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つばさ文庫のオリジナルストーリー『大盗賊ドロッチェ団あらわる!の巻』をためし読みしよう!
カービィたちは、大切な『宝物』を、ドロッチェ団から守りきることができるのか…!? カービィ、ワドルディ、デデデ大王、そしてメタナイトやドロッチェが登場する、とってもにぎやかなお話だよ。(全5回)
◆第2回
ふしぎな神殿を見つけたカービィとワドルディ。
宝物をさがして、奥へ奥へと走って行ったふたりが見つけたものとは…?
☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・
大きなたまご
☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・
神殿は、二人が思っていたよりもずっと広かった。
とちゅうに、分かれ道がいくつかあったが、カービィは少しもまよわずに進んでいった。ワナはひとつもない。
(ひょっとしたら、どちらの道を進んでも、ワナなんてないのかも。この神殿は古すぎて、ワナがこわれちゃってるのかもしれないな……)
ワドルディは、そんな気がしてきた。
ついに二人は、いちばん奥の部屋にたどりついた。
そこは、大きな祭壇(さいだん)のある広間だった。
祭壇(さいだん)を守るように、ぶきみなちょうこくが置かれている。こわれているのに、今にも動き出しそうな迫力(はくりょく)がある。
ワドルディはすっかりこわくなってしまい、ふるえ出した。
「ねえ、早く帰ろうよ……ここ、やっぱり気味が悪いよ……」
「だいじょーぶだってば。ぼくがいるから」
その時、カービィはふしぎなものを見つけた。
祭壇(さいだん)の上に、ふわふわしたクッションのようなものがある。
そして、その上に、まるくて白いものがのっていた。
「見て、ワドルディ!」
「な、何!? 何か出たの!?」
「ちがうよ! ほら、あれ……何だと思う?」
言いながら、カービィはもう祭壇(さいだん)に飛び乗っている。
「あぶないよ、カービィ!」
「見てごらんよ、ワドルディ。これ、たまごだよ」
「え?……たまご?」
「うん! すごく大きなたまごだ!」
ワドルディも、おっかなびっくり、祭壇(さいだん)に上ってみた。
カービィの言うとおりだった。クッションのようなものの上に、白いたまごがのっている。カービィやワドルディと、同じくらいの大きさがあった。
「ほんとだ……何のたまごだろう?」
「鳥だよ! 鳥に決まってる!」
「こんな大きなたまご、初めて見たよ……」
「食べよう、食べよう!」
カービィは、はねまわってさけんだ。
「え……!? 食べようって……これを?」
「うん! 特大の目玉焼きができるよ!」
「で、でも。何の卵かもわからないのに……」
「たまご焼きのほうがいいと思う? それとも、ゆでたまご? スクランブルエッグかな?」
「だけど、カービィ、勝手にそんなことしたら……」
「心配しないで、ワドルディ! 火なら、あるから!」
カービィは、小さな火の球をぽっぽっとはいた。
「『ファイア』をコピーしておいて良かった〜! ぼく、天才じゃないかな!?」
「あ、あのね、カービィ……」
「でも、ここには、おなべもフライパンもないねえ。そうだ、たまごを持って帰って、デデデ城の台所で作ろう!」
ワドルディが止めるひまもなかった。
カービィは、自分と同じくらい大きなたまごを、ヨタヨタしながらかかえ上げた。
――と、その瞬間。
上から、何かが落ちてきた。
「……え?」
カービィは、何が起きたのかわからず、目を丸くした。
落ちてきたのは、大きな鉄のカゴ。カービィは、カゴの中にすっぽり閉じこめられてしまった!
