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【期間限定】『君のとなりで。』スペシャルれんさい 第38回 椿先輩の秘密のレッスン


◆第38回

さくらがひとりで落ちこんでいるところに、とつぜんあらわれたのは、伊吹先輩のお姉さん・椿先輩! 
「ついてきて」という椿先輩のあとを追いかけていった先にあったのは、なんと……!?まさかの展開です!

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♪椿先輩の秘密のレッスン

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*
 中学校を出てからの記憶が、あまりない。

 椿先輩とのおしゃべりが楽しすぎて、いつの間にか電車に乗っていた。

 それからしばらく歩いて、気がついたら、立派なお屋敷の前に立っていた!

「大きい……」 

 見上げた門の高さに、思わず声がもれる。

「椿先輩、ここは……?」

「私の家だよ」

「え~! 椿先輩のお家、すごくすてきですね!」

「そう? まぁ、入って入って」

 笑いながら、門を開けてくれる。

「お、おじゃまします~」

「いや、まだここ門だから! あはは~」


 うわ~。とことんはずかしい。

 真っ赤になりながら門をくぐると、広いしばふの庭の向こうに玄関が見えた。

「ただいま~」

 椿先輩が玄関ドアを開けた瞬間。

 私はとんでもないことに気がついた。

 椿先輩のお家ってことは……ここ、伊吹先輩のお家だ!!!!

「あああああの、あの……」

「あ、気づいた? そうそう。ここ、楓の家でもあるからね」

「あわわわ」

「落ち着いて~。大丈夫だから。それに、楓はまだ帰ってきてないしね。今は会いたくないでしょ? ケンカ中だもんね」

「そんな、伊吹先輩とケンカなんて、大それたこと……」

「ほら、入って入って」

「あ、はい。おじゃまします」

 玄関だけで、私の部屋がすっぽり入りそう。

「あら。椿ちゃん、おかえりなさい。今日は早いのね」

 奥のほうのドアが開いて、中からきれいな女性がやってきた。

「ただいま。あ、お母さん。吹奏楽部の後輩を連れてきたの。同じフルートのさくらちゃん」

 お、お母さん──!?

「いらっしゃい。さくらちゃん」

 びっくりして、勢いよく頭を下げた。

「は、はじめまして! 吉川さくらでございます!」

「どうぞゆっくりしていってね。あら、中等部の制服なのね。楓と部活でいっしょなの?」

「あ、はい! あの、伊吹先輩にはいつも大変お世話になっています!」

 椿先輩は、私の肩に手を置いてにっこり笑った。

「中等部の1年生なんだよ。いっしょに練習しようと思って。防音室使うね」

「どうぞ。がんばってね」

「ありがとうございます!」

 椿先輩は笑いながら、緊張でカチコチになった私の背中を押していった。


 
 長いろうかを歩いていくと、ふぁさっと長い毛をなびかせた大型犬がやってきた。

「ただいま、いぬお」

 いぬお!!

 白くて長い毛なみに、すらっとした気品ある姿と、名前のイメージが一致しない。

「あら。さくらちゃんに興味あるみたい。めずらしいね、いぬお」

「ステキなわんちゃんですね。いぬお……さん」

「かっこいいでしょ。アフガンハウンドっていう犬種なの」

「テレビでしか見たことないです」

「いぬおは興味のない人にはそっけない態度なんだけど、利口だし、けっこういたずら好きなんだよ。楓にそっくり」

「そ、そうなんですね。確かに、毅然(きぜん)としてますね」

 でも「いぬお」なんだ……。ナゾすぎる……。

 いぬおをしばらくなでた後、奥にある音楽室みたいなぶ厚いドアを、椿先輩が開けてくれた。

「ここが防音室だよ。入って」

 壁には、音楽室みたいな穴の開いたボードが張ってある。

 すごい……。おうちの中に、楽器を吹いても大丈夫なお部屋があるんだ。

「譜面台(ふめんだい)とイス、てきとうに使ってね」

「はい。ありがとうございます」

 防音室の中には、譜面台やイス、グランドピアノまである。

「じゃあ、さっそく始めようか。まずは、課題曲から。吹いてみて」 


 椿先輩のレッスンはきびしくて……。

 でも、私に音楽の楽しさを思い出させてくれた。
 

椿先輩につれていってもらったのは、なんと、伊吹先輩のおうち!? 
伊吹先輩と椿先輩のお母さんにも対面してしまった……!
次回は、今回以上のショーゲキが走る?「あの人」の登場です! 
お楽しみに~!!

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