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怪盗レッド スペシャル 第9話 宝条有栖のちょっとした日常・下

中学生だけど、みんなにはヒミツで「正義の怪盗」をやってる、アスカとケイ。
そんな2人のかつやくを描いた「怪盗レッド」シリーズは、累計120万部を超える、つばさ文庫の超・人気シリーズです!

今回は、前回にひきつづき、天才小学生画家・宝条有栖ちゃんのお話!
画家であり、泥棒組織「ラドロ」の本部にも出入りをし、幹部同然のあつかいを受けている有栖ちゃん。
ある日、ラドロを追い出されるほど、たちの悪い泥棒の一味が、クラスメイトの西園寺さんの家を狙っていることを知って……!?

前回のお話は▶コチラ
有栖ちゃんが登場するのは、『怪盗レッド』13巻。すごく個性的な大人気キャラだから、まだ読んでいない子はぜひチェックしてみてね!



   *****

 

 ――深夜の1時。

 わたくしは、西園寺家のお()(しき)の庭の木のかげにかくれていた。

 サクスの調査とわたくしの分析により、問題の泥棒グループが西園寺家に(しの)びこむのが、今日の深夜だとわかったから。

ここで、待ちぶせしているというわけ。

 そのサクスだけれど、いったいどこにいるのか……。

「――やつらがきた。6人だ」

 突然、すぐうしろからサクスの声が聞こえて、わたくしは身をかたくする。

 ジロリとサクスを見ると、

「なんだ?」

 いぶかしげに、サクスが言う。

 あのね……おどろくのよ! わたくしでも!

 こんな真夜中の真っ暗なところで、とつぜん音も立てずにうしろに立たれたら!

 と言いたいのだけれど、口がさけても言ってやらないわ。

「……なんでもないわ。それでやつらの動きは、予想通りかしら?」

「有栖の読み通りだ。やつらは西園寺家の使用人の1人と通じている」

「でしょうね。ボンクラ泥棒なんかに、この家のセキュリティを、突破できるとは思えないわ」

 そういうわたくしは、サクスにかかえられて、ここまで入ってきたけれどね。

 警備員は常時5人ほどと、お屋敷の広さにくらべて少ない。

けれど、赤外線センサーや、(くら)(やみ)でも感知が可能な顔認証システム(とう)(さい)のカメラなど、異常事態を知らせるシステムは、かなりのものがしかけられている。

 ひとたびこのシステムに引っかかれば、5分もたたずに警備員が、外から山ほどやってくるというわけ。

 そんな西園寺家のお屋敷に、腕も知恵もたいしたことがない泥棒が、正攻法で忍びこめるはずがないわ。

 なのに、西園寺家へ忍びこむことを誘われていた男は、「やつらは、やけに自信ありげだった」と言っていた。

 なにか裏があるのは、まちがいない。

 それで調べてみたら、西園寺家に5年ほど勤めている使用人の男が、裏であやしい動きをしていたのよね。

 セキュリティ管理の場所まで()(あく)しているということは……西園寺家につかえるようになったときから、裏切るつもりだったのかもしれないわ。

 まったく。

人間っていうのは、どうしてこう、どうしようもないところがあるのかしらね。

「動くか?」

 サクスが、わたくしにきいてくる。

 当然、答えは決まっているわ。

「――たたきつぶすわ」

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