「カービィ!」
ワドルディは、びっくりぎょうてん。
カゴにかけ寄って、鉄のあみ目のすき間から呼びかけた。
「だ、だいじょうぶ!?」
「う……うん……何だろう、これ?」
「ワナだ! たまごを持ち上げると、カゴが落ちてくるワナだったんだよ!」
ワドルディは、おろおろした。
「どうしよう、カービィ……!」
「こんなの、たいしたことない! すぐ逃げられるよ!」
カービィはたまごを置いて、鉄のカゴを持ち上げようとした。もちろん、ワドルディも手伝った。
しかし、カゴはおそろしく重い。二人が力を合わせても、ビクともしなかった。
「……こんなことなら、『ファイア』じゃなくて『カッター』をコピーしておけば良かった。カッターがあれば、こんなカゴくらい、かんたんに切れるのに……」
カービィが、しょんぼりとうなだれた時だった。
突然、あたりが暗くなった。
そして、はるか高いところから、するどい声とバサバサという音が聞こえてきた。
「ワナにかかったね、悪者め!」
「え……?」
カービィとワドルディは、おどろいて上を見た。
二人の目には、青いイナズマが落ちてきたように見えた。
「わ……わああああ!」
それは、イナズマではなく、巨大な鳥だった。
おそろしくするどいくちばしと、ツメをもっている。頭には美しいトサカがあり、大きな丸い目は、炎のようにらんらんと燃えかがやいていた。
鳥は、ワドルディめがけておそいかかった。
「うわああ〜!」
あわてて飛びのいたワドルディは、祭壇(さいだん)からころげ落ちてしまった。
鳥は、カゴの中のカービィをにらみつけて、満足げに言った。
「この間のやつらの仲間だね? きっとまた来ると思ってたよ。ワナをしかけておいて良かった!」
「この間の……って?」
「今度こそ、ようしゃしないよ。二度とぼうやをねらう気にならないよう、痛い目にあわせてやるから!」
鳥は、祭壇(さいだん)の端(はし)にたれ下がっているひもをくちばしにくわえて引いた。
あんなに重い鉄のカゴが、軽々と引っぱり上げられた。
カービィがほっとしたのも、つかの間。
鳥はくるっと振り返ると、つばさを広げた。
鳥のからだは青いけれど、つばさの内側だけは真っ白だった。まるで、青空に浮かぶ雲のように。
カービィは、その美しさに見とれてしまった。
「わあ、きれい……ホイップクリームみたいに、ふわふわで真っ白だ……」
「おしおきだよ! 悪党め!」
「え……? ちょっと待って……」
「観念(かんねん)おし!」
鳥はつばさをバサリと動かし、舞い上がろうとした。
ところが。
「……クッ」
鳥はうめき声を上げ、つばさをだらりと下ろしてしまった。
大きなからだが、ふるえている。痛みにたえているようだった。
「……どうしたの? だいじょーぶ?」
カービィがたずねると、鳥はキッとなってさけんだ。
「近づくな! この悪者め!」
「ぼくたち、悪者じゃないよ! どうしたの? どこか痛いの?」
「なんでもないよ!」
祭壇(さいだん)の下から心配そうに見上げていたワドルディが、言った。
「ねえ……ひょっとして、足をケガしてるんじゃない……?」
「うるさいよ!」
鳥は、おどしつけるように、くちばしをカッと開いた。
でも、カービィも気がついた。鳥の足は、不自然なくらいまがっていた。
「たいへんだ……痛いの……? だいじょーぶ……?」
「フン! このくらい、なんとも……ない……クッ」
鳥は強がってみせたが、やっぱり苦しそうだった。
「手当てしなくちゃ……」
「フン! そんなことを言って、ゆだんさせて、ぼうやをさらおうっていうんだろう? そうはさせないよ! 出てお行き!」
鳥は、かん高い声を上げると、大きくはばたいて舞い上がった。
強い風が起きた。カービィもワドルディも、思わずよろめいてしまうくらい。
風を受けて、たまごがグラッとゆれた。
鳥はあわてて、はばたきをやめたが、おそかった。
たまごは、祭壇(さいだん)から転がり落ちてしまった。
「うわあああっ!」
「たいへん!」
カービィは急いで祭壇(さいだん)から飛び下り、ワドルディは悲鳴を上げて走りよった。
二人同時に手をのばし、たまごをみごとキャッチ!
