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みんなのイチオシ! “怪盗レッドのナンバー1人気の巻” 前後編を全文ためし読み! 第3回


2022年3~5月におこなわれた 「キミの好きな巻はどれ!? 怪盗レッド総選挙」で、見事に第1位にかがやいた15巻!
その前編となる14巻から、15巻のラストまでの2冊分を、連続して公開します。
アスカとケイの「レッド結成以来の大ピンチ」を描いた、この2冊。
ラストには感動まちがいなし! ぜひ読んでみんなの「イチオシ」の理由を、たしかめてね!



6月22日(水)~7月6日(水)は、『怪盗レッド14 最強の敵からの挑戦状☆の巻』が毎週更新!

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15 レッドの緊急ミーティング

 4日間あるテストの、3日目が終わった、放課後。
 わたしは、ケイといっしょに、家のリビングにいた。
 めずらしく、お父さんと、圭一郎おじさんもいる。
 わたしのテストがかんばしくないから、お説教………………っていうわけじゃないよ!
 昨夜のこと。
 ――タキオンの日本再侵攻について。
 昨日……というか今日だけど、夜中の3時ごろに帰ってきた、わたしたちの様子がおかしいことを、お父さんに気づかれちゃって。
 ニックたちとの最悪な再会について、話したんだ。
 今の「怪盗レッド」は、2代目のわたしたちのことだけど、だからって、1代目のお父さんたちに相談したりたよったりしないと、決めてるわけでもないし。
 それで、今日になって、緊急ミーティングをすることになった、というわけ。
「それで……お父さんたちは、どう思う?」
 わたしは、うかがうように、お父さんたちを見る。
 こうやって話していると、昨日のことを思い出して、もっと自分がうまくやれたんじゃないか……って、考えてしまう。
 お父さんたちだったら、あんな失敗はしなかったんじゃないかって……。
 ケイはどうなのかな?
 そう思って、ケイを見るけど、ケイはいつもの無表情のまま、じっと空中を見つめていて、なにかを深く考えているみたい。
 屋敷から帰ってきてから、ずっとこの調子なんだよね。
 考えごとをしてるときは、こういうことがあるけど、お父さんたちも交えて、レッドの大事な話をしているときまで、こうなってるのは、めずらしい。
 どうしたんだろう、ケイ……。
「タキオンが、このまま日本侵攻をあきらめるとは思わなかったが……こうも早いとはな」
 お父さんが腕を組んで、むずかしい顔をする。
「日本から手を引いても、全世界を見れば、依然としてタキオンの力は強かった。ニックといっしょにいたという、見たことのない顔ぶれは、新たな幹部といったところだろうね」
 圭一郎おじさんが言う。
「ファルコンが健在な上に、針の穴を通すように、ナイフをあやつる金髪美女と、パソコンのハッキング技術に長けた、若い男。それにニックか。きくだけでも、やっかいそうなメンバーだな。おれたちでも、苦労しただろう」
 お父さんが、確認するように、あらためて言う。
 直接、対決したわたしには、そのやっかいさが、身にしみてわかってる。
 なにか対策をたてないと、もう一度、逃げ帰ることに、なりかねない。
 それに、今回は、あからさまに見逃されたんだもん。
 きっと、次はないよね。
「……美華子がいれば、もう少しわかるかもしれないんだがな」
「えっ、美華子さんが? どうして?」
 美華子さんは、お父さんたちの妹。
 つまり、わたしとケイからすると、叔母にあたる人なんだ。
 お父さんたちが初代怪盗レッドだったころ、3人目のメンバーとして、いっしょに活動してたんだって。
「美華子が、輸入関係の仕事をしてるのは、知っているだろう?」
「うん。お店にも、ときどき遊びにいってるよ。外国のかわいい雑貨とか小物とか、いろいろあつかってるよね」
 そういうのを見つけてこられるのは、美華子さんのセンスの良さなんだと思う。
 バリバリ働く社長だし、大人の女の人って感じで、あこがれる存在なんだよね。
「その仕事も、世界のタキオンの情報を集めるための、美華子の『表の顔』なんだ」
 ええええっ! そ、そうなの!?
 ニックと知り合いで、貿易会社のライバルとして、狙われたこともあるって話はきいたけど……。
「でも、どうして? 美華子さんはもう、怪盗レッドはやめてるでしょ?」
 こっそり、まだ活動してるとかじゃないよね!?
「あいつのことだから、じっとはしていないが、怪盗レッドとしてではないだろうな。それについては、アスカとケイに代をゆずって、納得しているはずだ」
