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【期間限定】『君のとなりで。』スペシャルれんさい 第32回 ダブルデート、スタート!


◆第32回

黒羽中吹奏楽部の関東大会突破のため、そして崎山くんのために、柴田さん&伊吹先輩のデートに乱入することになってしまった! しかも、「浴衣を着てくること」が条件!?
いよいよデート当日です♪

第1巻(1回~16回)を読みなおす(もくじへ)
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*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

ダブルデート、スタート!

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

 ついにやってきた、日曜日。

 部活のあと、急いで家に帰ってきて、浴衣ででかけた。

 約束の時間の、5分前。

 ドキドキしながら、待ち合わせ場所の噴水広場へ向かう。

 そこには、もう崎山くんと柴田さんがいた。

「こっちだよ!」

 崎山くんも私を見つけて、手を振ってくれた。

 崎山くんは、白地にブルーの矢羽柄がオシャレな浴衣を着ている。

 柴田さんは、紺色の浴衣に赤の帯。すごく大人っぽくて、見とれちゃうくらい似合っている。

 それに比べて私は……。

 白地にピンクや紫の大きなお花もようの浴衣と、ピンクの帯。

 お花がついたヘアゴムで、髪をふたつにしばっていた。

 せいいっぱいのオシャレをしてきたんだけど、ちょっと子どもっぽかったかな……。

「こ、こんにちは」

 気後れしながらあいさつすると、

にこやかな崎山くんの横で、柴田さんは無表情。

「話が違うわ」

 そう言って、崎山くんを軽くにらんだ。

 伊吹先輩とふたりっきりのデートのはずが、おじゃま虫の私たちがいるから、怒ってるのかな……。

「崎山くん、大丈夫?」

 崎山くんの腕をつついて、小声でこっそり言う。

 話が違うから入部しない!って、柴田さんが言い出したらどうしよう……。

 心配になってきた、そのとき。

「あ! 伊吹先輩!」

 崎山くんの笑顔が、私の後ろに向けられた。

 ドキン!!

 伊吹先輩が来たんだ!

 緊張しながら振り向くと……。

「崎山の相手って……お前……?」

 少しおどろいた顔の伊吹先輩が、浴衣姿で立っていた。

 わっ……。

 伊吹先輩の浴衣は、濃いグレー。

 すごく似合っていて、ドキドキが止まらない。

「先輩、浴衣で来てくれたんですね。ありがとうございます!」

「ほんと迷惑。めんどくさい。で、どこに行くんだ」

 崎山くんは、キラリと目を輝かせた。

「この先で、お祭りをやるんです。始まるまで1時間くらいあるんで、せっかくだから、楽器屋にでも行きませんか? そこ、楽譜の種類が多いんです」

「へぇ」

「……そう」

 さっきまでの無表情から、ふたりとも、ほんの少し表情が明るくなっている。

 ちょっと興味があるみたい。

「じゃあ、行きましょう~~~!」

「吉川さん。詩音(しおん)、うるさいけどよろしくね」

「詩音って?」

「俺の名前。ていうか、うるさいってひどいよ、月乃」

「崎山くんって、詩音って名前だったんだ!」

「俺のこと、下の名前で呼ぶのは月乃くらいだから、知らないよね。……って、あ!」

 崎山くんとのんびり話している間に、柴田さんは伊吹先輩を連れて行ってしまった。

「月乃のやつ……。さくらちゃん、俺たちも行こうか」

「うん」

 どんどん先を歩いていくふたりを、あわてて追いかけた。
 

はじめて見る、制服じゃない、浴衣すがたの伊吹先輩にドキドキ♪ いよいよ、デートが始まりました……!
次回もデート回です♪ おたのしみに!!

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