夢中だったため、おたがいの頭をぶつけ合ってしまったが、そんなことはなんでもない。
「助かった!」
「良かったぁ!」
カービィとワドルディは、二人で卵をかかえて、鳥を見上げた。
鳥はつばさをたたんで、大きなため息をついた。
「ああ、私ったらなんてことを……!」
「卵、無事だよ。良かった!」
「……あなたたち」
鳥は、首をかしげて二人を見下ろした。
「ぼうやを助けてくれるなんて……この間のやつらの仲間じゃなかったの?」
「この間のやつらなんて、知らないよ。ぼくら、今日初めて遊びに来たんだ」
「……そう」
鳥は、二人に頭を下げた。
「ごめんなさい。てっきり、あいつらの仲間だと思って、ひどいことを言ってしまったけど……そうじゃなかったのね。ぼうやを助けてくれて、ありがとう」
「この間のやつらって、だれ?」
「ぼうやをねらう、悪党一味よ」
鳥は、また、けわしい顔になった。
「私が食べ物を取りに行ったすきに、あやしい三人組がしのびこんで、ぼうやをさらおうとしたの。なんとか撃退したけど、きっとまた来るにちがいない。そう思って、鉄カゴをしかけておいたのよ」
「ぼうやって、このたまごのこと?」
「そう。かわいいぼうやをねらうなんて、ひどい悪党でしょ!」
「う……う、うん」
カービィは、自分もたまごを持ち帰ろうとしていたことを思い出し、そわそわして話題をそらせた。
「そいつらは、どうしてたまごをねらってるの?」
「もちろん、お金のためよ。私たちの種族は、アクティブレイドっていって、昔は仲間がたくさんいたのよ。でも、今では数が減ってしまって、貴重(きちょう)だといわれているの。たまごやヒナは高く売れるから、こっそり盗もうとする悪党があとをたたないのよ」
「ひどいやつらだね! その足のケガは、そいつらにやられたの?」
「いいえ。やつらを撃退するのに夢中になって、うっかりワナにさわってしまったのよ。落ちてきた大岩に当たって、くじいてしまったってわけ。この神殿には危険なワナがたくさんあるからね」
「そうなの?」
「ひょっとして、あなたたち、この神殿がどんな場所だか知らないの?」
「うん。遊びに来て、たまたま見つけただけだもん」
「のんきねえ」
アクティブレイドは、あきれたように言った。
「この神殿は、大昔に建てられたものなの。私もくわしいことは知らないけど、魔人ワムバムガイアっていう、おそろしい石像をまつっているそうよ」
「ワムバム……ガイア……?」
「そう。その力はとても強力で、悪用されたらたいへんなことになるの。だから、侵入者を撃退するために、神殿の中にはたくさんのワナがしかけられているのよ」
「あ、そういえば、落とし穴に落ちそうになったよ。でも、すぐ脱出できた!」
「落とし穴だけじゃないわ。ヤリが飛んできたり、熱湯がふき出してきたり、恐ろしいワナがたくさんしかけられてるんだけど……だいじょうぶだった?」
「そんなの、なかったよ」
「……ということは……」
アクティブレイドは、急に真剣な目をして、カービィを見つめた。
「あなたたちは、すべて正しい通路を通ってきたのね。分かれ道で間違えたら、危険なワナに引っかかったはずだもの」
「カービィは、カンがいいから」
ワドルディが言ったが、アクティブレイドは首をふった。
「いいえ、カンじゃないわ」
「え?」
「カービィ。あなたには、どうやら、特別な力がそなわってるみたいね。その、炎のかんむりもそうだけど……」
「これ? これは、『ファイア』のコピー能力だよ。コピーのもとがたくさん集まってる部屋があったから……」
「コピーのもとは、だれにでも利用できるものではないわ。あなたって、見かけによらず……」
アクティブレイドは深刻な顔で何か言いかけたが、ハッとして息をのんだ。
物音が聞こえてきた。
足音だ。何かが、広間に近づいてくる。
アクティブレイドは、緊張した声でささやいた。
「来た……あいつらだわ」
