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【期間限定】『地獄たんてい織田信長』スペシャルれんさい 第6回 ぼくらが地獄探偵の助手!?


◆第6回
大注目の超ハイテンションコメディ『地獄たんてい織田信長』1巻のスペシャルれんさい中!!
織田信長の助手にされちゃった!? いったいどうなっちゃうの???
もう読んでいるひとも、もう一度読んでみたり、お気に入りのシーンをおともだちに紹介したりして、みんなで楽しもう!

2022年2月28日までの期間限定公開です。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

六 ぼくらが地獄探偵の助手!?

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

『怪人X、ついに捕獲!』

 

 翌日に更新したニュースサイトには、そんな見出しがおどった。

 

 おおまかな内容はこうだ。

 

『街を不安におとしいれていた怪人X。しかし私立探偵に捕獲(ほかく)されると、そのまま故郷へと送りかえされたもようだ。ただある消息筋(しょうそこすじ)からは、怪人はあと二人いるとの情報もよせられている。いまだ正体は不明だが、この街の住人ではないとのこと』

 

 記事をかいたのはぼく。パソコンを使って更新したのは果報だ。

 

 場所は学校の視聴覚室。

 

 ふだんは放課後に更新するけど、注目度が高いニュースのときは別。

 

 その場合は今日のように朝早くに登校して、一時限目がはじまる前に流してしまう。

 

「しかし、こんな意味不明な事件になっているとはね」

 

 教室へむかうろうかをあるきながら、ぼくはグチるように果報へいった。

 

「なら、もう怪人Xやめちゃう? 山崎クンのお父さんじゃないって証明はできたし」

 

「まあ、目的は果たしたといえるけど」

 

「じゃあさ、今度こそ歴史人物の特集にしようよ。身近にすごい取材対象ができたじゃん!」

 

 果報はぼくの前にでて、うしろあるきしながらいった。

 

「うーん」

 

 ぼくはあるきながら腕をくむ。

 

「やっぱりはじめたからには終わりまで追うのが、ジャーナリズムだと思うなあ。流すだけ流してあとを追わないのも、無責任に思えるし」

 

「そっかー」

 

「でも、信長さんたちの追跡もしよう。なにかカギをにぎっていると思う。追っていたら、シッポをだすかも」

 

「どういうこと?」

 

「あっちの説明を、うのみにはできないってこと」

 

 彼らにうけた説明が、そのまま真実だとはかぎらない。

 

 あの人たちが怪人Xの可能性だってまだあるのだ。

 

「でも、情也。話がウソともかぎらないでしょ?」

 

 果報は首をひねる。

 

「じっさいにいきなりおそってきた今川義元をやっつけてくれたし。あたしは地獄探偵って信用できると思う。ならあたしたち、助手だよね?」

 

「うーん」

 

 今度はぼくが首をひねった。

 

 二人の話が本当なら、ぼくらは地獄探偵の助手らしいけど……。

 

 でも探偵助手なんて仕事、ぼくらみたいな素人はジャマだと思う。それに……。

 

「もし本当だとしても、昨日(きのう)のって、ぼくらはからかわれただけじゃない?」

 

「からかわれた?」

 

「そう考えたら、なんか納得できるんだよね」

 

 ぼくはいって、自分の言葉に首をたてにふった。

 

 だいたい子供をスカウトするって変だし。

 

 こっちの反応を見て、おもしろがっていただけかも。

 

 うん。……そうだ、そうにちがいない。

 

 階段をおりてろうかを曲がると、少しこころが軽くなった。

 

 だいたい肖像画の助手ってなんだよ。ギャグじゃん。だいじょうぶ、だいじょうぶ。

 

 今日からも、こっちはこっちで怪人Xを追おう。それがいい。

 

「よし、気をとりなおしていこう!」

 

 ぼくは教室の前まできて、自分にいい聞かせるように言葉にした。

 

 だいたい悩んでいてもしょうがないんだ。

 

 それよりこの教室の中は、きっと今日のニュースサイトの話題でもちきり。

 

 ぼくらがはいっていったら、注目の的になるぞ。

 

 そんな期待をこめつつ、ぼくは大きく息をすって、六年五組の教室の戸をガラッとひらいた。

 

 そして「おはよう!」ってみんなにあいさつするつもりだったけど……。

 

「おはやっぶううう!」

 

 と、おどろきのあまり、ぼくはとちゅうではげしく舌をかんでしまう。

 

 だって教室のうしろ……! これまで机が空いていたそこに! なんと!

 

 信長の肖像画と! サルが! ふつうにすわっているから!

 

「ウ、ウソでしょ?」

 

 ランドセルが肩からずれ落ち、ぼくの体中から力が抜けていった。

 

 なんで昨日まで平和だった教室に、信長の肖像画とサルが……。

 

 ふつう、ああいうのって正体をかくすもんじゃないの? バラすの?

 

 教室のみんなも、かなり引きぎみに、遠まきに二人をながめている。

 

 信長はすごいきゅうくつそうだし、変な存在感が強烈(きょうれつ)だ。

 

 教室にとけこもうとして、完全に失敗している。しかも本人が気づいてない。

 

「よっ。我が助手ではないか」

 

 信長がひょいと手を上げた。するとみんなの注目が、一気にぼくに集まる。

 

 うう……。こんなことで注目されるはずじゃなかったのに……。

 

「な、なんで二人がここにいるんだよっ!」

 

 ぼくは抗議(こうぎ)するように、ズカズカと二人に近づいた。

 

「なんでって、当たり前じゃろ」

 

 今度はシレッと秀吉がぼくにいった。

 

 ぼくは人って知ってるけど、見た目サルだからね。

 

「当たり前? なんで」

 

「だってワシら、今日からこのクラスの児童なんじゃもん」

 

「ク、クラスの?」

 

「そ。ワシらってどう見ても小学生じゃろ?」

 

 秀吉はへへっと親指をたてた。ぼくは、へなへなとその場にくずれおちる。

 

 ああ、なんてこった……。

 

 この教室そのものが、ニュースになってしまった……。



転校してきたのは織田信長!? 肖像画がとなりの席にいるなんて・・・・・・!
第7回につづくよ!(1月13日 午前7時 公開予定)

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