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【期間限定】『君のとなりで。』スペシャルれんさい 第47回 私の音と、私の想い


◆第47回

全国大会で金賞をとるためにがんばろう! と、思っていたのに、黒羽中吹奏楽部の全員が同じ気持ちでいるわけではなかった……。
不安な気持ちになるさくらの前にあらわれて、救ってくれるのは、やっぱり……?

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*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

 

♪私の音と、私の想い

 

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

 

 落ち着かない気持ちで、部活後も楽器庫で練習していたら、準備室からトランペットの音が聞こえてきた。

 

 伊吹先輩が練習してるんだ。

 

 しばらく聞き入っていたら、急に楽器庫の扉が開いた。

 

「フルート、まだいたのか」

 

 扉の向こうから顔を出したのは、伊吹先輩!

 

「あ……。えーと、自主練習をしてまして……」

 

 持っていた楽器を、あわてて持ち上げる。

 

 練習の手を止めて、伊吹先輩の音を聞いてたこと、バレちゃったかな。

 

 とくとくと、心臓の音が速くなる。

 

 伊吹先輩は私の目の前までやってきて、イスに座った。

 

「お前さ、高音の音程なんとかしろよ」

 

「へ!? は、はい!」

 

 気をつけなきゃと思っていたところを、伊吹先輩にも注意されてしまった。

 

 しゅんとして肩を落とす。すると、先輩はちょっと声を明るくして、

 

「でもまぁ、フラッターはだいぶうまくなったな。姉貴がまたレッスンしてやるって言ってたから、必要だったら連絡してみれば?」

 

 って言ってくれた。

 

「は、はい! ありがとうございます!! 連絡します!!」

 

「じゃあな、がんばれよ」

 

 少しだけ笑って、先輩は準備室に戻っていった。

 

 高音が苦手なことも、フラッタータンギングが少しうまくできるようになったのも、まちがいなく、私のフルートの音のことだ。

 

 伊吹先輩は、合奏の中で、私の音を聞いてくれてるんだ……!

 

 それがうれしくて、胸が熱くなる。

 

 もっと、うまくなりたい。

 

 うまくなって、先輩に認めてもらいたい。

 

 そして……。

 

「伊吹先輩といっしょに、金賞をとりたいよ……」

 

 想いをつぶやいたら、力がみなぎってきた。

 

 伊吹先輩といっしょに演奏できるコンクールは、これが本当に最後だ。

 

 よし、決めた! もう、不安になってる時間はない。

 

 全国大会に向かって、金賞に向かって、がんばろう!

 

 

なやんだり、不安になるさくらの背中を押してくれるのは、やっぱり伊吹先輩。でも、全国大会に向けてがんばる決意を固めたさくらの前に、さらなる不安のタネがやってくる……!? 次回もおたのしみに!

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