「たまごどろぼう……?」
「そうよ! 気をつけて!」
アクティブレイドがつばさを広げて身がまえると同時に、広間の入り口のところに、問題の三人組が姿をあらわした。
一人は、ハンマーをかかえ、左目に眼帯(がんたい)をした巨漢(きょかん)。
そのとなりはからだが小さく、サングラスと赤いスカーフを身につけている。
三人目は、UFOのようなマシンに乗りこんでいて、姿がわかりにくかった。
「――あー!」
カービィは、思わず声を上げた。
「ドロッチェ団じゃないかー!?」
「ん……? その声は?」
「カ、カービィ!?」
三人組は、たじろいだ。
アクティブレイドが、うたがわしそうにたずねた。
「やつらを知ってるの? あなたたちの知り合い?」
ワドルディが答えた。
「知り合いってわけじゃないけど、知ってます。あいつら、ドロッチェ団っていう盗賊(とうぞく)です!」
そう、この三人組は、宇宙をまたにかける盗賊一味(とうぞくいちみ)、ドロッチェ団の面々だった。
眼帯(がんたい)の巨漢(きょかん)はストロン、赤いスカーフはスピン、マシンに乗りこんでいるのはドクという。ただ、団長のドロッチェの姿はないようだ。
スピンがさけんだ。
「カービィ……おまえもお宝をねらってたのか! ここは、ゆずれないぜ!」
「どろぼうって、おまえたちのことだったのか! 絶対に渡さないぞ!」
「なら、力ずくでいただくぜ!」
さけぶが早いか、スピンは飛び上がって、手裏剣(しゅりけん)を投げてきた。
カービィはすばやくよけながら、アクティブレイドに向かってさけんだ。
「たまごを守ってて! あいつら、ぼくが追い払うからね!」
「え、ええ……でも、あなた一人では……」
不安げなアクティブレイドに、ワドルディが言った。
「大丈夫、カービィは強いから!」
「でも、あいつらも手ごわいのよ……」
アクティブレイドはたまごを守りながら、心配そうにカービィを見つめている。
カービィは三人組に走りより、両手を広げた。
「ここは通さないぞ! おまえたちには、絶対に渡さない!」
「ジャマだ、カービィ」
ストロンが、思いっきりハンマーを振り下ろした。
カービィは身軽によけて、火の球をはいた。
「むぅ、あつい……」
火の粉を浴びたストロンは、低くうめきながらハンマーを放り出した。
マシンに乗ったドクが進み出てきた。
「そんな火の球ぐらい、なんでもないぞ。食らえ、カービィ!」
UFO形のマシンは、高速で回転し始めた。
カービィめがけて、突っこんでくる!
カービィはひるまず、ゴォォォッと火炎をふき出した。
さっきの火の球とは比べものにならない、高熱の炎だった。ドクは悲鳴を上げた。
「な、何をする! ワシのスペシャルマシンがこわれてしまうではないか!」
「くっ……カービィめ……」
スピンがうめいた。首に巻いたスカーフを押さえながら、にくにくしげにさけんだ。
「オレの大事なスカーフを焼かさせるわけにはいかないぜ! 今日のところは、見逃してやる!」
「覚えておれ!」
三人組はくるっと向きを変えると、逃げ出して行った。
アクティブレイドは、ほっとしたように言った。
「助かったわ。ありがとう、カービィ。あなた、ほんとうに強いのねえ」
「あいつら、今度は団長のドロッチェを連れてくるかもしれないよ。ドロッチェは手ごわいから、心配だね……」
「カービィ」
アクティブレイドは、あらたまった表情でカービィを見た。
「あなたに、お願いがあるの」
「なに?」
「私のぼうやを、守ってくれないかしら?」
「え? ぼくが、たまごを?」
「ええ。私のこの足のケガのことなんだけど……」
アクティブレイドは、傷ついた足を静かに動かした。
「故郷に戻って温泉につかれば、すぐに良くなると思うの。それはわかっているんだけど、ぼうやを置いてはいけないから、あきらめてたのよ。でも、あなたなら信頼できるわ。私がケガをなおしてもどってくるまで、このぼうやを守ってはくれないかしら……」
