが閉まると、後部座席に白い煙が流れこむ。
未奈、亜沙美、怜央、一輝、樹里は、あっという間に眠りに落ちた。
第2回につづく(10月28日(水)更新予定)
書籍情報
- 【定価】
- 1,034円(本体940円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 新書判
- 【ISBN】
- 9784046324054
コミカライズ版は2027年1月5日まで公開中!
その他の連載はこちらからチェック!▼