1巻まるごと公開『スイッチ!(1)イケメン地獄はもうカンベン!』 【1】入学の話をしようではないか

大人気シリーズ『スイッチ!』の第1巻をスペシャル公開!
男嫌いなのにイケメンアイドルたちのマネージャーになっちゃった!?
キュン度MAXな、笑ってトキメク学園ラブコメ☆ ぜひ、この機会にチェックしてくださいね!
『スイッチ!』シリーズ最新⑬巻は2023年10月12日(木)発売予定です! お楽しみに♪
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【1】入学の話をしようではないか
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『四ツ葉学園』の校長室。
ここは、芸能人御用達とも言われる日本屈指の芸能学園。
すでに芸能・スポーツ・アート界などで活躍中の生徒たちとともに、未来のスターたちや、プロデューサーとして働くことを夢みる生徒たちも通いながら、いろいろなことを学んでいる。
「校長先生っ。どういうことですか!?」
そんな美男美女がつどう学び舎のはずだが、私、日々野まつりはいたってふつうの女の子。
ツインテールをゆらし怒り狂う私とは対照的に、校長先生も校長室ものどかだ。
アンティーク調の部屋の窓からはさんさんとかがやく太陽の光が差しこみ、部屋の中を明るく包む。
書棚にしまわれた蔵書の横には優勝トロフィーがかざられ、重厚な雰囲気をかもしだしている。
そう。ここでは一般人オーラ丸出しの私だけが異質。
ただただ私の声だけが、この場に不釣りあいでした。
だれかを本気で呪ったことなんて、ありませんでしたが……。
いま、目の前にいらっしゃる若き校長・斉賀(さいが)しずる先生を本気で呪っている最中ですっ。(キリッ)
「まあまあ。おちついて」
ブチリ。
どこまでも他人事のような校長先生の言葉に、温厚な私もぶちぎれる。
2年前のあの日。
コンサート会場で出会った『レン』との約束を守るため、私は四ツ葉学園に入学したのだ。
それなのに、こんな鬼のような仕打ちが待ちうけていたなんて……。
いくらなんでも……ヒドすぎます!
「その百面相いいね。まちがいついでにさ、裏方じゃなくって女優のほうでやってみない? 君みたいな子は光るタイプだと思うけどな。──脇役で」
ガーン!
そ……そりゃ、自分でもわかっていますけど、面と向かって『脇役で光る』なんて言われて、よろこぶ年頃の乙女がいると思っているのでしょうか?
「入学してから3日でたおれて入院していましたが、ようやく登校できたんですよ! 話をそらさないでください!」
「バレたか」
校長先生は悪びれずにチロリと舌を出す。
なまじ美形なせいで、ふつうの人はコロッとだまされるかも知れませんが、そうは問屋がおろしません! だって、私は……。
「私は、女の子が大好きなんですっ! 男子なんて──ゴミです!」
私がバーンと机をたたいて力説すると、校長先生は苦笑する。
「ゴミって……。傷つくなぁ。もっとオブラートに包んだ言い方ないの?」
「……くず?」
オブラートに包んだ言い方がとっさに浮かばず、思った単語が口から出る。
「……この話題はやめようか。もうしゃべらなくていいから」
本気であきれている校長先生の反応に、私は両手をバタバタさせながら首を左右にふる。
「ちっ、ちがうんです! 人格の話ではなく、ゴミくずのくずですっ!」
「……。日々野さん。今後の君のために言うけど、それぜんぜんフォローになってないよ」
校長先生が笑いをかみころしながら、神妙な顔をする。
「貴重なアドバイス……感謝もうしあげます」
この学園ではじめていただいたアドバイス。
私は心をこめて頭をさげてから顔をあげると、校長先生は眉をよせて考えこむようなポーズをしていた。
★「【2】まさかの3人のマネージャーに!?」につづく
【書籍情報】
スイッチ!(1) イケメン地獄はもうカンベン!
- 【定価】748円(本体680円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】新書判
- 【ISBN】9784046317674
\先行連載でだれよりも早くおためし読み!/
▼そのほかにもためし読みがいっぱい