「いいよ!」
カービィは、元気に飛びはねて答えた。
「ぼくとワドルディがいれば、ドロッチェ団なんかこわくないよ! 早く、ケガをなおしておいでよ」
「ありがとう、カービィ」
「あの、たまごをデデデ城に運んでもいいですか?」
ワドルディがたずねた。
「ぼく、ここにずっといることはできないんです。大王様が待ってるから。だから、たまごを持って帰ってもいいですか?」
「それは少し心配ねえ。この神殿はワナだらけだけど、だからこそ安全なの。悪人はワナをおそれて、近づかないからね。まあ、中にはあの三人組やあなたたちみたいな、こわいもの知らずもいるけど……」
「デデデ城は、この神殿にも負けないくらい安全です! 大きなお城だし、ものすごく強い大王様もいますから!」
「大王様ねえ……信用できるのかしら……」
アクティブレイドは少し迷ったが、うなずいた。
「いいわ、あなたたちにまかせる。私は、十日後に帰ってくるわ。十日後、またこの神殿で会いましょう」
「うん!」
「そのクッションもいっしょに持って行ってね。ぼうやを必ず、その上にのせておいて」
アクティブレイドは、たまごをのせたクッションをつばさで示した。
「それは、私の羽毛を抜いて作ったクッションなの。とてもやわらかくて、どんな衝撃(しょうげき)からもぼうやを守ってくれるのよ」
「うん、わかった」
「では、行きましょう。デデデ城まで、私が送りとどけてあげる」
カービィとワドルディは、やわらかな羽毛のクッションにたまごをのせ、抱きつくようにしてしっかり守った。
アクティブレイドは、カービィたちを背に乗せると、足をかばいながらふわりと舞い上がった。くずれた天井(てんじょう)を突き抜けて、一気に大空へ。
「デデデ城は、どちらの方角(ほうがく)?」
「おひさまがしずんでいくほうだよ!」
「了解(りょうかい)よ。しっかりつかまっててね」
空はもう、一日の終わりの茜色に染まっていた。その空を、アクティブレイドはゆうゆうと飛んでいく。
森も川も、おもちゃみたいに小さく見えて、カービィとワドルディは何度も歓声(かんせい)を上げた。
デデデ城まではかなりの距離(きょり)があったのに、あっという間に到着(とうちゃく)してしまった。
カービィとワドルディをおろすと、アクティブレイドはなごりおしそうに言った。
「では、私は行くわ。十日間、ぼうやをお願いね」
「まかせて! 心配いらないよ」
「信じてるわ」
アクティブレイドは力強くはばたくと、再び舞い上がった。
空にはもう、いくつかの星がまたたき始めていた。
むらさき色の空のかなたへ、吸いこまれるように小さくなっていくアクティブレイドを、カービィとワドルディは手を振って見送った。
☆゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・
カービィたちは、もちろん気づいていなかったが――。
ドロッチェ団の三人組は、物かげにかくれて、アクティブレイドが飛び立つのを目撃していた。
「ちっ……あいつら、お宝をどこへ運ぶ気だ?」
スピンが、舌打ちをした。ドクが、ヒゲをピクッと動かして答えた。
「やはり、デデデ城じゃろう」
「せっかく神殿に何度もしのびこんで、ワナの位置を覚えたっていうのに……」
三人は、恐ろしいワナに苦しめられた日々を思い出して、じわっとなみだぐんだ。
「オレたちの苦労が水のあわだぜ……」
「いや、あきらめるわけにはいかんぞ。団長に報告じゃ!」
三人は顔を見合わせ、うなずいた。
アクティブレイドから、たまごを守ってほしいとお願いをされたカービィたち。
はたして、ドロッチェ団から無事にたまごを守りきることができるのでしょうか…!?
次回「第3回 デデデ大王は味方?」をおたのしみに!
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