 それなのに、タキオンのことを調べているの?
「美華子は……美緒と杏子さんと親しかったからな」
 美緒と杏子って……わたしたちの、お母さんでしょ。
「えっ、どういうこと?」
 わたしが身を乗りだすと、お父さんが複雑そうな顔で、口をひらいた。
「美華子からきいたと思うが……美緒と杏子さんは、海外でタキオンについて調査しているとき、事故にあったんだ。事故については、相手の車の不注意の事故で、タキオンが裏で糸を引いているということはなかった。だが、タキオンの調査が途中で終わったことが、きっと2人の心残りだと、美華子は考えてるんだろう」
 お父さんが言いながら、さびしげな顔をする。
 お父さんが、お母さんの話をするときは、いつもこんな表情をするんだよね……。
 わたしも、お母さんのことを思い出すと、胸のあたりがキュッと苦しくなる。
 でも同時に、やさしかったお母さんの思い出がよみがえって、あったかい気持ちにもなるんだ。
 ケイのことをチラリと見ると、目をほそめて、なにかを思い出すような顔をしてる。
 ケイも、お母さんのこと、思い出してるのかな?
「そんなわけで、美華子は今でも、1人でタキオンを追っているんだよ。何度か、危ないと止めたが、きくような性格でもないからね。でも、そんな美華子なら、今回の新幹部についても情報を持っているかもしれない」
 圭一郎おじさんが、説明する。
「そういうことかぁ……。それで、美華子さんに連絡はついたの?」
 すぐにでも、話をききたいよ!
「それが、連絡がつかないんだ。日本と海外をいったりきたりしているから、海外の電波の届かないところに、いるのかもしれない。日本にむかっているところなら、それほど待たずに連絡がとれると思うんだが」
「そんなぁ……!」
 せっかく、新しいタキオンのことがわかるかもって、思ったのに。
「アスカちゃんの昨夜の活動記録から、ぼくも映像データを調べてみたんだけど、確信がもてるような情報はなくてね」
 圭一郎おじさんが、申しわけなさそうに言う。
 でも、ケイにもおとらない圭一郎おじさんの調査力でも探れないなら、しかたがない!
「どっちにしても、わたしたちが、タキオンの野望を打ち砕くことは変わらないし。だいじょうぶです! ね、ケイ?」
 わたしは、となりのケイを見る。
「……ああ」
 だけど、ケイはいつにもまして、上の空の様子で返事をする。
 まだ、落ちこんでるのかな?
 たしかに今回の失敗は、わたしだって落ちこむけど……なんだかちょっと、ケイらしくない気がする。
 すぐに頭を切り替えて、前に進むタイプだと思ってたんだけど。
「そうはいっても、こちらから動くには、手がかりもないしな」
 お父さんが、肩をすくめる。
「ラドロだって、いるわけだからね」
 圭一郎おじさんも、さとすように言う。
 むむむぅ……タキオンに、ラドロ。
 たしかに、今2つの危険な組織が、日本にはあるってことだよね。
 それを一気に相手にすることは、たしかにムリだけど……。
 わたしには、ぜんぜんいい案が、思いうかばない。
 どっちの組織も、まだ情報が足りないんだよね。
「ケイは? なにか情報を手に入れてないの? ほら、タキオンの屋敷にハッキングをしかけてたでしょ?」
「……ほとんど、ふせがれていた。新しい幹部のハッカー技術は、ぼくと同等だと思っていい」
 ケイは、心ここにあらずという表情ながら、質問にはすらすらと答える。
 ケイのハッキングを防いだ!?
 今まで、そんなことができた相手に、おぼえがない。
 あのときいた新しい幹部らしき若い男は、思った以上に、ただ者じゃないらしい。
「どちらにせよ、あせって動くのは危険だな」
 お父さんが、勝手に動くなよ、という顔を、わたしにむけてくる。
 わかってるよー。
 そんなにすぐ、飛び出したりしないってば!
「先走っても、いいことはないよ。情報を集めて、確実に動くことも必要だからね」
 圭一郎おじさんまで、心配げにわたしを見てる。
 うう……そんなにわたし、イノシシみたいに、つっこんでいきそうな雰囲気なわけ!?
「わかったってば! ちゃんとケイと相談して、問題を1つずつ片づけていくから。ね、ケイ」
「……ああ」
 あいかわらず、ぼんやりとした様子のケイに、わたしはちょっとだけ、不安が胸をよぎる。
 なにをそんなに、考えこんでいるんだろう。
 わたしには、なかなか相談してくれないのは、いつものことだけど……。
 自分がたよりないのが、もどかしいよ。
 でも今は、ケイを信頼して、話してくれるのを待つしかないよね!

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