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【期間限定】『君のとなりで。』スペシャルれんさい 第64回 先輩の傷あと


◆第64回

体育祭のマーチングを大成功させた吹奏楽部。
いよいよ、部員全員で、吹奏楽コンクール全国大会に向けた練習が始まります!
でも、その前に、さくらには心にひっかかっていることがあって……?

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*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

 

♪先輩の傷あと

 

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

 

 今日は日曜日。

 

 でも、全国大会に向けた練習のために、昼から部活をしていた。

 

 練習が終わったころには、もう夕方。

 

 オレンジ色の光が、音楽室を照らしていた。

 

「加代ちゃん、なに見てるの?」

 

「グラウンドに、すごくかっこいい人がいる!」

 

「え~、どこどこ?」

 

 さっこと加代ちゃんは、音楽室からグラウンドを見下ろしていた。

 

「あの人、誰かな?」

 

 加代ちゃんが指さすと、

 

「あ~、3年生の荒木田先輩だよ。サッカー部部長の」

 

 さっこが答えた。

 

「荒木田先輩……?」

 

 あ! あの時の人だ!

 

 体育祭の日に見てしまった、サッカー部の荒木田先輩と伊吹先輩のやりとりを思い出した。

 

 サッカー部の試合は、今日のはずだ。

 

 伊吹先輩は、準備室に残って、トランペットの練習をしているみたい。

 

 やっぱり、サッカーの試合には出なかったんだ。

 

 ちょっと気になりながらも、帰るしたくを始めた。

 

「あ……クロス忘れた!」

 

 パート練習をしていた教室に、フルートをふく布を置き忘れちゃったみたい。

 

「ごめん、ちょっと行ってくるね」

 

 さっこと加代ちゃんに声をかける。

 

「うん、大丈夫。ここでもうちょっとサッカー見てるから~」

 

「私も~」

 

 ふたりとも、サッカー部の試合にくぎづけだ。

 

 私は、音楽室を出て、1階の教室に向かった。

 

 

 薄暗いろうかを歩いていると、向こう側からやってきた人影が、私の目の前で足を止めた。

 

「あれ? 吉川!?」

 

「え!?」

 

 名前を呼ばれて、顔を上げる。

 

 そこにいたのは、真っ黒に日焼けして、サッカーユニフォームを着た男の子だった。

 

 見覚えが、あるような、ないような……。 

 

「あっ、加賀谷くん!?」

 

「そう! 久しぶりだな~~!」

 

 その人は、小学校のころ、同じクラスにいた加賀谷くんだった。

 

 加賀谷くんは、黒羽中じゃないはずなのに。なんでこんなところに!?

 

「まさか試合相手の学校で吉川に会えるなんて、思ってなかったよ。俺、今、南海中でサッカーやってるんだ」

 

「そっか、今グラウンドでやってる試合、うちの中学と加賀谷くんの中学の試合なんだね」

 

 まさかここで会うなんて。

 

 加賀谷くんとは、実は小学校時代、ちょっといい感じだった。

 

 でも、つき合うとかっていう話にはならなくて、そのまま別の中学に進学してしまった。

 

「そうだ、吉川の連絡先教えて。今度、ふたりでどっか行こうよ」

 

「えっ」

 

「来週の日曜日、空いてる? 部活の後、地元で遊ばない?」

 

「えっと、来週は、ちょっと……」

 

「じゃあ、その次は?」

 

「うーん……11月まではちょっと部活が忙しくて、無理だと思う……」

 

 ど、どうしよう。

 

 加賀谷くん、すごく積極的だ。

 

 でも、ふたりっきりで遊びに行くなんて、ちょっと考えれられないよ……。

 

 困っていた、そのとき。

 

「吉川」

 

 すぐ後ろから、名前を呼ばれた。

 

「は、はい!」

 

 びっくりして、思わずとびあがる。

 

 振り返ると、そこにいたのは、伊吹先輩だった。

 

「部室、もう閉めるぞ」

 

「は、はい。すみません、伊吹先輩」

 

 ぶっきらぼうな伊吹先輩の言葉に、すくみあがって答える。

 

 そのとき、

 

「……伊吹……? 伊吹、楓さん……?」

 

「え……?」

 

 伊吹先輩の名前を呼んだのは。加賀谷くんだった。

 

 なんで、伊吹先輩の名前を知っているんだろう。

 

 加賀谷くんは、信じられないものを見るみたいに、伊吹先輩の顔を見つめていた。

 

 

さくら、まさかの人と再会!?
でも、加賀谷くんはなぜ伊吹先輩のことを知っているの……?
つづきは、次回! おたのしみに!!

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